見出し画像

フォーカルジストニア・局所性ジストニアのリハビリ(ピアノ演奏)で(現時点で)大事と思うこと

 これまでの経緯は、過去の記事に書いているので、そちらをご覧いただけたらと思います。約1年、鍼治療を続けながら、ピアノ演奏時のフォーカルジストニア、局所性ジストニアのリハビリをしてきて、現時点で大事と思うことを書き留めておきます。といっても、この症状は、慢心(これで大丈夫)を許さないというか、すぐに裏切られてしまう感じなので、書いたものがすべてではないし、仮にすべてを書いたとしても、それには不足があり、その不足のなかにこそ、症状に関わる大事な部分があるようにも思います。という前提から…

①継続が大事
 何にせよ、弾き続けることが大事だと思います。それを辞めてしまうのが一番良くない。ただ、症状が出たまま弾き続けると必ず破綻するので、症状を緩和させながら、長く弾き続けることが一番のリハビリだと感じてます。そのために私は鍼治療を活用しています。鍼治療をすると、筋緊張が緩和し、弾きやすくなるので、メンテナンス的に活用しています。

②原因となる筋をある程度特定する
 1年程度、症状と向き合うなかで、ある程度原因となる筋肉が特定できるようになりました。最初の、病名もつかず、この症状があったときとは大きな違いです。そのときは、右手全体が化け物のように感じ、コントロールできない他者が自分の身体に出現してしまったことの不安を感じました。その不安がピアノを遠ざけることにもなっていたと思います。弾くと症状が現れ弾けなくなってしまうので、自然と弾くことから遠ざかっていたと思います。鍼治療院で、原因筋をいろいろ考えてくださるのを見るにつけ、自分でも探し当てるようになり、現在はほぼ特定できているので、以前に比べて大分不安は軽減したと思います。

③演奏のなかでリハビリをするという意識をもつ
 これは、青嶋陽平先生の開発したリハビリ法を参考にしています。リハビリの方法として、スローダウン方法があります。ゆっくり、症状が出現しないように弾くという方法ですが、それをやっても曲を演奏するなかでは、どうしても症状が出現する箇所があるので、むしろ、出現した箇所で、症状を緩和させて、正常なポジションを感覚的に身に着けるという方法が実際的な感じがしています。これを忘れてしまうと、悪化してしまうので、忘れずに行いたいところです。

④正常な部分の強化
 ジストニアになっている箇所はほんの一部分で正常な機能がほとんどであることを考えると、(実際はそちらの筋の誤作動も発生するので誤作動を修正し)正常性を強化するほうが楽に早く行える(はずな)ので、そちらにも意識を向けるように、最近は気を付けています。

⑤問題(手)にばかり着目せず、身体全体を使って弾くのだと意識の全体性や拡散性を大事にする
 特にアマチュア演奏家は、狭い空間でこもりがちに弾く場面が多いので、気を付けたいと思います。アレクサンダーテクニークが効果があるというのも、このあたりが影響しているのではと個人的に考えます。
 フォーカルジストニアになった時というのは、手や一部に意識の限局化や収束化が生じていたのではないか、と振り返り考えたりします。そういう意味では、フォーカルジストニアになったりするときは、意識の全体性の健全性が失われている可能性があったのかなとも思ったりします…よくわかりませんが…。

⑥気長に付き合う
 とはいっても、数式のようにすっきりよくなるものでもないので、自分の身体とゆっくり気長に付き合う気持ちがやっぱり1番大事なのかなと思いますし、フォーカルジストの症状は、自分の身体に向き合わせてくれる、不思議でユニークな身体活動とも言えるのかなと思います。

いいなと思ったら応援しよう!