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ラジオ制作講座6「改訂:ラジオの「音」2」

以前、山下達郎さんが自身の番組内でこんな事を話してらっしゃいました。人気番組なので聞いてた方も多いと思います。
…コロナに影響してのライブ中止とそれに伴う払戻しの告知の後、今回の配信ライブが何故生配信じゃなかったのか?という質問に答えた部分です。達郎さん曰く、放送以上に配信は不安要素が多い事と、生だと音質がしっかり整えられないのが理由だ…と。さらに円盤化しないのも、圧縮された音質だと、ライブのクオリティまで再現出来ないから…とのこと。

■最高の音質?

そう、サンソンは昔から達郎さんが音にこだわった番組で、事あるごとに自分家で細部まで調整し直した音源を持ち込んで放送したり、放送の音まで微調整してたりします。そんな人だからDVDもブルーレイさえも信用しないのもファンの皆さんは納得されるようですね。

さてさて…

皆さん、TVの音は、どんなスピーカーで聞いてますか?
超絶高価なサラウンドシステムとサブウーファーで鳴らす人はごく少数でしょう?こだわっても2WAYのスピーカーか、疑似サラウンドのサウンドバー、でも殆どの人はTV内蔵スピーカーでしょう。
んじゃラジオは?…コンポのチューナーでずっしり大きいステレオスピーカー?Bluetoothで飛ばして低音ずっしりの外部スピーカー?コレも少数派でしょう。1chのスマートスピーカーだったり、卓上のラジオ、radikoだとスマホにイヤホン繋いで、カーステレオの人も結構多いはず。
カーステだと、クルマのエンジン音や走行音、外のノイズなんかもあるし、そんなにクリアに聞ける環境の人も多くないと思います。いや、クルマじゃなくてもオフィスでBGMとして流したり、掃除や洗濯しながら聞いたり…
だから、じっと目をつぶって放送内容をじっくり聞く…なんていう事はほぼ無いのがラジオですよ。ながらのメディアですよ。

何を言いたいか…って、そこまで神経質に音質にこだわるものか?って事。

もちろん、聞き手の環境がどうであれ、送り手は自分が出来る上で最高の音質を目指すべきだ!という考えの人もいるでしょう。多いでしょう。
ただ、プロのあなたの耳ほど、リスナーの皆さんは違いに気付いてないですよ…って事です。余りに音質調整に時間を割き過ぎて…放送の内容自体のクオリティが下がる方が問題ではないですか?…と言いたいですね。

達郎さんが最高の音質で作り上げた放送も…
ネット局によって、マスターの音質調整がバラバラですからね。
まず送出側で音が変わっちゃいますから。
だから鹿児島で聞いてるサンソンと、東京で聞いてるサンソン、そして北海道で聞いてるサンソンは…厳密にいえば「同じ音」では無いんです。

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