【最新号試し読み】月刊不動産流通 22年8月号
「月刊不動産流通2022年8月号」が発売となりました。
その中から、
・流通フラッシュ「まちや住宅にアートを!不動産事業者の取り組み活発化」
・特集「空き物件を再生『シェアハウス』」
の内容を掲載します。
試し読み①(全文掲載)
流通フラッシュ「まちや住宅にアートを!不動産事業者の取り組み活発化」
◆注目度を上げる、人を呼び込む、etc.
まちや建物に新しい魅力を創出
会社のイメージアップにつなげる、集客を図る、無機質な空間に温かみを与える…。さまざまな場面や用途でアートを活用する動きが見られるようになってきた。アート=芸術といえば、「美術館等で楽しむもの」「敷居が高い」といったイメージが先行し、身近なものと感じている人は決して多くはない。しかし最近は、工事現場の仮囲いへのアート作品の描画や、各地・各
所で体験型のアートイベントなど、アートはより身近なものに
なってきている。
不動産業界でも大手、中小の事業者を問わず、アートの持つ力を生かそうという機運が高まっている。芸術専攻の大学生やパラアーティスト(障害を持つアーティスト)の作品をマンションの共用部に展示したり、まちなかへアート作品を設置したり、アーティストを招いてイベントを開催したり…と、アートを積極的に活用する動きが各所で見られるようになってきてい
る。さらにはアーティストやクリエイターを積極的に誘致し、空き家・まちの再生とにぎわい創出を実現させている事例もある。
アートを活用するメリットは、老若男女問わずさまざまな人に広く受け入れられるという受容性の高さにある。そして作品やパフォーマンスそのものが持つインパクトや吸引力のほか、体験として強く記憶に残る、陳腐化しにくいといった特性も魅力だ。注目度を上げる、人を呼び込むといった効果に加え、クリエイティブ性を持つアーティストとの交流により、新たな気付きも得られるだろう。
寂れたまち、無機質な空間などを変えたい…。そんな時、アートを活用すると、より豊かな成果が得られるかもしれない。
試し読み②(一部掲載)
特集:空き物件を再生『シェアハウス』
少子高齢化や住まい手・後継者不足などが原因で、放置される空き家や空き物件が全国で増え続け深刻な課題となっている。こうした空き家・空き物件をターゲットやコンセプト等に独自性を持たせた「シェアハウス」として再生・運用することを通じ、地域が抱える課題解決やまちの活性化を目指し奮闘する不動産会社が見られる。
本特集では、全国各地の不動産会社が手掛ける5つのシェアハウスを取材。シェアハウスへの再生に至るまでの経緯や、地域にもたらしている効果などを紹介する。
★学生から60歳代まで多世代が交流
廃業した築40 年超の老舗旅館を
入居者と地域がつながる社交場に
(株)ウィル(兵庫県宝塚市)
政治家や高校球児が利用した
思い出深い旅館の面影を残す
阪急電鉄甲陽線「甲陽園」駅から徒歩3分、低層住宅が立ち並び落ち着い
た雰囲気のまちなかにある「DIVERSITY甲陽園」(兵庫県西宮市)は、もともとは政治家や春・夏の高校野球に出場する甲子園球児も利用していた大正時代創業の老舗旅館を改修したシェアハウス。地元では有名な旅館だったが、後継者がいなかったことから2012年に廃業。阪神間・北摂・名古屋エリアを中心に売買仲介、リノベーション事業等を展開する㈱ウィル(兵庫県宝塚市、代表取締役社長:坂根勝幸氏)は、旅館のオーナーから「旅館は廃業したが、地域住民にとっても思い出深い建物なので、取り壊しせず別の形で運用していくことはできないか」と相談を受けた。同社はオーナーの意志を汲み取り、「地元で愛されてきた建物を残しつつ、地域に役立てられるよう有効活用する」との約束を交わし、旅館を取得。多世代が交流できる
「地域密着」をコンセプトとしたシェアハウスへと再生した。
1ヵ月無料のモニターを募集。
近隣住民向けオープンハウスも
建物の今後を不安視していた住民も多かったことから、シェアハウスに再
生する旨を近隣住民らに説明し理解を求めた上で、リノベーション工事に着
手した。旧耐震基準の建物だったため、耐震補強を実施。象徴的な屋根瓦と外観はそのままに、傷みの激しかった内装中心にフルリノベーションし、当初計画していた約50室を25室まで減らし、そのスペースを共用施設に充て
た。3階建ての各階にリビング・キッチンを設けたほか、シャワールーム、
ランドリールームなどを設置。入居者が自然と共用部に集まりコミュニケー
ションができる環境とした。地下には、ヨガやダンス教室、ママ友の集ま
りなどで地域住民に利用してもらえるよう、防音室とフリールームも用意し
ている。
工事完了後、1ヵ月無料の入居者モニターを募集。17人がモニターとして
シェアハウスで生活しながら、入居者間や周辺地域とのトラブルを起こさないための居住ルールを決めていった。また、その様子を「オープンシェアハ
ウス」として公開。近隣住民にシェアハウスへの理解を深めてもらった。
学生と60歳代が並んで食事。
年配者に人生相談も
16年1月より入居者募集を開始。最初の入居者は外国人留学生を含む学生
8人だったが、入居者は徐々に増加。現在の入居者は17人、大学生から「若
い人との関わりを持ちたい」という50~60歳代の社会人まで幅広い世代が入
居しており、学生と60歳代の入居者が並んで食事をするのは日常だという。
「シェアハウスに住みたいという人は、もともと人に興味があってコミュニケーション能力が高い人が多い。リビングでは入居者同士、自然と会話が交わされ、若い人が年配者に人生相談をする様子もめずらしくありません」(同社新築事業グループプロジェクト企画チームリーダー・靏野早希氏)。
一方、地下のフリールームは、同社と近隣住民主催のJAZZイベントや三味線イベント等に使われているほか、地元の中学生が卒業前に送別会を開くな
ど、思っていた以上に地域住民に活用されている。また、旅館の1階で営業していた寿司店に代わって、16年11月にカフェが出店。夜はバーとして営業しており、入居者と近所の常連がお酒を酌み交わし仲良くなることもしばしば。昼夜を通じて、地域住民と入居者との新たな出会いの場にもなっている。
運営開始から約7年、シェアハウスは地域の“社交場”として認知されつつあり、入居者と地域住民とが関わる機会も増え、まちに活気が生まれている。「若者が少なくなりつつあるこのまちで、シェアハウスの若い人と高齢
世帯との交流が深まり、有事の際などに助け合える関係性が築けたら嬉しい
ですね」(同氏)。
雑誌では、
・山の中腹にある古民家群を「アート」と「農」の体験拠点に/(株)SHOEI(山梨県甲府市)
・築35年の店舗兼住宅を再生。孤立しない生活サポートも/(株)イチイ(東京都新宿区)
・閑静な住宅地の一軒家を〝第二の実家〞のような場に/松栄建設(株)(住まいの松栄)(横浜市港北区)
・路地奥・再建築不可の一軒家を改修。住まい困窮者に安心な環境を/(有)武庫川住研(兵庫県西宮市)
もご覧いただけます。
その他さまざまなコーナーが有ります
「月刊不動産流通2022年8月号」では、この他にも不動産実務に関わるさまざまなコーナーを掲載しています。
・新連載:電鉄会社のまちづくり
日本で鉄道が開通し150年。電鉄会社が鉄軌道の整備と合わせて行なってきたまちづくりも、時代の経過とともに変化した社会のニーズや地域課題に対応するため、新たなコンセプトでの再開発が各所で見られるようになりました。そうした取り組みをレポートする隔月連載です。
初回は東急(株)。最重要拠点と位置付ける「渋谷」駅周辺や、郊外ニュータウンの代表でもある「多摩田園都市」でのまちづくりについて。
・宅建業者が知っておくべき『重説』に必要な基礎知識Q&A 〜建築編
「建蔽率」
・不動産登記の現場から
「遠隔地の物件の売却手続き」
・関連法規Q&A
「宅地建物取引業法における書面の電子化について教えてください①」
・適正な不動産取引に向けて―事例研究
「買主が建築業者であっても消防法上の不備を告げない
ことは売主の瑕疵担保責任とされた事例」
などなど…
不動産会社の取り組みの紹介も多数紹介。業界の把握に役立ちます。
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