さようなら?RADIO
上の写真は本題とは関係無いです(笑)。数年前ですか?新潟であったブルーインパルス飛行の際、描かれた輪っか…本来の開会式の日ということで。
さて…
前回書いたように、
FMPORTが閉局し、主要DJ(PORTではナビゲーターと称しましたが)たちの次の”受け入れ先”が決まりました。
■ラジオって何だろう?
そう。DJが喋るからラジオなのか?
AM局の場合、喋り中心なので、そうかも知れませんね。
でも、ラジオ番組は台本を書く放送作家や、構成・演出・素材を作って出すディレクター等、スタッフを含めて1つになります。
そういう意味では、次の新しい番組は 以前のモーゲーでもミントでも
グッドモーニング・ポートシティー・サタデーでもない物になるはず。
もちろん仁さんのようにディレクターを引き連れて引っ越した場合、
ある意味”再現”に近くなるものの、挟まるジングルやBGM、CM、
何よりも音質は別の物です。
意外と忘れられている部分を見ると、編成というお仕事も有ります。
その「局」自体が、どういうカラーを出すのか?という要になります。
番組の並べ方だけでなく、各番組のテイスト、局自体がどういう方針で放送するのか?決める部署です。
常連リスナーさんたちが言いました。
「ポートは某局よりも落ち着いて聞ける自然なトークが好きでした」
「〇〇局は、にぎやか過ぎてちょっと…」
その違いこそ、編成が醸し出す”局の特徴”な訳です。
「全国38局を結んで生放送でお送りしています」という決まり文句でお馴染みのJFN(ジャパン・エフエム・ネットワーク)。radikoを使う方、月額350円でエリアフリーで聞ける方、一度各系列局のローカル番組を聞き比べてみて下さい。新潟のように、ワイワイ元気な局もあれば、神戸のように、どちらかと言えばPORTに似た雰囲気の所も有ります。
そう。系列が同じでも、局ごとに、カラーも音質も違います。
■過去のメディア?
閉局後、空いた時間で…それこそradikoプレミアムを活用して色んな局を聞き比べていますが、気付いた事が有ります。
東京の、いわゆるキー局でさえ”売り枠”が埋まっていなかったりする。
「この時間は各社の提供でお送りします」とクレジットが付くものの、流れるCMは局報(放送局の番組宣伝やイベント情報、配信コンテンツの紹介等)のみ。本来、スポンサー提供を付けたい枠なのに付いてないんですね。
近年の傾向として、宣伝広告費の出稿額が、ネットが上昇する一方、新聞・テレビが下降気味だとか。ラジオは?といえば、もっと下。額も他メディアに比べると相当低いと…。(参考…電通2018年「2018年 日本の広告費|媒体別広告費」 https://www.dentsu.co.jp/knowledge/ad_cost/2018/media.html )
インターネットの伸びを見るにつけ、ラジオは瀕死なのか…と思います。
しかし、このコロナ禍の影響でradiko聴取が伸びているといいます。
地震や台風などの災害が起こると「やっぱりラジオが頼りになる」と言われます。ミュージシャン、タレントの皆さんは、自身のラジオ番組で重大発表を解禁したりします。なんだか不思議ですね。
■片思いと両想い
要は、ラジオは他にない魅力があるメディアだからです。
TVも新聞、雑誌も、作り手が時間を掛けて用意したコンテンツを受け手に送り出します。ラジオ(特に生ワイド)は、その瞬間瞬間が生であり、聞き手のリアクションも瞬時にスタジオに届き、それを放送に反映できます。
もちろん他メディアでも、視聴者、読者の声を紹介出来ますが、しばらく時間が経過してからだったり、その声を反映させて構成を変える…というのは、なかなか対応しきれません。いわば、片思いの関係。
ラジオは「両想い」のメディアと言えそうです。
ラジオが届けるのは「音声」だけ…だから即応性に長けている面も有ります。TVの場合、映像を伴うので加工する手間が掛かります。
でも、それ以上に「想い」の部分も大きいと思います。
情報を「送る」のか、コンテンツを「共有」するのか?
情報を送る部分でラジオは苦手です。
音声だけなので、聞き手側が情報をストックするには記憶に残すか?メモを取って残すか…しか出来ません。でも、不完全な情報でも、補足になる情報をリスナーから受けて、それをすぐ紹介する事で補完してゆく事が出来ます。間違えていれば訂正もすぐ出来ます。それを良しとしない人も少なくありませんし、時には「訂正」が出来ず…出演タレントが謝罪、自粛するという騒動に繋がった例も有るものの、先が見えない展開があるからこそ、それが生ラジオの醍醐味とも言えます。
■一人だからラジオ
よくある受験生の思い出…深夜ラジオを聴きながら受験勉強をして、ラジオに夢中になって勉強がお留守になった。とか…ラジオを聴いている内に、机に突っ伏して寝てしまった…。
人は2人以上居れば会話が成立します。
一人で仕事、運転、勉強していると寂しい。だからラジオを聴く。
ラジオを聴いてる人は1人です。だって2人以上居れば、ワイワイ会話するから。みんなでラジオを聴く事も有りますが、それは多分BGMとして会話の後ろに流している事が多いでしょう。
DJのトーク、流す音楽に癒されるのは、聞き手が1人で寂しい…その穴を埋めてくれるからです。空間的には孤独でも、同じ時間、遠く離れた所のスタジオにはDJさんが居る。同じ番組を聞いている人がたくさんいる。だから、1人でも1人じゃない…孤独を忘れて生きてゆける。
■ながらのメディア
ラジオが無くても、1人の時だってTVは見れるし、SNSでキャッチボール出来る。そう反論する人がとても多いでしょう。
もう1つのラジオの利点は「音声」だけだから成立する部分です。
映像、文字があるという事は「目」を使います。そこには「見る」という行為が必要です。人が何か作業をするには視覚が必要になります。
TVを見ると、料理を作る手が止まります。
SNSをチェックしていると、目の前の電柱に気付かず、ぶつかります。
でも、ラジオなら聴覚だけなので、運転も出来るし、パソコン仕事も出来るし、ランニングも出来ます。
色んな場面で活躍、活動する人、1人仕事する人にとって、寂しさを紛らわせ、心の後押しをしてくれるメディアこそ「ラジオ」なのです。
■「売り」を推せ
過去のメディア。おわこん。売れない。化石。
本当にそうですか?
営業の皆さん、諦めてませんか?
広告代理店の皆さん、数字だけ見て、除外してませんか?
ラテ兼営局の社員の皆さん、ラジオに配属されて、腐ってませんか?
ラジオにはニーズが有ります。
ラジオでしかできない魅力が有ります。
ラジオである必然性が有ります。
企業の皆さん、数字だけ見て、ネットに出稿してませんか?
ネットの接触率が高いのは、スマホの普及率を見れば…そりゃそうです。
でも、パッと映ったネット広告、どれだけの人が注目してるでしょう?
Youtubeで映像をぶった切って出てくるCM、どれだけの人が最後まで視聴してくれてるでしょう?「あの」数字は…スキップボタンを押して5秒で逃げる人もカウントされてますよ。
ポートが閉局して、リスナーさんの声でこういうのが有りましたよね。
「ずっと1日中聞いてました。時計代わりでした」
1つの局のカラーが気に入った人は、結構な長時間、その局を聞きながら1日を過ごします。
生活、人生に寄り添う最も近いメディア。
ラジオは裏切らない。
支える人が裏切らない限り。
これからも、ラジオを愛して欲しい。
と、思います。
知らんけど(笑)。