測定と評価

2021年2月21日
19:00〜21:00

     〜前半〜

【測定と評価】
①今日の目標
②測定・評価
③実践
④まとめ

①今日の目標
測定・評価の目的を理解する
妥当な測定・評価を自身で行うことができる

②測定と評価
評価とは?(広義)
→物質、性質などの美醜などを調べて価値を定めること

■SCにおける選手の評価(狭義)
測定結果を分析してクライアントの身体的特徴や体力特性を明確化すること。
 
❶効果的なトレーニングデザインを作成できる
測定結果→トレーニングメニューの作成
現状を把握することで目的に応じたメニューを組むことができる。

❷適切で無理のない目標設定できる
何もしない→トレーニングメニューの作成
(何をするかわからない)
測定結果→トレーニングメニューの作成
(具体的な数値として目標がわかる)

SCにおける選手の評価
テストを用いてデータを収集する過程のこと
□目的
(1)ベースラインの確認
 ▪️進歩は現状を知ることから始まる。
  現状を正確に知ることが目的。
 最初に現場に行った時に起こること
 Aさん『誰?テストしたくない、、、』
 →テストの良し悪しが重要ではなく
  現状を知ることが重要!

(2)長所と短所の明確化
 ▪️長所を伸ばし短所を改善する!
  トレーニングのバランスや優先順位を考えやすくなる。

(3)比較
 縦断的比較-横断的比較
  ▪️縦断的比較(時間を軸とした比較)
  →前回の測定、或いはそれ以前の測定結果との比較
  ▫️メリット
  ・選手のモチベーションの繋がる
  ・自分の身を守るために提示できる
  ▪️横断的比較(多数の中央値との比較)
  →テスト結果を基準値と比較することで、
  コンディショニング、
  レベルを正確に把握することができる。
  ▫️メリット
  ・足りていない部分の把握
  ・戦略を生かすことができる
  ▫️デメリット
  ・比較するものがなかったりすると困難

(4)進歩の度合いの確認
 ▪️シーズン中に行う測定は、
 コンディショニングの把握に繋がる。
 
(5)プログラムの適切性の確認
 ▪️思うような結果が出ない時に必要な確認
 ・プログラムの欠陥?を把握する
  中間のテストの結果も大切にする。

(6)動機付け
 ▪️テスト結果で進捗が示されることは、
  クライアントが一生懸命トレーニングに
  取り組むための動機付けになる。
トレーニングしたくなーいって人でも
テストがあるとなるとトレーニングに対する意欲と自覚を高めることができる。

(7)才能の発掘
 ▪️身体的能力の可能性を明確にできる
 戦略やポジションの変更ができる。
 この才能を伸ばすことで、思わぬ能力が開花する可能性も

■測定
 良いテストと測定の条件
 妥当性-信頼性

 □妥当性
 そのテストで本来測定すべき要素を
 どの程度正しく測定できているかと意味する
 ①内容妥当性
  その測定内容が妥当かどうかを示す妥当性
 例:動き出しのタイムを測定したい場合
  Q5mのタイムと50mのタイムのどちらを計るのか?
  A5m ですよね?

  ▪️内容妥当性
  ▪️構成妥当性
  ▪️基準妥当性
  ▪️予測妥当性


 ▪️構成妥当性
  そのテストによって、全体を構成するある部分がどの部分がどの程度測定されているかを示す
 例:パワーのテストをしたい場合
  垂直跳びの高さ
  →どれだけ正確にパワーを示しているのか。
 ▪️基準妥当性
  あるテストで得られた値が、基準となっているものに対してどれくらい近いか示すもの。
 例:最大酸素摂取量のテスト
  オールアウト時の呼気→12分間走
 基準が確立されているテストで妥当性を担保する。
 ▪️予測妥当性
 ある測定値によって、他のテストやパフォーマンスがどれだけ予測できるかの妥当性。
 例:サッカー選手におけるアジリティの予測妥当性
 50m測定よりも5mとかの方が競技特性上のアジリティのパフォーマンスを予測しうる。


質問 
星野
Q年間でサッカー選手を見てると話していたのですが、
年間で何回測定しますか?
A年間2回
部活動でなかなか時間を作れないので、年間2回
伊東
Qシーズンの途中で測定するとも話をしていたのですが、
疲労の具合などの条件はつけますか?
Aピリオダイゼーションを作成する際に、疲労の具合なども調整できるように条件をつけている。


     〜後半〜
□信頼性
 信頼性とは、同一のテストをほぼ同時期に繰り返し行った場合の測定値の一致度。
 →再現性
 ▪️年齢
  12分間走を行う場合
  中学生と大学生両方に行うのか、、、?
  →身体的成熟度や精神的成熟度が影響を及ぼすので、
  大学生には12分間走は良いが
  中学生にはシャトルランやYO-YOテストなどの方が良い
 ▪️性別
  懸垂を行う場合
  女性と男性
  女性はほとんど自分の体重を持ち上げることができない
  など
 ▪️トレーニング経験
  1RM測定を行う場合
  トレーニング上級者と初心者
  初心者ではテクニックが未熟
 ▪️環境条件
  夏と冬
  どっちが短距離のタイムは速い?
  気温や湿度、地面や靴などの様々な環境から影響を受ける
 できるだけ、環境の条件も整えて測定を行う方が良い。

□評価と統計
 評価とは、テスト結果を分析する事によって
 判断や意思決定のための材料を得る過程。
 ▪️統計に関して-相関関係
 例:短距離のタイムとジャンプ力は相関関係があるという結果が出たら、短距離を速くするためにジャンプ力を鍛えるのにも相関がある。

□テスト手順(思考段階)
 1.テストグループの構成
 2.テストの手順
 (ジャンプ→SQ◯+有酸素は別日 など)
 3.測定者の能力と手順
 (測定する側の手順や方法の確認)
 4.公平性
 5.休憩時間
 6.スコア用紙と記録方法
 7.テストプロトコルの確立
 8.安全性と緊急事態への対応

□テスト項目
 心拍数
 血圧
 形態
 身体組成
 最大筋力
 筋パワー
 スピード
 局所

実践①
 中学生男子バスケットボール部
 対象60名
 測定時間1時間
 ・シャトルラン
 ・垂直跳び
 ・スクワット1RM
倉田
 2グループで垂直跳びとスクワット1RM
 全員終わったら全員でシャトルラン
小松
 2日に分ける
 スクワット1RMと垂直跳びの日と
 シャトルランの日 
鈴木さん
 2日に分ける
 シャトランと垂直跳び組の日と
 スクワット1RMの日で分ける
安野も鈴木さんも同様

実践②中学生男子バスケットボール部
1心拍数
2形態
3身体組成
4最大筋力
5筋パワー
6スピード
7局所筋持久力
8有酸素的持久力
9柔軟性
10アジリティ

星野
1心拍数 8シャトラン後に測定
2形態 
3キャリパー法と体重測定
4スクワット
5垂直跳び
65mダッシュ
7(?)
8シャトルラン
9長座体前屈
10Tテスト

心拍数
1シャトルラン後の測定
2身長測定
3スクワット
4スクワット
5垂直跳び
620mダッシュ
7なし
8シャトルラン
9長座体前屈
10Tテスト

鈴木さん&安野
1安静時の心拍数を継続的に測定
2身長
3体重-
4スクワット-ベンチ  垂直跳び
 (中一にはやらない→腕立て伏せとかにする)
5垂直跳び
65-10m 50mでもOKか?
7腹筋 懸垂
8シャトルラン 1500m
9SLR 長座体前屈
10プロアジリティ レーンアジリティ

体型なども見て測定内容を考えるのも必要


〜まとめ〜
測定の信頼性と妥当性を考える
測定の妥当性-本当に適した測定かどうか
測定の信頼性-測定の再現性があるかどうか

意味のない測定は行わない!
競技特性も考える!

何を測定したらいいかわからない、、、
っとなったら、
・論文を探し出して妥当性と信頼性を担保する
・競技特性を勉強する

データが欲しい、、、
となったら
論文を探し出して似たような集団のデータを採取する!
データの内容に注意!
年齢や性別、トレーニング経験、環境条件を考慮する
あとは、知人にデータをもらう。

□変化した要因をしっかりと考察する
なんで変化したのか?
季節?筋力?
再現性は?としっかりと考える。

□チームスタッフへの報告
見やすく理解しやすいように!
監督の意向に従って、見たいものを中心に作成する。

□フォードバックを忘れずに
測定結果で戦略も変わるので、しっかり伝えてあげる

□PDCAサイクル
Plan Do Check Act を繰り返して考える

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