「第29章 音楽とアイデンティティ 認知症と音楽療法」オリバー・サックス「音楽嗜好症」(早川書房)
最終的に、アルツハイマー病患者は自己認識の基本的な部分、とくに自分の無能力の自覚をなくす可能性がある。しかし、自己認識や精神作用をなくすと、自己を失うのだろうか。p486
アイデンティティにはとても活発で広い神経基盤があり、個人のスタイルは神経系のごく深くに染み込んでいるので、少なくとも精神生活が少しでも続いているかぎりは、アイデンティティがすっかりなくなることはないように思えるp486
認知症者の音楽療法の目的は、患者の感情、認識力、思考、記憶、つまり残っている自