【絵本歳時記②】ぽっつんとととは あめのおと
近年、梅雨といえば集中豪雨で大変な被害が出る季節になってしまいました。昔は、毎日しとしと雨が降る、ある意味風情ある季節でしたけどね。
いずれにしても、雨の日が憂鬱になるのは大人も子供も一緒です。そんな'梅雨'を描いた絵本、沢山あります。FMPORTの「今週の絵本」コーナーでも色々ご紹介しましたが、印象に残る一冊がコレ。
「ぽっつんとととは あめのおと」
作 戸田和代
絵 岡田千晶
(PHP研究所)
岡田さんが描いた絵本は、絵本コーナーでも何冊か紹介しましたが、読み手の小方さんノ声も優しさが増す気がしました。
デフォルメした絵が多い中、岡田さんの絵は、どちらかというと写実的で、人物だけでなく生き物や縫いぐるみたちもリアルです。そんな中でもファンタジー溢れる描き方、色鉛筆彩色の淡い優しさが有って、下読みする際も、毎回ほっこりさせてもらいました。
雨で憂鬱な気分の主人公の女の子が、とある「案内役」に出会って素敵な経験をする事で、雨だって素敵なんだよ、という明るい気分に成長します。
主人公の心を反映するかのように、色調も少し暗めな冒頭から、お天気も相まって明るく転換してゆきます。
なによりも「ぽっつんとととは あめのおと」と、繰り返し出てくるフレーズが心地良いです。ザーザー、シトシトでなく「ぽっつんととと」という表現を見つけた戸田さん、お見事です。
文章も、歌詞のようにリズミカルで小君良いのが気持ちを高揚させてくれます。
読み聞かせする場合は、是非、ゆったりリズムを取って、お子さんを巻き込むように目を見ながら楽しく読んであげましょう。
きっと大人も雨が苦にならなくなる魔法のパーティー絵本になります。
▪️岡田千晶さん公式サイト
▪️PHP研究所・書籍紹介ページ
(ドーナツ、食べてみたいな笑)
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