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ラジオ制作現場(七つ道具)

いや、別にテレ朝について書く訳じゃないですけどね(笑)。
東京国際映画祭に取材に行った時、六本木ヒルズの喫煙所から見たら、いい夕焼けだったので1枚撮った写真ですよ。

先月から始めたnoteも丸1ヵ月、この記事で31本目になったので…何日か休んだりしつつも1日1本ペースをキープした事になります。

さて「ラジオ制作現場」シリーズ…DやPやAD、DJさんたちが使う「お道具」についてちょっと触れてみたいと思います。

■赤ペン

何は無くとも放送業界の人なら必ず使ってるハズなのがコレ。
ぺんてる サインペン”赤” 何故”ぺんてる”ブランドなのか分かりませんが…昔からコレなんですね。とにかくペン先が程よい硬さで書きやすい!一時期別メーカーの赤ペンを使った事が有りましたがダメ。持った感じも、口に咥えた時(!)も”しっくり”。理屈じゃないんです。

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■サウンドプロデューサー

2分15秒+45秒=?
え?え?ってなりますよね。この六十進法の計算がパパっと出来て、ストップウォッチにもなる、カウントダウンも測れるという音楽・放送業界ならでは!の携帯用時計。SEIKO「サウンド・プロデューサー」

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大きさ、分かりますよね。程よい手の平サイズなので、スタジオの卓で仕事する時も、ライブラリーで選曲する時も…使いますね。業界物のドラマで、TVスタッフが首から掛けてるのがコレです。上段にリアルタイムの時計(12時間制も24時間制も表示可)、下の段でストップウォッチとして使ったり、カウントダウンしたり、時間計算したりします。

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80年代から居るベテランさんは、この小さい旧型を愛用している人もいますが、コレだとテンキーが小さいので慌ててる時は押間違い易いです(笑)。使い慣れてる人はこっちのほうがいいと確実に言いますが。
上の現行モデルは1万5千円位です。

■波形編集ソフト

昔、アナログテープでスタジオ録音している時代は…直接テープを切って編集していましたから、その編集キット(ハサミ、ダーマトグラフ、スプライシングテープ)が七つ道具の1つでしたが、デジタルの今は、パソコンにインストールする編集ソフトが必須でしょう。放送局側で設置したり貸し出したりするPCで編集出来るところも有りますが、首都圏だとあちこちの局を渡り歩くスタッフさんなんかは、ノートPCを持ち歩いて、合間や自宅等で編集しちゃう場合が有ります。
コレは千差万別なのでアレですが…大体、音楽業界の人たちも使うソフトの場合が多いようです。多いのは Pro Tools (AVID社)でしょうか。
あんまり高額な奴を入れても、音楽制作しないので…使わない機能も相当多いのでじっくりご検討を。ちなみに自分は CUBASE (スタインバーグ社)です。

■SDカード、USBメモリー

放送局のスタジオで収録した音声データを記録するにも、それを自分のPCで編集するにも、記録メディアは必須です。機材によって使えるメディアは違う場合も有りますが、大体はSDかUSB、どっちかは対応しています。
ココで注意が必要なのは…紛失(笑)。よく無くす人、いるでしょ?
いや実際、無いない!って焦って探しまくる事があるんですよー。
複数枚を入れられて、ある程度の”存在感”があるケースの方がいいです。

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USBメモリーの場合も、ペンケース型の文房具でいいので…鞄の中にポイと入れて、手探りでも分かる位の大きさだと慌てる事は減りますね。
あと、データ容量は大きすぎると、1枚の中で特定のデータを探すのも迷子になりますし、紛失した際の衝撃は物理的にも心理的にも大きい(笑)ので…8GB、16GB位で”分けて”おく方が賢いです。例えば…放送局別とか、収録マザー用、編集用、完パケ用とか。番組別でもいいですね。

■外付けHDD

紛失、消失、破損…デジタルの今、これほど怖い言葉は無いです(笑)。
昔は磁気テープとかDATテープとかMD(ミニディスク)とか、形でキープできましたが、今は目に見えないデータですから…迷子は怖い!
そこで、収録したデータを入れたSDやUSBからコピーしてバックアップを取っておく事は大事です。

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PC内蔵のHDDに収めてもいいんですが、放送用のデータというのはMP3とかの圧縮データじゃなくWavファイルという大きいデータのまんまなので、相当負担を掛けます。なので、持ち運びも出来るし、PCが故障しても安心な外付けHDDにマメに保存しておく癖を付ける方が安全です。
もちろんハードディスクもクルクル回る物で、いつかは死にますから、早め早めにコピーしてバックアップを取る事が大事になります。
マザー、編集中の素材、パケ…まとめて1台に記録するなら1TB以上の方が安心かも…。

■CDソフトケース

今はメーカーから楽曲データをネット経由でもらう方が多いでしょうか。それでも、音楽好きなら素敵なジャケットデザインのままCDで持っておきたい!という人も多いです。でも…通常のプラケースのままだと、どんどんどんどんどんどんどんどん(笑)…自宅の部屋が狭くなります。会社のデスク回りやロッカーを圧迫します。なので、データを圧縮するようなもので、CDもソフトケースに移し替えて厚みを減らしましょう。
おすすめはエレコムのこれ

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両面タイプなのでCDは表に入れて、ジャケット、裏ジャケットなどは裏面に入れられます。不織布なので記録面の保護も安心です。正方形部分から飛び出すように見出しカード差し込み用の出っ張りがあるので、通常プラケースサイズなら、ジャケットも折りたたむ事なく、裏側に差し込んでも、それほどはみ出しません。

■ヘッドホン

大事なものを忘れてました!メーカーさんからもらったサンプルCDを聞くにも、編集するにも必要なのがヘッドホン!
普段、移動中に聞くイヤフォン、今ならコードレスのブルートゥ―スのコンパクトな奴があるからいいや…という人も、耳を包むタイプのいわゆるヘッドホンを仕事用に持ってた方がいいです。まあこれも、音質や装着感で好みは千差万別ですね。音楽や音声の繊細なシルエットをチェックする意味でも、ヘッドホンを使うべきです。もちろん有線です。
放送局に出入りする人だと、ソニーとかオーディオテクニカとか各社のヘッドホンが色々置いてると思いますし、大型家電店だと試聴コーナーがあるので自分に合った物を選んでみましょう。
(個人的には、ソニーはシャリシャリするので専ら仕事用。じっくり聞くにはしんどい。オーディオテクニカはソフトで、プライベートに使うならいいけど輪郭がぼやけるので仕事用にはちょっと辛い。ってことで色々聞いて、AKGの音作りが一番マッチするんですが、好きだった折り畳み可能のポータブルタイプが製造中止になっていて残念です。)

■レコーダー

外でインタビューしたり、生録したりという時、放送局が持っている業務用のレコーダーが貸し出せるのが普通ですが、機動力を考えると、自前で小さい物を持っていると、何かと便利だったりします。
政治記者の皆さんが、大臣等の”ぶら下がり”会見で突き出しているペン型の奴…アレをイメージする人も多いと思います。あれも記録という部分では悪くないですが、それを放送に使えるか?というと難しいです。何故なら、本体を手で持つので、大抵そのノイズがガサゴソ入ります。
一方、野鳥やせせらぎを集音するステレオマイクが八の字型に配置された高音質タイプも有ります。環境音(ノイズ)を集音するならいい音ですが…インタビューで使うには向きません。本体から離れた音を立体的に録音する為のマイク配置なので、至近距離で正面で声を録音するには声の輪郭がぼやけます。なので、ステレオタイプなら外部マイクを別に差して使える端子が付いている事が条件でしょうか。コンパクトレコーダーでも、LRステレオマイクと別にセンターマイクが付いた3マイクタイプならインタビューでも使えますね。注意したいのは、音質を重視して…レコーダー側の設定はWAVにしておきましょう。録音フォーマット(44.1/16、48/16)は局のマスターさん(技術スタッフ)に確認しておいてください。

あれ?気付いたら8個になってた(笑)。

まあ七つ道具って事で、これだけあれば困らないって感じですね。

でも「宝の持ち腐れ」という言葉も有ります(笑)。
スキルはしっかり鍛えておきましょうね。

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