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ネコと私の小冒険(11)

ある ある ある 体操 あるあるでした~♪
「あると言ったらある」大きな声で体操着姿のおじさんがラジオ体操をしながら、こちらに迫ってくる。
 ネコ先輩が震えている。それほどのOGSなのか?
 マルオがついに本を股下から取り出した。
 いずこかの空間から転移した万年樹の根をかたどったような柄が、現れる。
 「あると言ったらある!」
 ここで興味深い幻影が水面から姿を表す。4つめの世界のそれぞれの王が姿を表し、かたりあっている。 

ぷうぷう「ハチミツ輸入すべし!輸入すべし!」
キングガーエル「ここはねむい。圧倒的な眠さ。完璧な気温によって、眠さは導かれーる」
ライオン「すでに立ち直っている。超インフレな状況でなおまたインフレを起こしつつあるのが、百獣の王たるゆえんである。インフレーションである」
OGS「あると言ったらある!この世界には売れる方法がある!」
 
マルオ「4つの異世界の王がそろった。いよいよ、復活するぞ。かつて、20年前の私達の世界(正確には私たちが20年前からいた世界)で、ひとつの予言がされた。

"4人の王がそろうとき。この世の法を切り裂く 我律得法 という剣が異界より出現する。その剣はすべての世界を一つの世界にまとめ上げる"

わかるかい?スミオ!今その剣が私の手に!」
 マルオ・ザ・ルイスは万年樹の柄を異界の穴から取り出す!
 はあーい!
 マルオが完全に剣をひっこぬくと、そこには
「いてて、私のシッポをつかんで、なんだ!マルオ!」
  なんと、その柄の先は剣ではなく、ネコ先輩だった!どういうことだ!さっきまでいたネコ先輩は?
 ネコ先輩がいただろう場所に目を向ける。
 ネコ先輩の薄い姿が、そこにある。まさか!今までのネコ先輩は何者だったのか?
 そこで、また時が止まったように周りのすべてがフリーズした。
 ネコ先輩の薄い姿が、さらに薄まっていく。
「ここにいる私は仮のネコだ。本当の私はずっと閉じこめられていたんだ。スミオ。楽しい旅だった。今現れたのは、かつて、4人の王が封じこめた私。私が開放したかった世界とは私そのものだったんだ。ありがとうマルオ。ただ、お別れだ。本当の私は世界そのものを壊す、、、、ニャ~ン!」
 消えていくネコ先輩。

 凍った世界が動き出す。
 同時に完全に力を取り戻した本物のネコ先輩はマルオの手をふりはらう。地上にくるりと回転して降り立つ。シッポがさらに伸びていく。根のようにすさまじい速度で、様々な方向に伸びていく。
 4人の王が身構える。
「さて、予言は成就されるだろう。残念ながら、4つに別れた世界は元の世界に、私の世界に戻される」
 ネコ先輩は虚ろな目で語る。

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