蒲池さん(蒲池孝一)|FLY_035
湧き出てくる学びへのエネルギーと瞬発力
蒲池孝一(蒲池孝一事務所:公認会計士)自由大学では「アプリクリエイター道場」を受講。67歳にして自由大学でアプリ開発を初めて学び、卒業後も開発、リリースを続けている68歳。サラリーマン時代を経てフリーランスの経営コンサルタントとして活躍。そんな蒲池さんにとって学びとは何か?お聴きしてみました。
Q.自由大学に来たきっかけは?
自分でアプリを作りたいと思い、ネット検索で自由大学を見つけました。日程も通えそうだったのですぐに申込みました。
Q.自由大学での学びはいかがでしたか?
アプリの勉強はもちろんですが、一番よかったことは若い友達ができたこと。わざわざ作ろうと思ったのではなく自然にできた友人なので対等な関係です。それがいいですね。世代を超えた付き合いは刺激的ですよ。若い方と付き合うのは最高におもしろいです。飲み会は9割以上参加しているんじゃないかな。自分ではけっして選ばないようなお店に行くことは実に楽しいですね。
Q.一緒に学んだ仲間も蒲池さんに刺激を受けたんじゃないでしょうか。アプリ開発は始めてだったんですよね?
初めてです。理解するまでに時間がかかることもありましたが、教授の佐藤伸吾さん、キュレーターの田中勇さんが丁寧にフォローしてくれたので途中で諦めずにアプリのリリースまでできました。特に勇気づけられたのは佐藤教授の「アプリ開発は編み物と同じです」という言葉。一つ一つ理解しながら積み上げていけば必ず作ることができるということですね。僕は、理解が遅いのでこの言葉は励みになりました。
Q.それにしても、68歳になっても止まらない蒲池さんの学びへのエネルギーはどこから湧いてくるのですか?
うーん。まだまだやりたいこと、勉強したいことがいっぱいありますよ。だから時間が足りないくらい。若い頃はお金や家族、仕事などやりたいことに対して制約が多すぎますよね。今は、制約が少なくなったなと思うんです。だからこそ、やりきれなかったことをやらねばと思うんですね。
結局52歳までサラリーマンとしてビジネスの世界でがんばってきた、その後もいろいろあった、そしてある種の成功も体験してきたけど、自分の人生はこれでいいのかと思うんですよね。
例えば、この本読みたかったのに読んでない、作りたかったのに作れていないという感覚。アプリ開発について言うと、僕はもともとシステム開発の工程に関わったことはあったんだけど、自分で手を動かしてプログラミングすることはやったことがなかったんです。モノ作りは憧れだったんですよ。そこにこそ本当の知恵があるんじゃないかと思って。
人生で迷いながら進む道を選んだとする。すると、選ばなかった方の道に気持ちを置いてきたままってことないですか? もう一回引き返して取り返しに行きたいと思ってもできるものではない、だけど、やってみたい、ということのような気がします。
僕の人生は学生時代・サラリーマン時代、フリーランス時代、そして今こうして自由大学に通ってみたり。何をしているかと言われそうですが、自分では人生、三毛作、四毛作だと粋がっているのです。
Q.やりたいことを常に追い求めているんですね。サラリーマン時代も?
そうかもしれないな。公認会計士の資格をとったのもサラリーマン時代なんです。営業をやっている時に、お客にはかわいがってもらっていたんですが、何かこのままではいかんなと思ったんですね。資格をとりたいなと図書館に行くと、司法試験のために8年も勉強しているという方がいたんです。ますます、自分も何か勉強しなきゃいかんぞと思い、公認会計士の勉強を始めました。
Q.若い時から学びへの瞬発力があるんですね。これからは何をしましょう?
今は新しいアプリを開発するよりも既にリリースしたアプリをより使いやすくブラッシュアップしたいなと思っています。読みたい本もたくさんあるし。興味が湧いたことには、これからもチャレンジしていきたいです。ええ、睡眠時間を削ってでも。若い友達からエネルギーをもらい続けているので、まだまだ学び続けられると思いますよ。
【取材後記】蒲池さんは、インタビュー中に質問をたくさんしてくれました。知りたいことや新しいことへ自ら向っていく自然な姿勢がとっても印象的。常にワクワクしている気持ちがこちらまで伝わってきて、私がエネルギーをたくさんもらいました。まだまだ、学び続けたいという蒲池さん。私も負けていられないぞ!
(ライター:#鈴木宏美 )
◆蒲池さんリリースのiPhone アプリ◆
「英単語暗記の達人」:ユーザーが勉強のためにスプレッドシートを使って単語帳を、カードにして、iPhoneに載せてしまいます。英単語となっていますが、なんでも、カードにしてしまいます。
「歩くぞ」:万歩計ですが、目標設定とカロリー計算もできる。Apple Watchに対応しています。
「お酒適量」:酒をどれだけ飲むか予定を入れると、アルコールの量、抜ける時間などを教えてくれます。
FLY(フライ)は、自由大学の卒業生が登場するインタビューコーナー。自由大学に通い、新しく見つけた自分の姿。卒業して、踏み出した一歩は小さくても確かな手応えをもって、新しい日常の扉を押し広げます。卒業生が体験した、自分らしい転換期の話をお届けします。