2024年7月1日の日記
7:00くらいに目覚めるが、昨日の酒のせいか体がだるくて起き上がる気がせず、30分くらいベッドの上でゴロゴロ。8:00からの『虎に翼』に合わせてご飯を食べるべく、7:30くらいからのろのろと行動を始める。どんな怠け者も定刻になったらテレビに集合させる魔力があるので『虎に翼』は偉大。
今日はもうちょっと原稿を進めるつもりだったのに、請求書をつくったり、質問案をつくったり、ネタ出しのお手伝いをしたり、細々とした仕事に遮られ、ほとんど着手できず。ちょっと明日巻き返さないといろいろまずくなってくるので頑張りたい。
昼から取材のついでに美容院へ。この間、あんまり深く考えずツーブロックにしてもらったら全然イメージと違う仕上がりになってしまい、ひっさびさに髪型でヘコんだので、今回はちゃんと画像検索をして準備をすることにする。
とにかく短髪が良かったので「メンズ ベリーショート」で画像検索したら若い男の子ばっかり出てきてしまい、慌てて「中年男性 ベリーショート」で検索し直した。ただでさえ勘違いしていると勘違いされたくないので、サンプルの写真を見せるときはなるべくイケメンじゃない人の写真をチョイスしていたのに、これからはそこにちゃんと年相応のモデルを探すという条件が追加されてしまった。これが中年の生きづらさか。
僕みたいな日陰者からすると、美容院はいつも自意識との戦いである。この「ベリーショート」というネーミングもなんとなく気取っている感じがして恥ずかしい。普通に「ボウズ」と言えばいいではないか。なぜわざわざ文字数の多い「ベリーショート」という単語にするのか。おそらく「ボウズ」という言葉の中に孕むダサさを忌避しているのだろうけど、だからと言って「ベリーショート」もしゃらくさい。
結果、一時期は「オシャレボウズにしてください」とオーダーしていた。自分的にはちょうどいい中間をとったつもりだったんだろうけど、自分からわざわざ「オシャレ」と名乗りを上げるのもいかがなものか。自意識をこじらせて、いい回答に行き着くことはないという好例である。
美容院のあとは取材へ。座談会とソロインタビューを1本ずつ、みっちり話を聞く。
帰りに洗顔フォームを買いにドラッグストアに寄ったら、プロテインバーが128円で売っていたのでドカ買い。原稿を書いている最中、口寂しくなったときの間食にいつも頭を悩ませていたのだけど、プロテインバーだとだいぶ罪悪感が薄まる気がする。と思って、プロテインバーで検索したらサジェストで「体に悪い」と出てきた。面倒くさいので見なかったことにする。あらゆる健康は思い込みが大事。
21:00から『海のはじまり』を観て、そのあとジムへ。昨日から浅原ナオトの『#塚森裕太がログアウトしたら』を読みはじめている。浅原ナオトといえば、ドラマ化・映画化もされた『彼女が好きなものはホモであって僕ではない』が有名だけど、LGBTQを主人公とした作品で僕は浅原ナオトがいちばん好きだ。浅原ナオト自身がゲイであるからか、当事者の内面描写にいちばんリアリティを感じる。LGBTQを過剰に美化もせず、安直に普遍化もせず、異(い)なるものとして真正面から捉えている姿勢が、僕にとって好ましく心地いい。彼が作品の中に遺した「世界を簡単にするな」は、僕がこの世界に対峙するうえで指針となっている言葉だ。
亡くなってもうすぐ1年。浅原ナオトのいない世界を生きていくことは、突然たいまつの火を吹き消されたような心許なさがある。