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「ミッドナイトスカイ」感想(ネタバレ無し)

本日、シネマート心斎橋 で、ジョージ・クルーニー監督、製作、主演のネトフリムービー「ミッドナイトスカイ」を観てきました。

ここ数年、アカデミー賞でも存在感を増しているNetflix、ジョージ・クルーニーとは初タッグだそう。その意味も納得出来る素晴らしい作品でした。

近未来が舞台。主人公はクルーニーが扮する老いた科学者。独り北極圏の観測所で遥か宇宙へ探査のミッションから帰還の途につく宇宙船と交信を試みています。身を削って迄、彼が宇宙飛行士たちへ伝えたかった事とは?
本編は、地球上の科学者サイドと宇宙船上の飛行士サイドを交互に丁寧に描いてゆきます。

あらすじだけ追うとハリウッドによくある宇宙SF物の様ですが、この作品自体のコンセプトが全く違う視点なので、もしかすると、派手なCGSF作品に慣れた若い人達は退屈するかも知れません。人と人、自分と家族、自分と仲間、大きな意味での故郷、そんなキーワードで人間ドラマとして描かれているので、じっくり観賞したい人向けかも知れません。
勿論、地球側、宇宙側にもハラハラしたり、映像のダイナミズムや美しさ、怖さを体感出来る部分もあるので見応え充分です。ただ、一切状況説明とかアホに分かる造りは無いので、ある程度腰を据えて観賞出来る人向きと言えます。

そして、映像の美しさを増幅させているのが音楽。ハリウッドによくあるジャジャジャジャーンとしたフルオーケストラどっかんではなく、ピアノメインに優しく奏でる音楽が映像にそっと寄り添う感じで、見ていてとてもしっくり来ました。

役者陣誰も抑えた自然な芝居なので、この映像、音楽と相まって、CGを忘れる位、普通にドラマとして2時間観てしまいました。

要は、ハリウッドなら会社やプロデューサーから盛り上げる注文をアレやコレや要求されそうな所を、全て取っ払って描きたかったクルーニー監督とネトフリの懐の深さがマッチしたんでしょう。実際Twitterでタグを辿ってみたら、「自宅で見たら途中で寝てしまいそう」と感想をツイートしてる方も居ましたから。

久しぶりに館内が明るくなった後も、余韻に浸って色々考えてしまいました。心地良い映画です。あの無重力の宇宙空間や天文台からの星空、北極の荒ぶる自然は映画館の大きなスクリーンで体感して欲しいですが、配信前の一週間限定上映なので、今週木曜までの数日です。
もし時間合う方は是非。
またあと10日程で配信開始なので、ネトフリ加入者の方は是非。なるべく大きなテレビで見て欲しいです。

絶望と希望。
宇宙と地球。
自然と人間。
私と家族。
私と仲間。
開拓地と故郷。
あなたとわたし。

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