鬼滅の刃の記録の件
このところ毎週、新作映画の公開情報をUPしていまして…
先週末(10月16日)公開分の記事の為にリサーチしていて…
この”件”については予想していました。半端無い記録が出るぞ、と。
(以下 コピペ)
「劇場版 鬼滅の刃・無限列車編」
もうお化けですね。週末やってたTVの視聴率も良かったみたいで。
食わず嫌いって訳じゃないんですが、あの大きな目ときつい表情のキャラデザインがどうもダメで。何がそんなに魅力なんでしょう(笑)。シネコンで何度も予告編を早々に見ましたけど…鉄道ファンとしては、あの旧式客車で2段昇降窓が有り得ないのと、屋根上の換気口が全く無いのが気持ち悪くて…。内容には全く関係無い所で引っかかってます。んで…あの女の子は何で竹輪みたいな奴を咥えてまんねん(笑)。
【関西公開館】
TOHOシネマズ全館。ユナイテッドシネマ全館。イオンシネマ全館。松竹系4館(MOVIX全館)。東映系両館(T-JOY京都、梅田ブルク7)。109シネマズ全館。あべのアポロシネマ。OSシネマズ両館(ハーバー、ミント)。アースシネマズ姫路。ジストシネマ全館。アレックスシネマ2館(水口、高槻)。彦根ビバシティシネマ。シネマサンシャイン大和郡山。福知山シネマ。舞鶴八千代館。プラット赤穂シネマ。
※凄い規模でしょ。和歌山南部、京都北部、兵庫西部の皆さんも良かったですねー。
【新潟公開館】
県内7シネコン全館。
で、どんなもんかな?…と主な映画館の初日の上映スケジュールを調べたら…新潟で最多が1日26回。
日本最多は?と思って首都圏の大型シネコンを色々調べたら…
TOHOシネマズ新宿が驚異の1日42回。
こんなの見た事有りません。確実に週明け、ニュースで出るぞ!と思ったら案の定です。
(記事抜粋)『公開初日から3日間で興行収入(興収)46億2311万7450円、動員342万493人を記録した。配給のアニプレックスが19日、発表した。同社によると、3日間の各日の興収、動員は平日、土日のいずれも、日本国内で公開された映画の興行収入と動員の歴代1位の記録だという。わずか3日で興収100億円の大台の半分近くまで稼ぎ、ロケットスタートならぬ“鬼スタート”となった。(日刊スポーツより)』
そりゃそうでしょう(笑)。これだけ小屋広げりゃ。
原作漫画の食い付き、アニメのヒットという確実な要素があったからこそ、エイヤ!っと出来たんでしょう。通常の作品のように2~3スクリーンで回すだけなら、ココまで行きません。
まあ今年はコロナ禍で、映画業界も前代未聞の疲弊に悩まされていますから、何かのカンフル剤が必要だったという事ですし、空席よりも人が埋まる作品で効率良く回して確実に興行収入を得る!という意味では、これほど有難い事は無いです。そういう意味ではウィンウィンウィンで万々歳。
公的な補助ではなく、業界自らでやったという事でも意義は大きいですね。
多分、アニプレックスさんよりも共同配給の東宝のアイデアでしょう。
「入場規制を外すこのタイミングで確実に稼げるんだから最大限に活用しましょう!上映用のデータメディアは大量にコピーしましょう。いや、負担は大きいですけど、それ以上にお客は入りますから!やりましょう!」なんてね。さぞかしアニプレックスさんも尻込みしたでしょう(笑)。でも業界最大手が思い切って牽引する事自体に意味がある!てなもんでの決行かと。
ただ、これは緊急時のニューディール政策に留めて欲しい…と、イチ映画ファンとしては思うところです。
だって、1つのシネコンが1日に回せる上映回数には限度がある訳で、その大半を「鬼滅」に割くということは、影響を受ける作品が山ほどある訳です。たとえば…イオンシネマ新潟南の場合、今週平日の上映スケジュールを見てみると…同日公開した「みをつくし料理帖」「スパイの妻」は共に、1日4回です。ひと足早く公開したヒット作「TENET」は1日3回。「浅田家」も1日3回。「クレヨンしんちゃん」は午前の1回のみ。
多分、普通の興行パターンよりも、他作品の興行収入が落ち込む事も有るんじゃないでしょうか。その犠牲が有る上での「鬼滅」の記録である事を、忘れたくないところです。いや、実際…それほどヒットしない映画の場合は、平日夕方でも観客がちらほら…2週目、3週目になればガラガラで1人だったり…と云う事も多いですから、回数を減らしても見たい人はその回に集約出来て、影響は薄い…という見方もあるかと思います。
でも、昭和民の皆さん…思い出して下さい。
昔は、各映画会社”直営館”が普通でしたから、東宝館なら東宝、松竹館なら松竹の映画を1日ずっと上映してましたよね。スケジュールを見ずとも、最大2時間待てば…次の回で観れましたよね。それだけ映画が見やすかったと思います。今は…公開週を逃すと、午前の後はポーンと飛んで夕方で、その後は安くなる午後9時台とか。見たくても見れない場合が増えました。結局、劇場で観賞できず…レンタルが出てからDVDや配信で、家で観る…そんな人も多いでしょう?
また、いくらクオリティ高く、クチコミでロングランヒット!といっても…大抵首都圏、東京都内の話。マイナー配給会社の作品だと、なかなか地方都市では回りません。ラッキーな場合だと、ディープな映画好きな支配人さんが居るシネコンだと、ちょこちょこと、そういったマイナー作品を”ささやか”に掛けてくれたり…ということも。ま、地方の普通の中規模シネコンだと、メジャーのヒット作優先ですよね。
メジャーであろうとマイナーであろうと、映画作品に違いは無い訳で、なるべく平等に扱って欲しいものです。
願わくば…今回の「鬼滅」で、普段映画館で映画を見ない大多数の人たちに、劇場の大きなスクリーンで観賞する”本来の映画の楽しさ”に目覚めてもらって、アニメ以外の色んな作品も、このあと観に来て欲しいと思います。
昭和民の時代は、映画1本見るだけでも大層なお出かけでしたけど、今は、お買い物ついでにフラッと観に行ける普段着のシネコンが多いし、会員パス等を駆使してお得に鑑賞できるサービスも各館多いです。
多分「鬼滅」の上映前流れる予告は、アニメ中心でしょうが実写作品とか洋画も出てくると思います。その大音響と没入感に刺激を受けたら、躊躇せず観に来て欲しいです。子供達には、さぞかし相当の刺激になるでしょう。
そういう意味では、今回のお化けヒットも悪くないかも…ですね。
一方で、個人的に危惧しているのが、今回のパターンが将来使われる事。
普段から、こんな暴挙のような興行をされたら、他の作品の製作会社も配給会社も、たまったもんじゃないです。公開を楽しみにしている映画ファンもです。コロナ禍の今だから許されるってこと、忘れないで頂きたい。
ちなみに…
自分は「鬼滅」、観に行くつもりは…有りません(笑)。
キャラクターデザイン、あの顔付きが苦手ですし…
予告見た時、客車が二段昇降窓だったのが、どうしても受け入れられない!鉄道ファンって面倒臭いでしょ?(笑)。
「感動した」とか「泣いてた人が多い」とか聞きますけど…
他にも優れた作品は沢山有りますから。私は結構です。
(了)