「嫉妬」について

「恋人が他の人と仲良くしていたら嫉妬する」という気持ちは、
「自分のことよりも別の人のことが好きになったら自分は捨てられてしまう」
という不安から来ていることが多いんじゃないだろうか。
一対一のみを当たり前とする恋愛観においては、恋愛感情は排他的なものだから。

ところが、複数の人を好きになることを認めていると、
「他の人が好き」であることは必ずしも「あなたのことは好きじゃない」ということを意味しない。
僕も「自分が捨てられてしまうのでは」という不安を抱くことはあるけど、
その解決策は「他の人と仲良くしないで」ではなく、
「もっと僕のことを愛して」であるはず。

ときどき奥さんは
「他の恋人なんかより、忙しすぎる仕事や、
僕が夢中になるガジェットに嫉妬しているよ」
と冗談めかして言う。
好きな人に好きな気持ちを表明することがおろそかになっているとき、
それを解決する方法は、
「他のことに目を向けるのを一切やめる」ということではないのだと思う。


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文月 煉
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