フリーランスの「値付け」に必要な5つのロジック
フルスタックマーケティング株式会社の代表取締役CEO・清水優志です。
僕は新卒3年目でフリーランスになり、2019年12月〜2023年6月までの約3年半の間、フリーランスのWebマーケターとして仕事をしてきました。
この約6年の間に、会社員 → フリーランス → CEO という3つのキャリアを経験したので、法人化という節目にあたってフリーランス時代を振り返りなが
らnoteを書いています。
フリーランスには「値付け」の自由がある
フリーランスには様々な自由があります。
時間の使い方、仕事の仕方、働く場所、報酬形態、出社の有無などなど…。
自分で決めなければいけない、という責任も伴いますが、それが苦でない人にとってはとても快適な働き方です。
そんなフリーランスが必ず向き合わなければならない「自由」のひとつが、この「値付け」です。
「値付け」というのは、要するに「自分の時間や成果物をいくらで買ってもらうか」ということです。
契約の仕方によって値付けのロジックは異なりますが、概ね以下の5つのロジックのいずれかを選択します。
時間単価制
納品報酬制
成果報酬制
定率報酬制
定額報酬制
時間単価制
稼働時間や稼働日数に対して、報酬を支払ってもらうロジックです。
マーケティングやデータ分析では「1時間あたり」、デザインやシステム開発では「人日あたり」など、よく利用する単位は業種によって異なったりもしますが、いずれにしても「これだけ働いたので、これだけお金をください」という仕組みです。
メリット
時間単価制のメリットは、成果の大小に関わらず報酬がもらえることです。
特に自分のできることや得意なことが明確でない場合や、その案件を通じた成果物を明確に定義できていない場合に有効です。
デメリット
時間単価制のデメリットは、成果が大きくても報酬に反映されないことと、自分が捻出できる労働時間に応じて報酬の上限が決まってしまうことです。
納品報酬制
納品物に対して、報酬を支払ってもらうロジックです。
一般的に「請負契約」と呼ばれる、成果物責任を伴う契約を締結することが多いです。納品物が明確なデザインやシステム開発のタスクで利用されます。
メリット
納品報酬制のメリットは、稼働開始時点で報酬金額と支払い日が確定することです。キャッシュフローを安定させやすく、堅実なビジネスができます。
デメリット
納品報酬制のデメリットは、自分の見積もりが甘く工数が膨らんだ場合には、割に合わない金額でも納品せざるを得ないことです。
成果報酬制
成果に対して、報酬を支払ってもらうロジックです。
「成果」の定義は案件によって様々ですが、基本的には「獲得」「受注」「売上」など、企業の営業活動にダイレクトに紐づく成果指標に基づいて報酬が発生することがほとんどでしょう。
メリット
成果報酬制のメリットは、成果さえ出ていれば報酬が得られるため、稼働対報酬が非常に高くなる可能性があることです。
また、契約形態によっては業務遂行自体も自由であったり、業務時間に縛りがないなど、自由度の高い契約を締結することもできます。
デメリット
成果報酬制のデメリットは、成果が出なければ報酬が発生しないことです。契約時点では想定できないようなリスクや付帯業務が発生する可能性もある点にも注意が必要です。
定率報酬制
成果以外の何らかの指標に対して、決まった割合で報酬を支払ってもらうロジックです。
マーケティングでは広告運用でよく見られる値付けの方法で、例えば「広告運用額の15%をいただきます」といった計算の仕方をします。
メリット
定率制のメリットは、取り決めた指標を増やすことさえできれば、多大な報酬を得られる可能性があることです。
例えば「広告運用額の15%をいただきます」という契約の場合、「広告運用額」は人的リソースに依存せずに金額を増やすことができるため、非常にレバレッジを効かせる(コストを抑えて高い売上をあげる)ことができます。
デメリット
定率制のデメリットは、成果ではない指標に対して報酬を要求することになるので、その指標と成果が連動していなければクライアント満足度が低下してしまうことです。
定額報酬制
稼働時間や納品物、成果に関わらず、定額で報酬を支払ってもらうロジックで、顧問業やコンサルティング業などでよく見られます。
メリット
定額制のメリットは、役務提供の仕方次第では、ほとんど稼働せず多額の報酬を得られるようなケースもあることです。また、定額報酬なのでキャッシュフローも安定します。
そもそも定額制は「業務」ではなくその人しか持ち合わせていない「知識」「経験」「人脈」「信頼」などに対してお金を払うものなので、稼働せずともクライアント満足度を高めることもできます。
デメリット
定額制のデメリットは、独自性の高い価値を提供し続けられなければ、契約も長続きしないことです。
定額報酬制の場合、時間単価制や成果報酬制に換算すると、クライアント目線では割高な契約になっていることが多いため、それでも納得できるような価値を感じられない場合、解約になってしまうでしょう。
まとめ
時間単価制
納品報酬制
成果報酬制
定率報酬制
定額報酬制
以上の5つの「値付け」ロジックについて解説しました。
もしあなたがフリーランスになることを検討していたり、現在フリーランスで値付けについて悩んでいる場合、このnoteが役に立ったら嬉しいです。
僕は今はフルスタックマーケティング株式会社の代表取締役CEOをやっています。ぜひ自己紹介noteも読んでみてください。