イスラエルが「独立国家」を望むなら、そうさせよう
2024年03月16日(土) ケイトリン・ジョンストン
https://consortiumnews.com/2024/03/15/if-israel-wants-to-be-an-independent-nation-let-it-be/
イスラエルは完全にアメリカに依存しており、
アメリカの戦争マシンの後ろ盾なしには、
そのノンストップ暴力を維持できないことを知っている、
とケイトリン・ジョンストーンは書いている。
イスラエルによる
ガザでの虐殺的残虐行為によって引き起こされた
広報危機の責任をすべてベンヤミン・ネタニヤフに押し付けようとする
民主党の 奇妙な新戦術の続きとして 、
チャック・シューマー上院院内総務は 木曜日 、
イスラエル首相を非難 し、
イスラエルでの新たな選挙を要求 した。
彼は上院の議場でこう語った:
「イスラエルを生涯支持する者として、私には明らかなことだ:
10月7日以降、ネタニヤフ連立政権は
もはやイスラエルのニーズに合わない。
あれから世界は激変し、イスラエル国民は今、
過去にとらわれた統治ビジョンによって抑圧されている」
とシューマー氏は述べ、
「この重大な局面で、
多くのイスラエル国民が政府のビジョンと方向性に対する信頼を
失っている今、イスラエルの将来について健全で
オープンな意思決定プロセスを可能にする唯一の方法は、
新たな選挙であると信じている」と付け加えた。
これに対し、ネタニヤフ首相のリクード党は、
シューマー氏は「イスラエルの選挙で選ばれた政府を尊重し、
それを弱体化させないことが期待されている」
と憤る声明を発表した。
「イスラエルはバナナ共和国ではなく、
ネタニヤフ首相を選んだ独立した誇り高き民主主義国家である。
「政治的意見の如何にかかわらず、
我々はイスラエルの内政に対する外部からの政治介入に強く反対する。
我々は独立国家であり、バナナ共和国ではない」
とベネット元イスラエル首相は語った。
「テロの脅威が西側に迫っている今、
国際社会がイスラエルの正義の戦争を支援し、
それによって自国も守ることができれば、それが最善でしょう」
とベネットは付け加えた。
西側でテロの脅威が高まっているという主張には何の根拠もないし、
イスラエルによるガザでの大量虐殺が「正義の戦争」だという主張には
何の根拠もない。
また、イスラエルがガザでパレスチナ人を殺すのを助けることで
西側世界が少しでも安全になるという提案には何の根拠もない。
イスラエル右翼が「バナナ共和国」という言葉を繰り返し使うのは、
鋭い指摘であり、また明らかにするものでもある。
この言葉は1904年にO.ヘンリーによって作られたもので、
アメリカ帝国主義者が、
莫大な利益をもたらすトロピカルフルーツの輸出のために、
国民の労働力を強奪価格で搾取するために鉄拳で支配した
中米諸国を表している。
つまり、米国が自国の国境の南にいる
褐色の肌の人々の政務に口を出すのは構わないが、
米国がイスラエルにそれをするのは容認できないということだ。
私たちは、
外交問題評議会(Council on Foreign Relations)が発表した、
悪質なネオコン、エリオット・エイブラムス(Elliott Abrams)による
「戦争中の同盟国に対するシューマーの攻撃
(Schumer's Attack on an Ally at War)」と題する記事で、
この点をさらに明確に指摘した。
エイブラムス氏は、
シューマー氏の穏やかな指弾を
「他の民主主義国家の内政への非良心的な干渉」と呼び、
アメリカの上院議員が内政をコントロールすることで
イスラエルをアメリカの "植民地 "のように扱おうとしている
と主張している。
ほんの数年前まで、
エイブラムスは
トランプ政権下のベネズエラでクーデターを起こそうと
公然と動いていたことを考えると、これは滑稽だ。
もっと言えば、
イスラエルが「独立」国家であるという無茶苦茶な主張にも
注意を払うべきだろう。
イスラエルを独立国家と呼ぶのは、
子宮内の胎児を独立した人間と呼ぶようなものだ。
褥瘡(じょくそう)にならないように
2時間ごとに体位を変えなければならない、
チューブや医療器具で全身を埋め尽くされた病院のベッドにいる人を見て、独立した人間と呼ぶようなものだ。
イスラエルは、国家として可能な限り依存的である。
文字通り、史上最強の帝国であるアメリカと、
その同盟国や資産からなる世界中に広がる
ネットワークの直接的な軍事的後ろ盾なしには存在し得ないのだ。
昨年11月、イツハク・ブリックという元イスラエル少将は、
ユダヤ人ニュース・シンジケートのコラムニストにこう語った、
「ミサイルも弾薬も精密誘導爆弾も飛行機も爆弾も、
すべてアメリカからのものだ。
彼らが水道の蛇口を閉めた瞬間、戦い続けることはできない。
アメリカなしではこの戦争はできないということを、
誰もが理解している。
もう終わりだ。
それは "独立国家 "を語るときの態度ではない。
イスラエルは、
米帝に完全に依存していることを知っている。
だからこそ、米国や英国のような帝国加盟国でのロビー活動に
多大なエネルギーを注いでいるのだ。
イスラエルは、絶え間ない暴力なしには存在できず、
米帝の戦争マシンの後ろ盾なしには、
その絶え間ない暴力を維持することはできない。
イスラエルが
絶え間ない暴力なしに存続できないのは、
それが人工的な国家であり、
住民や近隣住民が深く根ざした生活様式を持っていた既存の文明の上に、
それまでそこに住んだことのない人々によって
支配される新しく作られた民族国家が
突然押しつけられたことで、大混乱に陥ったからである。
[イスラエルの元国防相モシェ・ダヤンは1956年にこう言った:
「われわれは入植者の世代であり、
鉄兜と銃身がなければ、
木を植えることも家を建てることもできないだろう」。]
シオニストはヘブライ語という中東の死語を文字通り復活させ、
それを国語とした。
この異質な合成民族国家は、
そこに住む人々の人間性を無視したまま、
古くから存在した文明に突然押しつけられたものであるため、
このことが起こって以来、
この地域の先住民は、
合わない臓器を体が拒絶するように、
この国家を拒絶し続けてきた。
イスラエルが
イスラエルであり続ける唯一の方法は、
継続的な戦争状態にあることである。
しかし、イスラエルの右翼が
このようなことは何もなかったことにしたいというなら、
それはそれで構わない。
イスラエルが "独立国家 "であることを望むなら、
そうさせればいい。
武器供与をやめ、同盟国であることをやめ、
イエメン、イラク、シリアへの空爆をやめ、
現在の軍事的猛攻撃を助長することをやめ、
情報、訓練、後方支援を提供することをやめ、
この地域でこの国の軍事・諜報機関と連携して活動することをやめ、
この国のロビイストや影響力キャンペーンを
米国内で活動させることをやめ、
この国の残虐行為に外交的な隠れ蓑やマスメディアのシナリオを
提供することをやめる。
そうなった場合、
イスラエルがどの程度自立できるか見てみよう。
もちろん、そうはならないだろう。
米帝の経営者たちは、
中東のような地理戦略的に極めて重要な地域に、
完全に依存した親密な同盟国を持つことで、
世界覇権という自分たちの目的に大きな利益があることを知っている
(だからこそイスラエル・ロビーの存続を許しているのだ)。
しかし、米国とイスラエルが
これほど切っても切れない関係にあるという事実は、
この国が他の国と同じように独立独歩で
自国の問題に取り組んでいる普通の国であるかのように装うことが、
いかにふざけたことであるかを示している。