【絵本歳時記④】クリスマスのよるに
いやあ、季節ごとにUPしようと思ってたのに、秋を通り越してしまいました。もう閉局してしまったFMPORTの日曜午前の生ワイド「ボンレポソレイユ」「レディーバード」の中、午前10時台にお送りしてきた「今週の絵本」(読み聞かせ)コーナー。6年間ご紹介した絵本は311冊あります。その中でも心に残る作品から少しずつ、取り上げていきます。
この季節ならクリスマス絵本でしょう。この時期、お子さんたちへの1冊をご検討の親御さんたちもお悩みでしょう。クリスマス括りの絵本って山程あり過ぎますから(笑)。そんな中、心温まるお話が今回取り上げる1冊です。
「クリスマスのよるに」
作・あべはじめ
(BL出版)
表紙から素敵でしょ。スノードームの中、よ~く見るとトナカイが引くソリに乗ったサンタさんが飛んでいます。どんな物語か?想像するだけでワクワクしますよね。
主人公の男の子はお留守番をしています。お母さんがレストランで働いているので、クリスマスの夜も、お母さんが準備した食事を1人で食べるのでした。そして、お母さんが大切にしているスノードームをのぞき込むと…。
動物たちの森のクリスマスとか、昔ながらのサンタさんがやってくるお話、舞台が欧米とか、そういった絵本が多い中、こちらは(文章には書いていませんが)母子家庭が舞台。アパートで1人寂しく過ごす男の子のもとに、素敵な出来事が!そして、男の子のために働くお母さんと…男の子との心温まるエピソードへと繋がってゆきます。
コロナ禍もあり、生活が厳しいご家庭が多い今だからこそ、おススメのクリスマス絵本とも言えそうです。
実は作者のあべはじめ先生の公式サイトには、各作品の全ページを見て、読む事が出来るページが有ります。この「クリスマスのよるに」も、すべて読む事が出来ます。
あべ先生、器用ですね。作品のカラーに合わせて色んなテイストの絵を描き分ける事が出来るそうです。この「クリスマスのよるに」では、切り絵的?貼り絵的?な描き方を採り入れながら、スノードームやソリが飛ぶ上空から見た街の俯瞰は、とても細かく描いています。何よりも全編降る雪。細かく雪を降らせています。寒さが伝わると同時に、なんだか温かみも感じる雪です。是非、ゆっくりご覧ください。
きっと、世の働くお母様方たちの心も温めてくれると思います。
BL出版公式サイトの作品紹介ページ↓
(「クリスマスのよるに」…2018年12月23日(日)FMPORT「レディーバード」にて放送)