【面接】恐る恐る質問したら「それは気にするな」の答えで恐怖倍増
●つのる不安 VS それを超えてくる不安
ヨルダンの本屋に「働かせて!」とアタックしたところ、「いいよ〜」の返事が来た。しかしその後は何も連絡がなかった。ちょっといろいろ聞いておかないと不安だな。
「1ヶ月ヨルダンの本屋に住む」という生活なんて、どの日本人が想像できようか?
ということで、こちらから連絡してみた。
私はこの時までに17か国の激安宿を回って旅をしていたので、「過ごすのが個室か個室じゃないか」さえ分かれば、「それなら洗濯は部屋に干すのね」とか「収納はベッドの下だけかも」とか、どんな生活が待っているかがなんとなくイメージできたのである。
そして、その返事はこれだ。
あ〜、なるほど!タオルがいるんだ!
メモメモっと。事前に聞いてよかった ☆ミ
・・・ンアレ!???
一体どうなっているんだ。部屋が分からないという事実もさておき、適当すぎる運営に先が思いやられる。(号泣)
こんな調子の店に、日本の少女が遥々行ってもいいのだろうか。
私はこの大冒険に出る『もう一押し』が欲しくなり、「一応テレビ電話でそちらの様子を見てみたい」とお願いした。
「いつでもオーケー」とのことだったので、「タオル以外の情報も無いものか」とすがる思いで電話をかけた。
●テレビ電話でご対面
テレビ電話をかけたのは、日本は夜中、ヨルダンは夜という時間帯。『プルプルプル』に続き、相手が出たことを意味する『ピヨヨ〜ん』が鳴った。私の心臓はそんな『ピヨヨ〜ん』どころではないほどドキドキしており、鼓膜が足りないほどの爆音とアドレナリンが出ていた。
数秒後、私のパソコン画面にヒゲもじゃの男性、つまり店長が現れた。本屋のBGMと思われる、いい感じの音楽も聞こえてくる。
面談では「今は日本は何時なの〜?」とか「名前の読み方はフウであってるよね〜?」とかニコニコ聞かれた後、店長のスマホから本屋のルームツアーをしてくれることになった。
●何も"見えない"ルームツアー
本屋のルームツアーはもう、すごいの一言だった。いちいち全ての部屋に対して「えええ!?」と感動を漏らさずにはいられない。
「ここがアカデミックルーム」
「ここはミュージックルーム」
「ここがガーデン(暗くて何も見えなかったが)」
「そしてここが、きみの部屋があるハウス(暗くて何も見えなかったが)」
ちょっと待ってくれ。こんなにすんばらしい空間がこのプラネットにあったのか。本当にここに住めるの?これでは私の心臓がさらにバクバクし、心身が持たない。
併設のカフェ紹介では、バリスタの二人も画面越しに手を振ってくれた。「わ〜!新しい人が来るの!?どこから!?名前は〜!?」
う、嬉しい!!私も、日本というアリーナ席から、全力で画面に手を振り返す。「ヨルダンのみんな〜〜!どんな国だかよく分からんが、よろしく〜〜〜!!(涙)」
●テレビ電話、無事(?)終了
「てか、いつ来る?店に着く日が決まったらおしえてね〜ん」と店長に言われ、テレビ電話を終えた。
私のパソコン画面が真っ暗になったこの瞬間も、ヨルダンの店では「あの世界」が続いているなんて。。すごすぎるのではないか?
店長のルームツアーを終えてしばし考え、私は確信した。「どんなに店の返事が適当だろうと本屋がすばらしいのは間違いないので、どんなに店の返事が適当だろうと行ってみる価値はありそうだ」。
ふむ、ふむ・・・。
とりあえず、タオルを持ってヨルダンに行けば、あとはなんとかなりそうだ。
なお不思議なことに、あんなに話して家まで見たのに、私の部屋が個室なのかは全く明らかにならなかったという。