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高血圧のおじさんが命がけで「獄激辛Final」を食べてみた

 「獄激辛Final」という、死ぬほど辛いらしいペヤングの焼きそばが発売されたことを知り、ミニストップで購入しました。なぜわざわざそんなものを買おうと思ったのか? 僕はYouTuberだからです。今年の2月から金目当てでYouTuberになりました。YouTuberであるなら、一部の例外を除いて、激辛食品を食べて苦しまなければなりません。

 しかしながら、獄激辛Finalを実際に食べているYouTuberたちを見ていたら、だんだん食べるのが恐ろしくなってきました。みんながみんな、あまりにも辛すぎて、面白いリアクションがとれていません。それは「ガチの苦しみ」のリアクションであり、見ていて笑えないものでした。彼や彼女たちの命が心配になりました。また、脳の活動に支障をきたしているようにも思えました。彼ら・彼女らは地獄のような辛さに苦しみ、何か喋ろうとしても上手く言葉が出てこないのです。

 僕はそれらの動画を見ていて、「これはガチでヤバいやつだ。僕は高血圧の基礎疾患があるから、もしかしたら死んでしまうかもしれない…」と震え上がりました。ツイッターでも、獄激辛Finalの危険性を真剣に訴えている人が散見されました。「子供や老人が食べたら命に関わるのではないか」、「誰でも気軽に買えるコンビニで販売していいものではない」など。

 僕は獄激辛Finalを購入したはいいけれど、なかなか食べる勇気が出てこず、部屋のすみっこの棚の上に置きっぱなしでした。行きつけのコンセプトカフェである「アイドル育成型ライブカフェ アイドール」に行った際、Lapisの大原めいちゃんに「ふちりんはYouTuberなんでしょ。早く食べなよ」と急かされました。しかしながら、そのあとも2週間くらいは食べることができなかった。そのあいだに、僕がもし無理して獄激辛Finalを食べたら死んでしまうかもしれない(高血圧のため)ことを知った大原めいちゃんは、「ふちりん、やっぱり獄激辛Final、食べたらダメだよ」と優しく言ってくれました。僕は、大原めいちゃんに「もし獄激辛Finalを食べて突然死したら、お葬式に来てくれる?」と尋ねました。すると彼女は「そんなこと言わないで! でも万が一そうなったら、Lapisのみんなでお葬式に行くよ」と言ってくれました。僕は「よし! 言質げんちがとれた!」と喜び、ついに獄激辛Finalを食べることを決意しました。

小川さくらちゃんからペヤング禁止令が出される

 同じくLapisのメンバーである小川さくらちゃんにも「獄激辛Final、絶対に食べちゃダメだよ!」と言われ、2ショットチェキにまでその旨を書かれましたが、僕の決意が揺らぐことはありませんでした。

 そしていよいよ、獄激辛Finalを実食するときが来ました。前日はお酒を一滴も飲まず、万全の体調でその日の夕方を迎えました。スマホで動画を撮影しながら、お湯をそそぎ、3分待ちました。お湯をキッチンの流しに捨てて、自室でほかほかの麺と向き合います。激辛のソースを袋から一滴のこらず絞り出しました。それは赤黒い色をしていました。匂いをかいでみたら、それだけで少し辛さを感じました。箸でよくかき混ぜて、ついに獄激辛Finalが出来上がりました。

これが悪名高い獄激辛Finalです

 僕は「頂きます(あまり頂きたくないが…)」と言い、麺を1本だけ持ち上げました。なぜ1本だけなのか? 一口目はたくさん食べたほうがYouTube的に映えるだろうことは分かっていましたが、命にかかわるからです。高血圧もちなので。もし突然死したらLapisのメンバーがお葬式に来てくれるとは言え、やはりこんなもののために死にたくはありませんでした。そしておそるおそる1本食べた時点で、「これは無理だ…!」と思いました。血圧上がって死んでしまいそうだと思ったし、実際に動悸がしてきました。マヨネーズをたっぷりかけて4本目を食べたあたりで、不整脈を感じました。それが本当の意味での不整脈だったのかどうかは分かりませんが、心臓がドクンッという不自然な音をたてました。

 大食いYouTuberの木下ゆうかさんは、「マヨネーズをかけ、コーラを飲みつつ食べればいける」みたいなことを言って完食していたけれど、ぜんぜんいけませんでした。4~5本食べたあたりで自分の命を優先し、台所に行って麺をすべてザルにあけ、冷水でじっくり丁寧に洗いました。そしてフライパンにその麺を移動させ、適量のごま油を回し入れ、軽く炒めました。

洗った麺をフライパンで炒めました

 食欲をそそる匂いを放っている麺を普通のお皿に盛りつけて、マヨネーズをかけました。そしたらピリ辛のやきそばになって美味しかったです。あまり言いたくはなかったけれど、いちおう「ごちそうさまでした」と言いました。YouTuberは決して食べ物を残してはならないし、「頂きます」と「ごちそうさまでした」を言い忘れてはならないのです。コメント欄で怒られるから。

 あれだけ丁寧に洗ってマヨネーズまでかけたのに、まだけっこう辛いことには驚きました。パッケージには、「泣けるほど辛みが強いので、小さなお子様や辛みが苦手な方の喫食きっしょくには十分ご注意ください」と書いてあるけど、これではぜんぜん足りないと思います。「泣けるほど辛みが強いので」のところには、おふざけ感がただよっています。人の命がかかってるんだから、ふざけている場合ではありません。「小さなお子様、高齢者、基礎疾患のある方は決して喫食しないでください。命にかかわります」くらいのことは書いた方がいいと思います。人命が失われてしまってからでは遅いんです。こんなふざけた食べ物のために死んじゃったら、死んでも死にきれないと思います。ちなみに獄激辛Finalの味は、化学薬品的な味がしてぜんぜん美味しくなかったです。結局のところ、普通のペヤングが食べたい。

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ふちりん
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