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#58 教員のキャリア形成Part1 専任か非常勤か

 みなさん、こんにちは。英語講師のふえです。
 私は新卒で私立中高一貫校の専任教員として採用され、その後退職し、塾講師、私立高校非常勤講師、家電量販店スタッフ、通信制高校講師、日本語教師など、さまざまな職場を掛け持ちしながら生活してきました。公立校の経験こそないものの、学校と企業、どちらの環境も経験してきましたし、学校では非常勤もフルタイムも経験しました。
 今日から数回にわたって、教員はどのようにキャリア形成していくべきか、私なりの考え方を書いてみます。これから教員を目指す学生さんや、今キャリアに悩んでいる教員のみなさんにも、何らか参考になればと思います。
 今日は、特に新卒の就活にあたって、専任を目指すか非常勤を目指すかというところについて考えていきます。
 なお、公立校の事情はあまりわかっていませんので、その点はご了承ください。


私の就活

 私は専任教員を目指して就職活動をしていました。非常勤講師になるというのは、私の中では最終手段という位置付けでした。決して非常勤を下に見ていたというわけではなく、単純に周囲の友人が正社員を目指して就職活動をする中で、敢えて非常勤を目指そうという発想にはならなかったのだと思います。何と視野の狭いこと…。
 大学時代に住んでいた東京、近隣の埼玉と神奈川、出身地の静岡の私立校に絞って求人を見ていました。公立校は「転勤が発生するから」という理由で検討すらしていませんでした。これも今となっては、むしろ転勤があった方が気が楽になる部分もあるぞ、と思うわけですが。
 結果として2校から内定をいただき、母校に就職することとなります。結局コネかよ!と思われるかもしれませんが…、全てがそうというほどではありません。私の母校はとある大学の付属校なのですが、その大学の出身者や、既に非常勤として付属校に勤務している人でなくては、専任教員にエントリーすらできないのです。私は他大学に進学したので、本来なら出願する権利もありませんでしたが、無理やりお願いして、エントリーさせてもらいました。試験にエントリーできたのは母校の先生方のおかげ、試験を突破できたのは自分の実力ということで、コネだけではないぞ!と言わせてください笑

専任教員になると…

①安定性
 一般企業で言えば正社員ですから、収入面でも安定しますし、社会的信用もあります。夏休みで授業がないからといって給料がないということもないのは大きなメリットですね。もっとも夏休みでも仕事はあるので、生徒の夏休みと同じ日数を実際に休めるわけではないということには注意が必要です。

②さまざまな業務がある
 授業だけではなく、部活動、学級経営など、さまざまな業務を担当することができます。必ずしも希望が通るわけでもないのですが、さまざまな角度から生徒に関わったり、学校の運営について考えられるのは、専任教員の特権です。
 例えば行事や引率で、普段行かないような場所に行けるのもいいですね。もちろん仕事中であるということはわきまえなくてはなりませんが、観光地や名勝に行けるのは楽しいものです。
 一方、世間一般に言われているように、業務が多岐に渡りすぎていて、いくら仕事をしても終わらないという側面もあります。どこかを頑張れば、他の仕事がうまく行かなくなるという歯痒さに苦しむ教員もいます。

非常勤講師になると…

①基本的に仕事は授業のみ
 授業やそれに伴う準備以外の業務は基本的に発生しません。何かスポーツや文化系で実績のある方でない限りは部活動はありませんし、会議等の出席義務もほぼありません。そのため、授業がしたくて教員になるという方には最高な働き方です。ずっと授業のことを考えていられるので、授業力も向上します。
 しかし、会議等で発言する機会はないため、学校の方針等に疑問を持っても自ら変えることは難しいです。また、専任の先生と同じ授業を持つ場合、進めるペースなどの主導権は基本的に専任にあるので、完全に自由に授業ができるわけではないのも注意が必要です。

②収入
 基本はコマ給が設定されていて、授業の分以外は出ません。私が非常勤で勤めていた学校では、コマ給×週のコマ数×4が月給として支給されていました。また、ありがたいことに授業がない8月も同額いただけていたので、大変助かったものです。この辺りの条件は、特に私立校では学校ごとに違うので、事前にしっかり確認しておく必要があります。
 授業数などによっては、収入的に生活が苦しくなることもありますが、アルバイトを掛け持ちすることもできます。掛け持ちする仕事は、水商売系は基本的にアウトですが、その他の仕事でも一応各学校で相談しておいた方が良いでしょう。

考え方

 これは就職活動中に実際にとある学校の先生からいただいたアドバイスですが、非常勤から始めることは決してマイナスではありません。自分の授業スタイルが確立されているというだけで、専任になったときの業務負担が全然違います
 それに、教育実習とは違って、1年間その学校や先生方の様子を見る時間をとることで、本当に教員として生きていくのかを考えることもできます。教員、特に専任教員はなりたいと思った人でも挫折しうる大変さがあります。むしろ、あるいはなりたいと思わなかった人の方がのらりくらりとうまくやっていくことも…。
 とはいえ、やはり収入面では非常勤だと厳しいことも多いです。それで仕事の掛け持ちをするとなると、採用試験に向けての勉強時間を確保できないなどということもあります。それなら時間のある大学生のうちに勉強して、最初から専任になってしまった方がいいという考え方もできます。
 また、若いうちから業務量に慣れてしまえば、あとは経験でなんとかなるという体育会系な発想もありですね。

 今日は専任か非常勤か、という点について考えてみました。次回以降は、教員が転職するとなったら?、一般企業か教員か?などのテーマで書いていきます。就活、転職活動、キャリア形成のお悩みや経験談などあれば、ぜひコメントやインスタのDMで共有してくださいね!

次回投稿は11月12日(火)正午の予定です。


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ふえ(英語講師)
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