「どっちも好きなの。」という瞬間の、ざわめく胸のうちについて(6)~まちへの思いは誰にも言えない
函館は観光地だから、写真映えする場所がたくさんある。
夜景や函館山から眺めるまちの景色は、きっといろんな方が投稿するだろうから私はしなくていいな。
考えて、「この場所だけは。私が好きだって言いたい」と思いついたのが
入船漁港。
車を市電通り沿いに函館どつくに向かって走らせ、高龍寺や外国人墓地の方へ曲がらずに 直進すると突き当たる
ここからは、海も山も空も大きく眺めることができるんだ。
PCの前に張り付いているwebライターあるあるで、「おお、2日ぶりに外へ出るか」と思ったら。
どうにもつらいことがあって、まっすぐ家に帰りたくない、ちょっとだけきれいなものを見ながら涙をこぼしたいときは。
出かけた帰り道、空が淡くグラデーションを描きはじめたら、そのまま夕陽を眺めに。
近くには、「車は漁港へ」と看板に書いたすてきなカフェだってある。
大好きだって言いたい。
何度でも言いたい。
函館への思いは、片想いに似ている。
2枚目には、夜のベイエリアの金森倉庫群を。
函館山を見上げて暮らしている私は、宵闇が広がり始めたところに暗く浮かび上がる姿が好きだ。
小さいけれど、かつて要塞だったという史実にうなづける独特のあやしさ。
藤城清治の影絵のように、グラデーションになった空をしたがえて。
またたきはじめるまちを足下に。
3枚目は、漁火通り、大森浜ごしに眺めた函館山。
漁火通りは函館マラソンのコースにもなっているし
海の向こうに青森の地
函館市民がすきな、函館らしい景色のひとつだと思う。
我ながら「考えすぎだよ。ばかなの?」とツッコミを入れたいくらいに
考えて考えて考えた末に用意した、渾身のツイートでした。
写真撮影地:函館市 入船漁港