解熱剤の犠牲者たち
(すごい内容の記事です。幼少のころから高熱を出していたので
こういう記事には関心がある。成人になってからも1年に1回は40度の
熱を出していた。熱が完全に止まったのは滝修行を始めてから。:フランク)
2024年12月31日(火)
インフルエンザ脳症を生み出すもの
現在、日本では、季節性インフルエンザが結構な流行を見せているようで、モデルナ社のリアルタイム流行情報では、
最近の 6年間のシーズンと比較して以下のようになっていまして、確かに(まだ流行が本格化していないということを含めて)
やや異様な流行となっているようです。
季節性インフルエンザ患者数の推移
それと共に、
「インフルエンザ脳症の事例が増加している」
という記事も目にしましたが、
それらは具体的な数字に準拠するものではないですので、
リンクはしません。
しかし、これだけインフルエンザが流行しているのなら、
インフルエンザ脳症も増えていることは想像できます。
インフルエンザ脳症になるのは、基本的には子どもであり、
国立感染症研究所のデータによると、
2023/2024の年齢層は以下のようになっています。
要するに、インフルエンザ脳症は、
子どもがなるものと言っていいかと思います。
さて、では「何がインフルエンザ脳症を誘発するか」。
これについては、2年以上前の以下の記事からの抜粋を交えて
再度繰り返したいと思います。
またもインフルエンザが大流行している時期ですので、
意味はあると思います。
・子どもがみんな解熱剤でやられてしまう
In Deep 2022年8月27日
実際には何より最も重要なことは、
「子どもの熱は 41℃以下などで下げるのは良い選択ではない」
ということがありますが、それはともかく、
日本小児科学会の「インフルエンザ脳炎・脳症における解熱剤の影響について」という文書をお読みいただきます。
注意深く読みますと、ここには、
「脳炎による死亡事例の 80%は解熱剤を服用していた子どもたち」
だということが示されていることにお気づきになるはずです。
この中に、
> 解熱剤を使用していない症例でもインフルエンザ脳炎・脳症は
発症しており、その死亡者が5分の1を占めている
という部分があります。
翻訳すれば、
「解熱剤を使用していないインフルエンザ脳炎の症例は全体の 5分の1、
つまり 20%」
だということになり、
「他のインフルエンザ脳炎の症例はすべて、
解熱剤を使用した子どもたちの事例」
だという解釈となります。
これはどういうことかというと、
「インフルエンザに対して医療介入しなければ、
この 80%のインフルエンザ脳炎の症例はなかった」
ともいえます。
インフルエンザ脳症の内訳は以下となります。
解熱剤ごとによる脳炎での死亡率
(注釈)
・アセトアミノフェン → 商品名カロナール
・ジクロフェナクナトリウム → 商品名ボルタレン
・メフェナム酸 → 商品名ポンタール
また、先ほどのブログ記事では、
インフルエンザでの解熱剤使用についてのレビュー論文を掲載しており、
結論としては、以下のようになっていました。
「解熱剤の投与は、患者の死亡率の上昇に寄与する」
解熱剤を投与すればするほど、患者の死亡率は上がるという結論です。
この論文では、インフルエンザ感染動物における解熱剤の使用によって
死亡率が増加したことが示され、
それは、アスピリン、アセトアミノフェン、ジクロフェナクで、
特にリスクの増加が観察されています。
アセトアミノフェンは、
カロナールとしては日本でも(大した熱でもないのに関わらず)
処方されますが、それは、特に子どもの場合、
「死亡リスクを上げているだけ」
だと親は認識するべきです。
基本的に「熱を下げる」ということには、
ほとんど意味がないことだと知るべきです。
特に、40℃以下のような熱で、小さな子どもに解熱剤を投与することは、
子どもによってはリスクがありすぎます。
インフルエンザ脳症だけではなく、解熱剤は、
「肺炎連鎖球菌の死亡リスク」も高めることが知られています。
論文には以下のようにあります。
ちなみに、この論文には、
> インフルエンザウイルスの熱死点は 40 ~41°C
と書かれていて、つまり、
そこまで熱が上がれば、
自然とインフルエンザウイルスは死んでいく
のです。
それを 40℃にも満たない発熱の時点で解熱剤を与えてしまっては、
「いつまで経ってもインフルエンザウイルスが死なない」
ということで、むしろ発熱した子どもをいじめているのですよ。
人間社会には古代から「発熱恐怖症」というのがあり、
これは今でも払拭されていない……どころか、
昔よりもひどくなっています。
病気を治す最初の手段が発熱だという根本的な考えを
私たちの社会が受け入れるまでは、
現在も続く不毛なインフルエンザ脳症による
子どもの死亡や重大な後遺症が生み出され続けていくだけだと認識します。
国立感染症研究所によれば、毎年、 200人程度の子どもの
インフルエンザ脳症が報告されています。
結構な大量死です。このうちの 80%などの割合が、
解熱剤投与などによる医療介入によるものだったとすれば、
これは「医療に関わらない」という態度で
完全に防ぐことができたものです。
お医者様のほうも、解熱剤でインフルエンザ脳症が起きることは
知っている方が多いでしょうし、
いい加減、微熱で解熱剤を処方するのはやめたらどうでしょうか。
そりゃ確かに、処方した解熱剤で子どもたちが
インフルエンザ脳症になろうが死亡しようが
医師が責任を問われることはないのですけれど、
死のリスクを回避させてあげるというのも医師の役割ではないかと。