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nippperを読んで15年ぶりにスケールモデルを完成させた

思い返せばAFV、戦車のプラモを一番作っていたのは中学生の頃だった。
フジミの1/76やハセガワ1/72を筆塗りで仕上げては合板の上に鉄道模型用のテクスチャを散りばめて作ったジオラマの上でドイツ兵とアメリカ兵の戦闘シーンを再現させて遊んでいた。

一方で外の世界に目を向けて見れば、同年代の子たちが強烈に完成度の高い作例を模型屋さんに飾っていたり、アーマーモデリングに載っている超絶作例には追いつけないことに気付いてしまった。

高校生になる頃には、雑誌作例や模型店の完成品に比べれば粗末な出来栄えのものを作る自分がかっこ悪いような気がして、さらに手が伸びなくなり15の頃を最後にAFVに限らず、スケールモデルを作ることを止めていた。

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そんな鬱屈とした感情を抱えながらもスケールモデルに対する憧れはずっと握りしめたままで、どこかでそんな想いが燻る毎日を過ごすさなか、プラモデル(工作?)専門のwebメディア、nippperが立ち上がった。

もともと、学生の頃からからぱたさんの超音速備忘録は愛読していて、かなり影響を受けている。からぱたさんが超音速備忘録でプラモデルのワンダーの再定義を心掛けているなかで、そこで綴られるワンダーには心躍った。

模型誌にはないプラモデルのワンダー。人生は有限で、他に色々やりたいことがある以上、プロや凄腕のモデラーのような時間のかけ方、作り方はできない。

けど模型誌には載らないような楽しみ方が本当はある。だってプラモデルは「未完成」のまま商品として発売されていて、その商品を「完成」させるかは買った人ひとりひとりに委ねられているのだから。

そういったプラモデルの、もっと沢山のワンダーを発信するnippperに背中を押され、またコロナ禍で自宅にいる時間が少し増えたことも手伝って、15年ぶりにスケールモデルに手を伸ばして見ることにしたのが6月の頃。

何はともあれキットを買ってしまった以上完成させたい。

完成させる為に、際限なく時間をかけるのではなく、最低限やる事を決めた。(なぜなら際限なく時間をかけているとどーせ飽きてほっぽりだすのが目に見えているからだ)

戦車のカタチが欲しいから、やっぱり履帯は黒くあってほしい。
履帯をどうせ塗るなら本体色も筆塗りでサンドカラーにしよう。
失敗する原因を省くためにできる限りランナーのまま塗ろう。

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パーツは失くしたし面倒だったからOVMも一部つけてない、けどカタチがここにある。沢山失敗したけどそれをおおらかに許せる位の心の余裕もある。


僕にとってのプラモデルのワンダーは、作る過程を経験すること、カタチを手の中に所有することなのかもしれない。

過程を経験することは次への糧になる。
転輪のリブはビシッと塗り分けられてないとカッコ悪いな、でもマスキングは面倒くさいから拡大鏡買って塗り分けようかな
この筆はなんとなく使い心地が悪いから別の筆をためしてみようかな

カタチを手の中に所有することは、永遠に叶えられない夢を手元に置くことに他ならない。

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15年ぶりのスケールモデル制作は自分の不器用さやテクニックのなさを突きつけるような経験だったけれど、それ以上にカタチにする喜びに溢れていた。

次は何を作って遊ぼうかな。

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