多頭飼育崩壊の現場から救出された猫だけど質問ある?
オレの名前はちゃちゃまる。新潟市在住のオス猫。
2016年3月生まれでもうすぐ8才になる。
1.オレの生まれた家の話
実はオレんち、テレビに出たことあるんだよね。
しかもテレ東。新潟でテレ東みれないのにさ。いきなり関東デビュー。
その時の様子がこれ。
多頭飼育崩壊の特集で、オレの家に取材がきたの。
2017年の1月くらいの話ね。
手前でごはんを食べてるのが、多分オレじゃないかな。
ちなみに右端に写ってるのが、オレのかーちゃん。
長毛の血がオレにもちょっと流れてるんだぜ。
この頃が幸せだったかって?
見てわかるよな、ひどい環境だったぜ。
ニオイはきついし、いつも腹ペコだし、オレはずっと風邪引いてたんだ。
尿路結石にもなっちゃった。つらかったな。
このテレ東の取材班は、「新潟動物ネットワーク」と一緒に来てた。
そんで、おれたちは新潟動物ネットワークに救出された。
病院に連れていかれて、風邪や尿路結石を治してもらったんだ。
あと、なんかしらんけど、タマタマもなくなってた。
2.オレは保護猫になった
それからオレは、しばらく新潟動物ネットワークの人ん家で世話になった。
きょうだいもいっしょだったからさみしくなかったぜ。
でも、月に1,2回、「譲渡会」ってやつがあってさ。それがめんどかったな。
オレびびりだから、ずっと岩みたいになってた。
きょうだいはみんな新しいおうちが決まるんだけど、オレはなかなか決まらなくて、2年くらい経った。
ある日、オレがいつものように譲渡会で岩になっていると、オレに興味を持った変わり者がいた。
オレ、尿路結石になったことがあるから、再発しないようにちょっと高いごはん(ロイカナってやつ)をもらわなきゃいけないんだけど、それでもいいってさ。ヘンなやつ。
2019年5月のことだった。
んで、そいつの家で「仮譲渡」ってのが始まった。いわゆるトライアル。
猫と家の相性とか、新入りと先住猫の相性とかを一応確かめるの。
オレは保護してくれた人んちが快適だったしびびりだから、もうさっさと帰りたかった。
新しい環境なんてクソくらえって思ったね!
だからオレ、ずっとイカ耳で過ごしてやった!
1ヶ月くらいずっとシャーシャー言ってやった!
へんなやつ、結構めげそうになってた。
でも、ちゃんとロイカナくれたし、トイレも掃除してた。
時々ちゅーるもくれた。
意外といいやつっぽかった。
なのでゴロンしてやった。
そしたらめっちゃ喜んで、ゴロンしてる写真たくさん撮ってた。
オレも帰るのがめんどくさくなったので、この家に住むことにした。
そんなこんなで
オレは幸せにゃんこになった。
オレとふーちゃん(へんなやつ)はすっかりラブラブになり、
毎晩一つの枕を使っていっしょの布団で寝るようになっていた。
ついにオレも、幸せな猫生(人生ではなく猫生な)を手に入れたのだ!
ロイカナ食べておしっこもちゃんと出てるから、毎日元気だぜ!
子猫時代の風邪の後遺症なのかときどき咳が出るけど、
病院に行って注射打ってもらったら収まるから、まあいいや。
オレの後輩たちのはなし
オレにはたくさんの後輩がいる。
新潟動物ネットワークでレスキューされた保護猫たち、
里親さんのとこで幸せになった猫たち、
そして今も多頭飼育崩壊の現場で苦しんでいる猫たち。
多頭飼育崩壊の問題はフクザツだ。
猫がかわいいからって無責任に繁殖させて面倒見きれなくなって不幸な命を殖やすヤツらばっかりかと思ったら、そういうわけでもないんだ。
自身の生活が困窮して手術費用も出せなくで、行政の支援とか新潟動物ネットワークの存在もわからないまま、どんどん猫が殖えたパターンもある。
お金がないから自分のごはんは我慢して、でも猫にはエサを買って大事に育てていた、なんて人もいるんだ。
このへんを猫のオレが説明するのはかなり大変なので、新潟動物ネットワークのほーむぺーじやぶろぐを見てね。
これ以上、不幸をふやさないために
ここまで読んでくれた人間、ありがとう。
いま新潟では、官民連携で「猫の不妊手術専門病院」を開設するための取り組みがスタートしてるんだってさ。
まだほかの県でこういう動きはほとんどないらしい。
これが成功したら、新潟だけじゃなく各地に同じ取り組みが広がって、日本中の猫たちを救えるかもしれないんだぜ。
オレの話をここまで読んでくれる人は、なかなかの猫好き(もしくは変わりモノ)だから、きっとこのプロジェクトにも興味を持ってくれると思う。
4月5日までくらふぁんもやってるぜ。
【おまけ】
新潟動物ネットワーク(NDN)は全く怪しい団体ではないぞ。
完全なボランティア団体で、たくさんの人の善意と寄付で活動しているんだ。
NDNのスタッフは平日仕事終わりの夕方や夜に、県内各地の多頭飼育崩壊の現場に駆けつけて、これ以上不幸の連鎖が続かないよう、捕獲や運搬をしている。
捕獲された猫たちは動物病院でタマタマを取ったり不妊手術をしてもらうんだ。
獣医さんの中には休診日や診療時間外を使って精力的に猫の不妊去勢手術を受け入れてくれる仏様みたいな人もいるんだぜ。
んで、保護した猫に里親が見つかるまでお世話するボランティアがいる。
(オレもけっこう、タンゴのお世話をしてるぞ)
そんで、譲渡会には「保護猫を飼いたい」って興味を持ってくれる人たちがたくさん来てくれるんだ。すごいことだよな。
譲渡会は日曜に新潟市とか三条市とか長岡市とかでやったりするぜ。
これも新潟動物ネットワークのほーむぺーじやSNSに情報が載ってるから、気になったらチェックしてみてね。
オレみたいな幸せにゃんこがもっといっぱいの世の中になったらいいよな。