見出し画像

「ウクライナ和平に期待し動くのが遅れた」=プーチン大統領 メルケル氏には「失望」

2022年12月9日, 23:59

https://sputniknews.jp/20221209/14176642.html


ウクライナ情勢の平和的解決に期待したあまり、動くのが遅れた。
ロシアのプーチン大統領が9日、訪問先のキルギスで行われた記者会見でこうした考えを示した。また、「ミンスク合意がウクライナを強くするための時間稼ぎになった」とするアンゲラ・メルケル独元首相の発言については、「失望した」と述べた。

プーチン大統領は、ドイツやフランスの仲介によってロシアとウクライナの間に結ばれたドンバス問題の平和的解決を定めた「ミンスク合意」に触れ、現在のウクライナ情勢について次のように述べている。

「正直に言うと、我々は状況を見定めるのが遅かったようだ。もしかしたら、もっと早く始めるべきだったのかもしれない。我々はミンスク和平合意の枠内で合意できると踏んでいたが、ご覧の有様だ」

一方、メルケル独元首相がこのごろ、独紙のインタビューで「ミンスク合意」について、「ウクライナに時間を与えるために署名され、これによってウクライナは強くなることができた」と発言したことについては、「失望した」と述べている。


「思いがけないことで失望している。メルケル氏の言葉は、ロシアが人々を守るために特殊軍事作戦を始めたことが正しかったことを証明するものだ。欧州諸国でさえどの国も合意を履行しようとせず、ウクライナを兵器で満たそうとしていただけだったということだ」

プーチンは、ミンスク合意の目的はウクライナの「時間稼ぎ」であったというドイツのアンゲラ・メルケル首相の告白を驚くべき失望に思ったが、
それは特別軍事作戦を開始する決定が正しいことを意味するだけだと述べた。「彼らのポイントは、ウクライナに武器を積み込み、敵対行為に備えることだけでした。私たちはそれを見ます。正直なところ、私たちはそれに気づくのが遅すぎたかもしれませんし、おそらくもっと早くこれをすべて始めるべきだったかもしれません」とプーチンは言いました。
彼はウクライナが取引を実施するつもりがないことを知っていたが、
「そのプロセスの他の参加者は正直だと思った。
彼ら(ドイツやフランス)も私たちをだましていたことが判明しました」とロシア大統領は言いました。

一方で、今後の和平交渉については「オープンだ」と述べたものの、交渉相手が誰になるかについては含みをもたせた。

「いずれにせよ最後は話し合いで決着しなくてはならない。今までも言ってきたが、我々は対話の準備があり、オープンだ。だが、誰と話し合うかについては考えさせられている」

ミンスクに関する欺瞞は今や「信頼の問題」を提起しているとプーチンは言い、現在は「ほぼゼロ」であると指摘した。
今の本当の問題は、誰かとの何かについての交渉が可能かどうか、そして最終的な取引を保証するものは何かです、と彼は付け加えました。
「最終的には、話し合いが必要です。私たちは彼らの準備ができています、私は何度もそれを言いました。しかし、それは私たちに、私たちが誰を扱っているのかを考えさせます。」

核先制攻撃の開始について

プーチン大統領によると、米国は長い間、ソビエト連邦に欠けている巡航ミサイルを開発した指揮統制システムに対して「武装解除」攻撃を開始するというドクトリンを持っていた。現在、ロシアは「より近代的でさらに効果的な」極超音速ミサイルを持っているので、「おそらく、安全を確保することになると、アメリカのパートナーの開発とアイデアを採用することを考えるべきです」。
米国のドクトリンは先制核攻撃を想定しているが、ロシアのドクトリンは報復に関するものだとプーチンは説明した。ロシアの早期警報システムがミサイル攻撃を検出した場合、「何百ものミサイルが飛んで、それらを止めることは不可能です」。一部の攻撃ミサイルはロシアを攻撃するだろうが、「敵には何も残らない」と彼は説明した。

ヴィクトル・バウト、ブリトニー・グリナーのようなより多くの交換が可能

ロシアは、ブリトニー・グリナーをヴィクトル・バウトと交換する交渉の成功を、他の主題を米国と話し合うための入り口とは考えていません。交渉は「特定の雰囲気を作り出した」が、彼らの枠組みの中で他の問題は提起されなかった、とプーチンは言った。
彼は、ロシアと米国の治安機関間の接触は「継続しており、実際には決して止まっていない」が、この特定の取引は米国のジョー・バイデン大統領によって開始されたと付け加えた。
「他の交換は可能ですか?はい、すべてが可能です。これは交渉と妥協の探求の結果です。この場合、妥協点が見つかりました」とロシア大統領は言いました。

別の動員の見通しについて

プーチン大統領は、2023年にさらに多くのロシア人が軍に徴兵されるかどうか尋ねられたとき、別の召集は検討されていないと述べた。動員された30万人のうち、これまでに約15万人が配備されましたが、戦闘部隊に所属しているのは77,000人だけで、他の部隊は現在他の任務に従事しています。

「召集された人の半数は戦闘予備軍なのに、なぜ誰かが追加の召集について話すのですか?」プーチンは結論付けた。

ボレルのアフリカのコメントに答える

多くのアフリカ人はおそらくドンバスがどこにいるのか、プーチンが誰であるかを知らないというEU外交政策責任者ジョセップ・ボレルの主張に応えて、ロシア大統領は、大陸は誰がヨーロッパの植民地主義からの解放を助けたのかをよく知っていると述べた。
EUの政治家は「アフリカの人々への愛について話すのをやめ、これらの国々を助け始めるべきだ」とプーチンは述べた。「あなたが話した人々がアフリカがどこにあり、アフリカの人々がどのような状態にあるかを知っていれば、アフリカ諸国での収穫が最終的に依存しているアフリカ大陸へのロシアの食料と肥料の供給とアフリカの何十万人もの人々の飢餓からの救済を妨げることはありません。」

また、プーチン大統領は主要7カ国や欧州連合が導入したロシア産石油に対する上限価格については以下のように述べた。

ロシアは上限価格を導入した国に石油を売らない

上限価格によるロシアの国家財政を心配する必要はない

上限価格はロシアだけでなく、産業全体に影響をもたらす。買い手が価格を決めるような状態になれば、石油産業は崩壊する

上限価格は石油産業の投資不足を招き、最終的には価格の高騰を招く

プーチン大統領の発言直後、欧州の石油価格の指標となるブレントは急上昇し、一時1.8パーセント高の1バレル=77.5ドルの値をつけた。

いいなと思ったら応援しよう!