あらゆるもの(22)
わたしというものをどこまで規定するのか?わたしそのものとの境界は、どこにあるのか?内部に対する圧倒的な解体力。わたしは生まれてくる世界をただ呆然とみているだけなのか?言葉が出てこないむなしさを、どれほど感じているのか?まだまだ難しい問題をどれほど抱えようとも、どれほど満足しようとも。わたしは生き抜いている。人生の中を必死に生き抜いている。どこからか世界は顔を出してわたしに告げるだろう。
「あなたはなんでもないただの肉体。あなたはただの生命。あなたは豊かな平原をどこまで行っても見つめ続けるはずだ。どうしようもない崖の上から、何か異質なものを見つけようというのか?」
青銅な人間は、わたしを狂わせる。わたしは彼女に多くのものを提供した。しかし、返ってきたものは、冷たい魚の標本だった。これが、何を意味するか、わかっているだろう。この事態が、何を漂白するか、わかっているだろう。触りつつある、無為なる抽象性に、誰もが色をなして、取り組んでいる。無常なる力の源泉は、どうでもよいあなたの煌めきを沈めるだろう。わたしはあなたを憎んでいるのか?わたしは、あなたを愛しているのか?青銅の人間は、駆け上がって、口を開く。
「わたしは影を持ってきた。新しい影には色がない。何も静かさに勝るものはなかった。誰よりも辛さを求めていたのに?誰よりも苦しみを求めていたのに?何をするでもなく、世界はまわる。時間軸のゆれとともに、わたしたちは黄金の時代へと到達するだろう」変化の波とともに、新しい鳴動が始まっている。世界はこんなにも美しく、明るくなってしまった。このような明るさをわたし自身のうちに見出してしまったのだ。
ここからは、始まるのだ。ただ、絶対的な感覚が、絶対的な感謝をわたしに与えるだろう。その先にある世界のゆらぎを見た時に、あなたは誰よりも世界の存在を消滅させる。消え去ってしまった海の中で、あなたは空を見出すだろう。誰も飛ばない空。誰も知らない空。誰も立たない空。