足跡 #2
2023.6
まずは現状の問題を整理することにしました。
①コンペ募集時に予定していた敷地が使えない
②パーツの切削方法が精度を要した両面加工である
③組み立てる仕組みはあるが、実際の施工方法は未定
④購入してからずっと放置されていた木材は半分が"割れ"をおこしていて使えない
最も大きな問題である ①については、
管理者が誰なのか、とか
そもそも新庄村ってどこまで広いのか、など
新参者の私には何も分からなかったので、そういうことに(おそらく)村一番詳しい上司に任せることにしました。
②がなぜ問題なのかというと、
まず「アシアト」の家型は2枚の板を半分にカットして合計4つのパーツからつくられています。
その板をきっちり半分こ出来ないと接合部分がうまく噛み合わないわけなんですが、使用する板は完成パーツに対して余白がないので両面加工をするために表裏を返した時、アナログで位置を合わせる必要がありました。
(作業内容が伝わりづらいんですが、要は精度の高いものを製作するとき、人の手や目で合わせたものは大方ズレが生じるということです)
"辛さ"だけ伝えたいので詳細は省きますが、板のサイズはまちまち、切削の遊びはほぼつくれない、それが150枚ある…。それで精度を上げることは本当に大変なんです。
ほぼ1ヶ月かけてデータの整理と切削時の遊び(余白)、切削手順を決定しました。
③は今考えてもしょうがないなと思い一旦無視。あとで考えることに。
④については、とりあえず以前購入した材木店へ連絡。材は積み上がっていて一枚一枚確認できなかったので、見えている分だけ追加枚数の見積もりをお願いすることにしました。
かえってきた見積書を見て、私はこう呟いたのです。
(やっぱ木材って、結構いい値段するなぁ…)