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アラブ政府高官: トランプ特使は1回の会談でネタニヤフ首相を動かした。
2025年01月16日(木)
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ドナルド・トランプ次期大統領の中東特使スティーブ・ウィトコフと
会談するベンヤミン・ネタニヤフ首相(左)。
(首相官邸報道官)
緊迫したエルサレムでの会談は、
2日後にイスラエルとハマスが人質取引に基本合意するという画期的な進展をもたらした。
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ベンヤミン・ネタニヤフ首相と
スティーブ・ウィトコフ次期中東特使との「緊迫した」週末の会談は、
人質交渉の突破口になった。
ドナルド・トランプ次期米大統領の最側近は、
1回の会談で、退任したジョー・バイデン大統領が
1年を通して行ったよりも多く首相を動かしたと、
2人のアラブ政府関係者が
火曜日にタイムズ・オブ・イスラエル紙に語った。
ウィトコフは
先週からドーハに滞在し、人質交渉に参加している。
土曜日、ウィトコフはイスラエルに飛び、
首相のエルサレム事務所でネタニヤフ首相と会談した。
会談中、ウィトコフ氏は
ネタニヤフ首相に対し、
合意に必要な重要な妥協を受け入れるよう促したと、
2人のアラブ高官は月曜日、匿名を条件に
タイムズ・オブ・イスラエル紙に語った。
ウィトコフ氏もネタニヤフ首相の事務所も、
コメントの要請には応じなかった。
エルサレム会談から2日後の月曜日夜、
イスラエルとハマスの交渉チームは、
人質取引案を基本的に受け入れたと調停者に通知した。
それ以来、両者は合意の履行に関する詳細を詰める作業を行っている。
まだ確定していない主要な問題のひとつは、
イスラエル軍によるガザ地区からの撤退の正確なパラメーターであり、
調停者たちはイスラエルからの地図提出を待っている状態だと、
アラブ政府関係者は語った。
この2人の高官は、
イスラエルとハマスの間を仲介してきた
アメリカ、カタール、エジプトの共同声明という形で、
水曜か木曜に合意が発表されるだろうと推測している。
火曜日未明、アントニー・ブリンケン米国務長官は、
イスラエルは残りの98人の人質を解放するための取引を受け入れたが、
ハマス側はまだ同じことを行っていないと主張した。
アラブ政府関係者の一人は、
イスラエルとハマスの間で現在まとまりつつある3段階の人質取引は、
昨年5月にイスラエルが提案した案とほぼ同じだと述べた。
アラブ政府高官は、
「合意はもっと早く成立していたはずだが、
双方が様々な場面で話し合いの決裂を招いた」
と述べた。
同高官は、
ハマスだけが停戦の障害になっている
というアメリカの度重なる主張を否定し、
イスラエルも過去数カ月にわたって話し合いを妨害してきたと主張した。
このアラブ政府高官によると、
ネタニヤフ首相は5月に承認した段階的な提案から離れ、
その代わりにイスラエルがガザでの戦闘をすぐに再開できるように、
その提案の第一段階を優先させようとしたという。
アラブ政府関係者によれば、
現在、両当事者は再び段階的な枠組みを支持することに合意し、
おそらく初めてであろう、
同時にそれを実行しようとしている。
協定には3つの段階があるが、第2段階の条件は第1段階が進行するまで交渉されない。
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ティミー・デイビス駐カタール米国大使(左から2人目)と
アントニー・ブリンケン米国務長官が見つめるバーバラ・リーフ米国近東担当国務次官補と
握手するカタールのシェイク・タミー・ビン・ハマド・アル・タニ首長(右)。
(AP写真/マーク・シーフェルバイン、プール)
42日間の第一段階の間に、
残りの女性、子ども、高齢者、重病の人質のうち33人が、
およそ1,000人のパレスチナ人治安維持囚と引き換えに解放される。
イスラエルはガザから部分的に撤退する一方、
毎日600台の人道援助トラックがガザに入るのを助ける。
第2段階は、
残りの生きている人質を解放し、
恒久停戦の宣言で締めくくる。
第3段階は、ハマスが拘束している遺体の解放である。
第1フェーズの16日目には、
交渉チームが第2フェーズの条件に関する協議を開始する。
この協議では、戦後のガザ管理の枠組みにも焦点が当てられる。
バイデン政権はイスラエルに対し、
このような計画を前もって行うよう圧力をかけていた。
そうしなかったり、ハマスに代わる
実行可能な選択肢を進めなかったりすると、
軍事的利益を台無しにする危険があると主張していたのだ。
ネタニヤフ首相は、
ハマスがまだ活動している間は
このような計画は無駄だと主張し、
またガザのテロ集団に代わってヨルダン川西岸を拠点とする
パレスチナ自治政府をアメリカが好むことも拒否した。
これ以上待ちたくないブリンケンは火曜日、演説を行い、
ガザでの「翌日」の青写真を発表した。
バイデン政権は、
10月7日のハマスの猛攻に端を発した戦争が始まって以来、
イスラエルに多大な軍事的支援を与えてきたが、
イスラエルの紛争遂行や交渉の席での行動に影響を与えることに
苦心したこともあった。
ハマスの攻撃後、
数週間にわたってガザ地区を包囲していたネタニヤフ首相を説得し、
ガザ地区への援助を許可させることに成功した
とバイデン関係者は指摘する。
しかし、援助の流れはこの1年を通じて何度も激減し、
すべてのガザ市民が食糧不安に直面している
とブリンケンは主張している。
ハマスの攻撃後、
数週間にわたってガザ地区を包囲していたネタニヤフ首相を説得し、
ガザ地区への援助を許可させることに成功した
とバイデン関係者は指摘する。
しかし、援助の流れはこの1年を通じて何度も激減し、
すべてのガザ市民が食糧不安に直面している
とブリンケンは主張している。
昨年春、アメリカはイスラエルに対し、
100万人以上のパレスチナ人が避難しているガザ最南端の都市ラファに
「衝突」しないよう強く働きかけた。
バイデンは5月、
イスラエルがラファで2000ポンドの爆弾を使用し、
多数の民間人に犠牲者が出ることを懸念し、
2000ポンドの爆弾の出荷を保留する決定を発表した。
ハマスの指導者であり、
10月7日の首謀者であったヤヤ・シンワールの殺害や、
ガザとエジプトの国境沿いの密輸トンネルの破壊を含む、
その後の攻撃でラファの大部分が平坦化された。
イスラエルへの同様の重爆弾の納入は他にも進んでおり、
いまだ保留されている2,000ポンド爆弾の出荷が、
より象徴的な措置であることを示している。
仲介国の1つであるアラブ諸国の3人目の政府関係者は、
選挙期間中の国内政治的反発を懸念して、
バイデンがイスラエルに公的圧力をかけなかったと主張した。
彼は、8月にブリンケンがネタニヤフ首相と会談した際、
同長官がイスラエル首相が人質取引に関する
米国の橋渡し提案を受け入れた
と発表したことを指摘した。
ネタニヤフ首相もまた、
アメリカのつなぎ提案を受け入れたと発表した。
このアラブ政府関係者は、
イスラエルの交渉チームのメンバーとともに、
『タイムズ・オブ・イスラエル』紙に、
これは会議で展開されたこととは明らかに違っており、
ブリンケン氏の発言は、最終的に決裂した
その交渉のラウンドに大きな混乱をもたらしたと語った。
ブリンケン氏は今月初め、
『ニューヨーク・タイムズ』紙に、
ハマスがアメリカとイスラエルの間に日照りがあることに気づくと、
交渉の席で立場を硬化させる傾向があると語り、
ワシントンがこれ以上交渉に悪影響を与えないよう、
合意の欠如について公にネタニヤフ首相を
非難することを控えたことを示唆した。
第一段階に「避難民のガザ地区での居住地への帰還」が含まれる。
ネタニヤフが最後まで反対した部分。
すなわち、この合意によりガザをイスラエルに併合することが否定された。 シオニストの歴史的敗戦!(藤原直哉氏)
米国、カタール、エジプトが
イスラエルとハマスの取引の保証人となっている。
国務省のマシュー・ミラー報道局長は、
ワシントンがイスラエルを「テーブルに着き、
第一段階から第二段階へ移行するよう」後押しすると述べた。
アルジャジーラ:イスラエルはガザ国境まで700メートル後退する
同テレビ局によると、
これはハマスとの合意履行の第一段階で起こることである