昔母に向かって言って傷つけた言葉
私が小学校の時、『他のお母さんは若いのにうちは齢いってるから恥ずかしい』という内容の言葉を言ったそうだ。
はっきりどんなふうに言ったかはわからないが、なぜそんな風なことを言ったのかはわかる。
うちは8つ上の姉、6つ上の兄の3人兄弟である。
姉や兄が産まれた時は当然母は若い。
姉が産まれた時は25歳。
私が産まれた時は33歳。
そりゃ姉から見た母の感覚と違うにきまっている。
そして私の同級生のお母さんが若い人が多いのもそりゃそうだ。
母には未だに『あんな言われ方してショックやったけど、今の時代なら33の時の子なんてぜんぜん普通やでな!』とよく言われる。
だけど私が思っていたのは年齢的なものだけのことじゃないんだ。
ということが最近になって分かった。
先日実家の横に分譲地ができてそこの業者のおにいさんと世間話をする機会があったそうだ。
で、話の流れで母が何歳かという話になったようで、おにいさんが
『はちじゅう・・・』って言いかけたそうだ。
母は笑いながら『なんでやねん!』ってすかさずつっっこんだよ~って言っていたがショックだったのだと思う。
ちなみに母現在76歳。
日ごろから同世代の近所の人体の不調を聞いていて、自分はそんな風に不調な部分がさほどないから元気だ!若い!と自負しているようで。
確かに、畑にいったりして元気ではある。
『私なんでも好き嫌いなくよく食べるし、近所の人よりぜんぜん痛いところないし、体は若いで!』と、その元気自慢をよくしている。
だから余計にショックだったのだろう。
でも違うんだ・・・
“母の言っている元気で若い”という感覚と“世間が見る元気で若いというイメージ”が。
年齢重ねても元気でいつまでも若々しい人のイメージってどんな人ですか?
☑姿勢がしゃんとしている
☑美容に気にかけている
☑TPOに合わせて服装に気を付けている
☑若い人の話などにも興味を示す
他にもいろいろあると思いますが、私はそんなイメージを持っています。
そのイメージで考えると母はすべてにおいて欠落しています。
これは今この年齢だからではなく昔からなんです。
昔から、お金がなく節約して、寝たきりのひいおばあちゃん(母からすると義理の祖母)の介護をして、3人の子供を育て上げたというのが母の自慢である。
だからとっても苦労した人である。
だけど、ひいおばあちゃんは私が3歳の時に亡くなっていて、私がショックなことを言い放ったころは景気も良いバブル期だった思う。
しかも、姉や兄はその頃すでに高校生や中学生になって手がかからない頃。
上記の項目を気にする暇や余裕がなかったというのは言い訳でしかない。
私があの当時若くてきれいなお母さんだなと思っていた親御さんが数人いた。
その親御さんを思い返しても年齢の問題じゃない。
見た目がきれいだった。
綺麗というのは美人とかではなく、身なりをきれいに整えていたということだ。
母は結局ダサかったということである。
父が亡くなってから少しだけ遺品整理をしていたようで『これお父さんのために買った服、ほとんど着なかったから』といって母が着ている場面をよく見る。
それが数年前に亡くなった祖母の洋服も着る。
もちろん着ていてもぜんぜん構わない。
私も祖母から譲り受けた洋服は何着かある。
だけど、結局着こなしが壊滅的にダサいのである。
何でそれを組み合わせる?というコーディネートをするのだ。
これ、誰にも言えないが姉もそうなのだ。
私より洋服を買っているであろう姉。
しかも、私のように古着やSALEで1000円以下になった洋服を買っているわけではなく、そこそこのメーカーの洋服を買っている。
だけど組み合わせが微妙なのである。
先日もカーキ色の体系カバーできるワンピースを着ていた。
だけど、そのワンピースの下には分厚すぎる毛玉のできたタイツを履いているのが後ろのスリットで丸見えなのである。
そしてトップスとの色味が全く合っていない。
だから一つ一つのものはかわいくていいものなのに全部殺してしまっているのだ。
先日姉が『お母さん身なり気にしないのが80代って言われる原因やでな』って言っていたが、この先姉もそうなるんじゃないかと内心思っている。
姉も見た目のコンプレックスを相当持っている。
私と顔が全然似ていない。
私は祖母譲りの隔世遺伝。姉は母似。兄は父似。
姉は『母に似て不細工だ』とよく嘆いていたが、私も私で祖母譲りの丸顔のぽっちゃり体系なのが難点である。
だけど、それをカバーしたり、それを活かしたりすることはできるって思っていて、何が自分に似合うかを研究したものだ。
シュッとした細い顔、細い体系にあこがれるけど、その人たちの髪形や洋服をまねても私には似合わないというのが十分わかっている。
これ、今に始まった話ではなくずーーーーっと思ってたことなのでもう今更感あるんだけど。
本人の認識と、他人が感じるものが違っているので難儀だなぁって思っているのです。
母にしろ、姉にしろ、近い人間だからこそ言えないんだなぁ・・・