β選択的にN-グリコシド結合を合成する
Direct Synthesis of β‐N‐Glycosides by the Reductive Glycosylation of Azides with Protected and Native Carbohydrate Donors†
https://doi.org/10.1002/anie.201301264
論文紹介
・アジドと糖をホスフィン存在下反応させることで、β選択的にN-グリコシドが得られる。
・aza−Wittigに近い反応機構と思われる。還元糖のアルデヒド基にアミノ基を導入する。還元体の量を増やすために5mol%のPTSA(p-toluene sulfonic acid)を添加するとよい。
・アジドとしてはベンジルアジド、フェニルアジド、アルキルアジドが利用可能。リジン側鎖をアジドにしたものとも反応する。
・糖としてはOH保護・無保護のどちらでも可能。無保護だとPTSAの添加は必要ないみたい。ジサッカライド(二糖)も可能。
・アジドとしてTMSメチルアジドを用いてアミンを導入した後に、ベンジル化を行い、最後にCAN(Ceric ammonium nitrate)でTMSメチルを外すことで、糖の1位のアミノ化が可能。糖に直接アンモニアと反応させることはこれまで難しかったが、上記ステップを踏むことでアミノ糖の合成が可能となる。
・上記TMSメチルアミノ化した中間体に対して、アミノ酸をクロロギ酸イソブチルを用いて縮合させることで、アミノ酸(C末端)- 糖コンジュゲートを合成することも可能。
所感
・ペプチドや脂質などとの連結が可能であるため、アクティブターゲティング材料やアジュバントなどへの応用可能性を感じた。ただし、記載の方法で一般的に行うには若干エピ化が心配。
・糖誘導体は触ったことがないがGalNAc等糖をリガンドとしてたアクティブターゲティングも知られている。反応のライブラリとしてチェック。