秋を求めて
どーもどーも〜
白玉あずきさんですよ〜
ついに秋になりましたねぇ
つい数日前までは暑いか寒いかわからなくって、
春と秋の違いを探しに山へ修行しに行っていましたよ。
するとなんと雨が降って来ましてねぇ、
それからというもの一気に冷え込みまして、
秋を感じるようになりました
そいえば先日ガストに行きまして、
私は私のあだ名である「白玉」を頼みました。
とても罪悪感を感じながら、私はお友達を
3名ほど食しました。
ちなみに一緒行った人は「ぶどうパフェ」を
とても美味しそうに食べていました
あと
中華も食べに行った気がする。
確かあれは、
「しいたけ」と呼ばれるキノコ王国の住人と
「もりりん」と呼ばれる山の妖精と。
うん。食べに行った気がする…
そう、これはその日に起きた
摩訶不思議な出来事。
確かあの日、僕は演劇部っていう楽しげな人間が集う部活に行った。最近"クリームソーダ"にハマってる僕は、クリームソーダを飲みながらいつも通りみんなを教室で待っていた。
ゼミの先生と最近は"寒暖差が激しいですね"
なんて話していたけど、クリームソーダは何もかも忘れさせてくれるかのように僕の胃へと入ってくる。クリームソーダを飲み終わる頃、
「おきかよ」が教室に入ってきて僕に1冊の本を渡し、すぐに出て行ってしまった。その本には何も書かれていない。困惑しているとみんなが続々と教室に入ってきた。「みっきー」が
"CHiCOのエースって曲がとてもいいです"なんて言っていたが、僕はよく分からず変な顔をしているのも束の間、部活が始まった。
僕はある違和感に気づいた。
どうしてだろう。なんで誰も気づかないんだろう。昨日まで元気に話していた「しいたけ」と「もりりん」がいない。気づいていないのはどうやら僕だけのようだった。気になった僕は隣に座っていた「かりちー」に2人について尋ねてみた。すると返ってきたのは、「誰?その人。そんなことよりスマブラしよーよ!ねぇってば!
"スマブラたのしー"よ!」という部活中とは思えない言葉だった。気にせず僕は他の人にも聞いてみることにした。
「いたち」「るーと」「さとう」
誰に聞いてもしいたけともりりんを知らないと言う。
僕は2人を探しに部室へと向かった。部室へ向かう途中、僕はずっと考えていた。なぜ2人がいないんだろう。なぜみんな2人を覚えていないんだろう。部室に着き、ドアをあける。しかし、2人の姿はない。そこにあるのは机の上に置かれた1枚の置き手紙のみ。2人に関する手がかりがあるかもしれない、そう思った僕は手紙に駆け寄った。
すると突然秋の冷たい風になびかれるように手紙が宙を舞い声を発し始めた。
「私は大魔女おふみ。しいたけともりりんは私が隠した。ついでにみんなから2人の記憶も消させてもらった。2人は今頃何もない空間を彷徨っているだろう。お前が見つけることができたのなら、解放しみんなの記憶も元に戻してやろう。
まぁ私も優しい魔女だ。もりりんは返してやろう。2人だけでしいたけを見つけることができるかな?おーほっほっほ〜」
すると手紙がもりりんを吐き出してきた。
「痛っ、はっ、しいたけ…しいたけは!?
白玉、しいたけは?しいたけ知らない!?」
「もりりん…」
僕は今日あった事、大魔女おふみのことを全て話した。
「そっか、じゃあ早く探さないと!」
「でも、どうやって…?」
「くそっ、手がかりが無さすぎる。このままだとおふみにしいたけを天ぷらにされてしまう。
何か手がかりは、くそぉぉぉぉぉ!」
これはなんだろう。誰の声だろうか。
もりりんの声に反応するかのように誰かが僕たちの頭の中で話している。
「もりさん、私だよ、しいたけだよ。私は無事だ。だけどもうすぐで椎茸力が尽きてしまう。
だから1度しか言えないからしっかり聞いてくれ。椎茸力とは愛の力のことだ。君を心から愛せるようになった時、私は真の椎茸力を発揮しおふみに打ち勝てる。だから君の本音を聞かせてくれ。君の本音が聞きたいんだ!
私は今くm…のuえ…にいる…はや…k…」
「しいたけ!くそっ!おふみめ、俺のしいたけを。行くぞ白玉。しいたけは雲の上にいると言っていた。高い場所に行くぞ」
僕ともりりんはできるだけ雲に近い場所に行き、もりりんは叫んだ。しかししいたけから返事がない。叫んだ。声が出なくなるまでもりりんは叫んでいた。
「もりりん、もう喉がダメになるよ。今日は諦めて明日また探そう」
「ダメだ!こうしている間にも、おふみは天ぷらの準備を進めている。このままじゃしいたけは天ぷらにされる。とりあえずここじゃないみたいだ。次の場所に向かうぞ。」
僕らは次の場所に向かっていた。20時を過ぎていた。もう辺りは暗くなり、風の冷たさが秋を感じさせる。そんな時おきかよから受け取った本が光っていた。そこには「雲は遠くていけないだろ?だけど雲が映る場所に行けば1番近いと言えるのではないか?」と書かれていた。
「そうか!その手があったか!でかした白玉!
この辺で雲が映る場所。そうだひょうたん池に行こう!」
僕らはひょうたん池へと急いだ。するとそこにはおきかよが立っている。不気味に思った僕はもりりんを止めおきかよに話しかける。
「そこで何してるの?」
「ふふっ、ついに来たか雑魚どもが!
あの本は私がお前に与えたということを忘れたのか?」
「くそっ、罠だったということか!」
「そうだとも!お前らごとき、私で事足りるが、今回は我が敬愛する大魔女様が直々に手を下してくださるそうだ!ありがたく思うんだな!」
おきかよは池に飛び込んだ。そこまで深くない池なのにも関わらず、どんどん底へと泳いでいった。すると、とても大きな大魔女おふみが姿を現した。おふみの手にはしいたけがいる。こちらに攻撃を仕掛けてくる。
「もりりん!おふみは俺が足止めする!だから今のうちにしいたけに愛の言葉を届けるんだ!」
「わかった。ありがとう白玉!しいたけーーー!!」
「もりさーーーん!!」
「しいたけ、俺はずっとお前に嘘をついていた…
ずっと週2日しかパチンコ行ってないって言ってたけど、実は週5で通っている。だけど俺はもう変わる。お前に愛されるように、、
これからは"みんなに負けないように頑張ります"
だからー!あと2万だけ貸してくれーー!」
「あ、あぁ、あああああ!!もりさん、もりさぁぁぁんん!!もりさんが困ってる…
椎茸力全開!!
"うおおおおがんばります"ーーーー!!!!」
「きぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ、!」
急にしいたけが光り出した。僕は巻き込まれないようにその場を離れた。すると次の瞬間、悲鳴と共におふみはまるこげになり池の底へと姿を消した。
「しいたけ!」
「もりさん!」
抱き合う2人。僕は"Show Must Go On"を聴きながら2人を眺め、感傷に浸っていた。
「しいたけ、すまない!嘘をついていた」
「いいんだもりさん。これからは2人で手を取り合い、頑張っていこう。愛しているよ」
「ん……愛してる」
愛を確認し合う2人を止められる者はここにはいなかった。僕はその場を離れようとした。
その時…秋の風が僕にぶつかってきた。
僕の目の前にはおふみの手先であるおきかよが立っている。僕はおきかよに池に突き飛ばされた。
息ができない。苦しい。
おふみ足を掴まれた。水面に上がることができない。
死ぬ。死んでしまう…
…………………………………………………………
「ん、んん…あれっ?ここは???」
なぜか目の前にはかりちーがいる。
「ここ?教室だよ。そんなことよりスマブラしよーよ!ねぇってば!スマブラたのしーよ!」
僕は寝ぼけていたのだろうか。
その後
すぐに部活が始まった。しいたけももりりんもいつも通り元気に話している。
よかった。いつも通りだ。
でもなんだろう、この違和感は…
無事部活が終わった。これからしいたけともりりんは中華を食べに行くそうだ。僕も連れてってもらうことになった。とても嬉しい誘いである。
断る理由はない。僕は2人について行くように教室を後にした。20時を過ぎている。もう辺りは暗くなり、風の冷たさが秋を感じさせる。
十字路の信号を待つ僕達。向かいには2人の女性が立っている。
なんだろう。なんで気づかなかったんだろう。
今日の部活での違和感。あの2人がいなかったじゃないか。
信号が変わった。向かいから2人が歩いてくる。
ダメだ。しいたけ、もりりん。行ってはいけない!
2人とすれ違う瞬間、しいたけともりりんの姿が消えた。僕はその場に跪いた。もうダメだ。逃げ場がない。風の冷たさが僕に秋を感じさせる。
そうか。そうだったのか。いらない。
もう秋はいらないのに…
2人が僕の前に立つ。すると耳元でこう囁く。
「お前以外の全てを消してやる」