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7/2制裁されるほど強くなるロシア非米側の金資源本位制

投稿日:2022年 7月 2日(土)12時44分56秒

2022年6月30日  田中 宇 

6月27日からドイツで開かれたG7サミットはロシア敵視のかたまりだった。
G7はウクライナに対して軍事経済両面の支援を恒久化することを誓い、
ロシア産の金地金を輸入禁止にすることや、
ロシアが輸出する石油価格に上限を設けるといったロシア敵視策を決めた。

G7は、ロシアがウクライナからの穀物輸出を阻止して世界を
食糧難に陥らせているという(事実を歪曲した)非難も表明した。
またG7は、中国の一帯一路に対抗する南太平洋地域などでの
インフラ整備計画など、ロシアだけでなく中国をも敵視する姿勢を
打ち出した。

これらの策によって露中が弱体化するのならG7の思惑通りになる。
だが実際は、これらの策で露中が弱体化するどころかますます強くなり、
むしろG7など米国側の方が、石油ガス金地金など資源の不足や高騰に
みまわれ、露中など非米側が「金・資源本位制」を発展させて
台頭することを誘発している。

米国側がロシアを敵視するほど、
BRICSなど非米諸国はロシアを支持して結束する。

(米連銀は、資産の状況を毎週木曜日に発表しているが、
6月に入って3週連続で資産総額が増え続けている。
QT策を続けているなら資産が減らないとおかしい。
来週か再来週にまとめてドカンと削減するのか、
さもなければ連銀はこっそりQTをやめたことになる。

QTを続けると株や債券に入っていた資金が抜けて
大幅下落・金利上昇になる。

暴落を避けたければ連銀はQTをやめるしかない。
QTがどうなるかで、ドルや米金融覇権の今後の延命状態が決まる。
QTを続けたら9月までに金融崩壊が激しくなると指摘されている)

中国インドなど非米諸国は金地金の備蓄を増やしているが、
金地金の「国際価格」は米国側のロンドンやNYで決まる。
非米側と米国側の経済が完全に分離されていく状況が進んでいるため、
非米側の需給状況が米国側の市場に反映されない。

金地金など資源類の価格は「国際市場」という名前の
「米国側市場」で決められている。

資源類の大半はすでに非米側が握っているが、
国際価格の決定は敵方の米国側が決めている。

そこでは米国側を優勢にする目的で価格抑止の金融トリックが
横行しており、石油ガスなどの価格も抑止されている
(石油ガスはすでに高いが、抑止がなければもっと高騰する)。

この状況は今後もしばらく続く。
米国側では、金価格が高騰する前に品薄になって地金が買いにくくなる。

いずれ米国側の金融システムが崩壊すると、資源類の価格抑止も終了し、
非米側が握っている資源類が急騰し、金資源本位制への移行や多極化、
覇権転換が劇的に進む。

それまでの間、金地金は過小評価され続け、地金よりドルがはるかに
優勢に見える状態が続く。
その間に非米諸国の中央銀行が金地金の備蓄を増やす。

欧州の精油所の多くはロシアのウラル原油用に設計されており、
他の産地の石油を精製できない。
ロシアからの石油が止まって困るのは、
G7でロシアの石油を最も買っている欧州だ。

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引用終了 抜粋のみ

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