監査法人別にIPO初値騰落率の各種平均値を集計してみた
こんにちは。藤原です。今回はよくあるIPOランキングネタですが、ちょっと趣を変えまして、監査法人別に初値騰落率がどうだったかを見てみたいと思います。
初値騰落率を見る際のポイント
全体的な初値騰落率については、以下のnoteに書いたことがありますので、こちらもご参照いただけると嬉しいです。
要するに算術平均値だけで初値騰落率を論じるのではなく、初値時価総額や資金吸収額に対する加重平均値で見てみましたというのが上記noteの主旨です。今回もそれに倣って、算術平均値だけではなく初値時価総額ならびに資金吸収額に対する加重平均値を、そのIPOを担当した監査法人別に計算してみました。
なお、各種平均値の計算式は次の通りです。
算術平均値
算術平均値$${=\dfrac{\sum\limits_{i=1}^np_i}{n} }$$
$${p_i}$$はその監査法人の$${i}$$番目のIPO銘柄の初値騰落率
$${n}$$はその監査法人が扱ったIPO件数(以下同じ)
加重平均値 (vs 初値時価総額)
加重平均値(vs初値時価総額)$${=\dfrac{\sum\limits_{i=1}^np_i{\cdot}M_i}{\sum\limits_{i=1}^nM_i} }$$
$${M_i}$$はその監査法人の$${i}$$番目のIPO銘柄の初値時価総額
加重平均値 (vs 資金吸収額)
加重平均値(vs資金吸収額)$${=\dfrac{\sum\limits_{i=1}^np_i{\cdot}F_i}{\sum\limits_{i=1}^nF_i} }$$
$${F_i}$$はその監査法人$${i}$$番目のIPO銘柄の資金吸収額
念のため、資金吸収額というのは公募株数と売出し株数(オーバーアロットメントがあればそれも)の合計に公開価格を乗算した値です。
集計結果
前置きが長くなってしまいましたが、2021年の集計結果は以下の通りです。
なお、実施件数が1件しかない監査法人については、上記計算式の成り立ちから当然のこととして
算術平均値 = 加重平均値(vs初値時価総額) = 加重平均値(vs資金吸収額)
となりますので、上記のグラフからは省いています。念のため実施件数が1件のみの監査法人を含めた全体の表は以下の通りです。
2021年の監査法人ではこのような結果となりましたが、いかがだったでしょうか。この結果を受けてどうこうという結論じみたことは敢えて書かないようにしておきます。皆様の参考になれば幸いです。
他の年度についても計算してみたり、あるいは監査法人ではなく、よりプライシングの思想が色濃く出る主幹事証券会社別でも同じ集計をやってみると面白いかも知れません。
ここまで書いたんだからそれもお前がやれよという話ではあり、僕もやりたいところなのですが、膝に矢を受けてしまってな・・・。
ごめんなさい。ニーズがあったら今度書きます。
データ参照元
今回も個別IPOのデータについては、公認会計士プラットフォーム事業の株式会社ワイズアライアンス様が販売されているデータをフル活用させていただきました。
ありがとうございました。