優勝するコツ
先週で今年の地元の郷土芸能、お山参詣・登山囃子保存会の予定のほうは全て終わり、また津軽笛の会のほうでは来年の全日本横笛コンクールの準備に取り掛かっている状況。
ふと一年振り返ってみたら
「登山囃子大会は今年は青森市の坂田組と平川市の栗林組の一騎打ちだったなぁ。」
とか、
「本大会の〇〇組の登山囃子は想いが伝わってきて涙が出てきたなぁ」
や
「今年の全日本横笛コンクールは優勝本気で狙いに来た人多かったなぁ。聞き応えあった。」
そんなこんなを回想していたら、自分が登山囃子大会に出てたときのことを思い出しました。
優勝できた時とできなかった時
現役時代、優勝できなかった時とできたときの違いって何だったか?
幾つか要因がありました。参考になればと思い自分の経験談を書こうと思います。
準備は大切
優勝するじゃ優勝できない
細部へのこだわり
上記を全て〇〇する
準備は大切
これはコンテストに出場する以上誰もがしてると思うのですが、楽器の手入れから普段の練習、自分の調子のバイオリズムまで気がついたところはマメにチェックしてました。僕が小学校の頃、師匠からの年賀状に「朝の5分練習!」と書かれてました。
幸いにもご近所さんも僕が笛を吹くことに好意的だったため、通学前に登山囃子4周と下山囃子を2周、鏡の前で吹いてから家を出てた。
息が出ない「朝」に練習したのはおそらく今の音量につながっているのだと思う。
マメに笛を吹いておくことでキャプ翼の「ボールはともだち」ならぬ「笛はともだち」に近づいた気がする。 その日の湿気、気温、前日の生活で演奏の出来がだいぶ違うことも分かった。
そうやっているうちに自分の調子に波があることが分かった。僕の場合は2週間サイクルで好不調の波がある。今ではだいぶ平坦になってきたけど、昔は結構な差があったから、主要な大会前は2週間前に調子を落とすために練習量を落としたりしていました。そしてコンディションが100%になっているを確認してコンテストに出ると大体撃沈(笑)
仕上げは上り調子で80%になって本番に行った時が一番良いの演奏ができた。
優勝するじゃ優勝できない
優勝目指して練習するわけですが、僕は変な法則があると思ってて、3位以内を狙うとほぼ3位以内には入れず(だいたい5位くらい)優勝目指すと3位以内に入る。だから優勝するってことは、
これぐらいやったら優勝できるかな?では届かない。
こんなにやったからもう間違いなく優勝だ!
というラインを見据えて仕上げたらチャンスが生まれるものだと思って練習してたし、実際そうだった。
具体的には出場する人たちの演奏を聴き、優勝に到達するレベルを設定し、そこの2段上を狙って練習する。
細部へのこだわり
これは演奏のことと、舞台に上がる時からの振る舞いも含めて。
登山囃子はお囃子なのに演奏については「理詰め」だと思っている。僕が現役の頃絶対的に笛がうまかった親子がいて、その人達の笛は全ての音が次の音に掛かっている「伏線」になっているのに気がつき、3手、いや4、5手先の音にために今の一音を吹く研究をした事がある。
ここの音Aを目立たせるには前の音Bを
・近い音にするのか遠い音にするのか?
・大きい音にするのか、小さい音にするのか?
・ブレス音は入れるのか?入れるとしたらどれくらい?
・打ち指は幾つ入れるか?どの指を使うか?指を動かすスピードは?
・音の向きは↗︎なのか↘︎なのか?
・上述の前の音Bを効果的に聞こえさせつつ狙っている音Aに関連づけるためには、Bの前の音Cはどうすべきか?
みたいなことを一音づつ延々と研究したの。
その意識と実践が今のプロでの演奏活動にもつながっているし、どのジャンルでも素晴らしい演奏をする方はそれを体現されている。しかもとてもナチュラルに。なのでもしかしたら無意識レベルでやられているのかもしれない。(そういう方を天才と呼ぶ)
また、舞台に上がるときの歩き方から指先まで、いい演奏をする人は雰囲気があるので昔はよく真似ていた(笑)。これは〇〇さんの歩き方、お辞儀の仕方とか。さながら宴会芸(笑)
上記を全て〇〇する
さて、上記を全てクリアするといよいよ優勝が目の前に近づく。これで優勝する時ももちろんあるんだけど、それは相手の調子が悪い時だけだった。
多くの場合は、演奏が自分の思い通りにできて完璧!って手応えを感じた時にかぎって優勝できないし、周囲の評価もイマイチだった。挙げ句の果てに師匠株のおじさん達からは、
「オメ、優勝してどうしてんずよ💢?」(あなたは、何で優勝したいの?)
と問われる始末。
「一生懸命練習してきたのに、優勝目指したらダメなの????」
って反論すると、半笑いされながら
「ばがっここの〜!だはんでオメマネんだね。」
(バカか!だからお前はダメなんだ!)
と20代前半まで何度となく複数人に言われた。(地獄)
で、自問自答するわけです。試行錯誤するわけです。
そしてたどり着いたのが
準備は大切、優勝するじゃ優勝できない、細部へのこだわり
を〇〇することでした。
〇〇する。何だと思いますか?
みなさんも考えてみて下さい。
〇〇は次回書こうと思います。優勝を狙っている人はそれまでちょっと自問自答(笑)してみて下さいな!
つづき
いよいよ元日より全日本横笛コンクールの受付開始!
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