アイドルプロデュース、私はやらない。
私はアーティストとしてのメジャーデビューよりも作詞家としてのメジャーデビューの方が早かった。
作詞家になったきっかけは昔、バンドで活動しているときに音楽業界人にツテのあるバンドメンバーがバンドのデモテープを渡してくれたところから始まった。
バンドのデモテープなのに、それは不思議と作家事務所の人の手に渡り、作詞家としてのオファーが来たのだ。
当時は作詞家に憧れなどなく、なんで作詞家のオファーなの?って思ったくらい。
でも何事も社会勉強だと思い、作詞家としても活動をすることにした。
何度か作詞家としてのことを過去にも書いたことがあると思うので重複してる内容又は、記憶が変わっていってる箇所があるとは思うけど、作詞家としてはそれなりに苦労をした。
当時の作家事務所の社長のおかげで全く読まなかった本をたらふく読むようになり、あらゆるジャンルの映画を観るようになり、色々な音楽家のライブにも行かせていただき、そこで私は一気に吸収をすることを覚えた。
それまでは好きなものだけを聴く、好きな作品だけを観る、経験も知識も薄っぺらかった。本当に音楽をやりたい衝動だけで活動をしていたようなものだ。
作家は基本、コンペだし締切も2〜3日だし、書いても感想なんてもらえるわけがない。採用されるものだけに連絡がきて、採用前提で書き直しさせられて、その瞬間的な期間のうちにかなりの労力を使う。
沢山のコンペをやっていくうちに似たような内容の歌詞ばかりが増えて、言われたテーマに沿って書いてると自我さえも殺していくような気持ちになった。
コンペでは売れっ子アイドルから全く無名の人まで書いた。
結局、自分が選ばれて採用されてリリースできた曲なんて10年で5曲くらい。
10年で5曲のリリースはかなり残念な結果で、ここから作詞家として自分を確立できる自信もなくお世話になっていた事務所には申し訳ないが結果を残せないまま作詞家として活動することを辞めた。
そのタイミングでさめざめとして、ようやく自分の音楽が確立できて、私に曲を作ってほしいという人が少しずつ増えてきた。
作詞家としては書きたくないけど、さめざめに、笛田サオリに書いてほしいと思ってくれる人がいるならそれには応えたいと思えるようになった。
今でもそうだがどうしても曲よりも作詞の方が買われてしまう。
そりゃそうだ、作詞家だったんだから作詞の方がソツなくこなせる。
作曲の場合はアレンジまでやれないと作曲家として仕事ができないと思われてしまう。
それでも最近は作詞作曲もお願いされることが増えたことは非常に自己肯定感が上がる。
楽曲提供をするときは心がけていることがある。
私らしく、でも私じゃない違和感もいれること。
そのアーティストに対して、その人の色に合わせつつも自分らしさを出す。
その人が歌っているイメージをしながら作る。
ライブステージで歌っているイメージ、MVで歌っているイメージ。
さめざめだけを切り取られてると、男に遊ばれたやるせない女の曲しか書けないと思われているみたいだが、ちゃんと仕事としての曲を書ける。
楽曲提供と自分の曲で違うのはいつまで歌われるか分からないこと。
作詞家の時もそうだったけどリリースして数ヶ月後に辞めてしまうアーティストもいたし、今でも楽曲提供をしたその年に解散したりもする。
どの作家さんも同じ気持ちだと思うけど、精魂込めて作った楽曲でも沢山の人に聴かれないまま眠ってしまうことが多い。
そんな経験は作詞家の頃に沢山したので、現在でもそんなことがあってもしょうがないという気持ちに切り替えられるようにはなった。
そんなわけで今年、第一弾の作家としてのお知らせです。
アイドル【Tan .San.Sui.】の新曲「世界で一番の青春」が配信リリースされました。
私が作詞作曲をさせていただきました。
【Tan .San.Sui.】はデビュー時も4曲の歌詞を書かせていただき、今回は曲も作らせていただいた。
正直、基本は曲と一緒に作詞をする人間なので両方作れる方がありがたい。
決まった曲にメロディーを付けるのは作詞家をやってたけど本当に苦手。
今でもたまに業界人のおじさんにきみは作詞しか得意じゃないでしょとか馬鹿にされることもあるが(おじさんに言われるこういう嫌味は絶対に二度と忘れないし、ずっと恨んでいる)
こう見えても曲を作るのも人並み以上にできるとは思っている。
だって、さめざめの全曲作詞作曲やってるの私ですよ?って。
なので今回は作詞作曲をやらせていただけたことは感謝感謝です。
アレンジは織部リョウさん。このタッグが組めることで非常に制作もやりやすいのです。是非、夫婦で作り上げた楽曲であることもご注目ください。
【Tan .San.Sui.】は東北をメインで活動しているグループなのでなかなかライブを観る機会がないけど、デビュー時から携わらせていただいてるので心から応援をしている。
ちなみに他の人たちで作詞提供だけしてリリースされてないものも沢山あるし(お蔵入りになったのかも謎)楽曲提供系は積極的にやってないのでまたそんな機会があったらお知らせいたします。
今後もよく世間であるアイドルプロデュースなども私はやらないと思う。
何よりも自分のような人間が人の人生に加担する責任を負えないチキンなので。
私がバンドではなくシンガーソングライターであることもその理由の一つだと思う。
結果、一人という自分勝手な孤独を愛してる。
なのでこれからも単発で楽曲提供のお話があれば喜んでやらせていただきます。
【Tan .San.Sui.】「世界で一番の青春」
アイドルとして活動してる彼女たちの青春は今この瞬間であることを証明するような楽曲です。Tan .San.Sui.のメンバーとファンの皆様のことを想って作りました。
linkco.re/txmHPZEM
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次回のライブはこちら!
さめざめ二年ぶりの女性限定ライブを開催!!
一部はアコースティック、二部はお悩み相談コーナー、さめざめによる春の講習会です!!
2025年3月23日(日)
代々木A Talk Club WOOFER(ア・トーク・クラブ・ウーファー)
さめざめ女性限定ライブ〜春の片想い講習〜
出演 さめざめ,ウルトラちぃたん
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[会場チケット]前売2,500円 / 当日3,000円(共に飲食代別・1オーダー450円以上必要となります)
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