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あと5日で廃止になる路線バスに乗ってきた

我々の身近な場所で走っている路線バス。通学や通勤、お出かけなどで利用する方もいるかと思われます。

しかし、近年では運転士不足、労働環境の見直しに伴い、なくなってしまうバス路線も少なくありません。わが地元、静岡でもその影を落とし始めています。

2024年10月1日、しずてつジャストラインはダイヤ改定と運賃改定を実施します。運賃の値上げ、一部路線の時刻表の変更と国道東静岡清水線、梅ヶ谷蜂ヶ谷線特214系統、デマンドりゅうそう号の運行終了が発表されました。

今回は運行終了が決まった路線の一つである国道東静岡清水線に惜別の気持ちを込めて乗車してきたので、乗車レポっぽくまとめていこうかと思います。


国道東静岡清水線について


まず簡単に路線の概要から説明していきます。

国道東静岡清水線はJR清水駅からひたすら国道1号線をなぞり、草薙駅北口を経由し東静岡駅北口までを結ぶ路線です。しずてつジャストラインが路線免許を有しています。
かつては三保静岡線として清水区の三保車庫から静岡駅、もっと遡れば国道本線として袋井から興津を結ぶとても長い路線だったそうですが、分割と路線規模縮小を繰り返し、最終的に現在の姿になったそうです。

2020年の路線系統図
(現在は清水税務署バス停が江尻東バス停へと変更されている)

現在では一時間に一本、平日にのみ運行がされています。路線が開設された当初はJR草薙駅への乗り入れはありませんでしたが、2016年に南北自由通路の共用が開始し、2018年に北口ロータリーが完成したため、2018年10月から草薙駅北口を経由するようになりました。西久保営業所の単独管轄で、パルちゃんのステッカーが貼られた車両が使用されます。
(ほぼWikipediaからの引用です、無能なので勘弁してください)

1時間に1本。

乗車


清水駅西口のバスターミナルへやってきました。国道東静岡清水線のバスは一番のりばから。
13:24発の東静岡駅北口行きを待ちます。

まばらに人が並んでいます。あまり利用者は多くなさそうです。

しかし、少ない利用者の中には長く使い続けている方もいるようです。
実は朝に清水駅→吉川の区間運用に乗ってきたのですが、車内で学生が「バスがなくなっちゃうんで…これからは電車通学ですかね」と会話しているのを小耳に挟みました。「先輩はどうですか?僕はちょっと寂しいです。何はともあれ、今日も頑張りましょう。」

盗み聞きしている分際でおこがましいとは思うのですが、勝手に(なんて真っ直ぐで良い子なんだろう…)と心の中で感嘆しました。この素直さを大人になっても忘れないで欲しいです。←マジで何様?

さて、乗車するバスがやってきました。
ドアが開き、数人が乗り込みます。

運行終了の案内

30分弱の短い旅が始まります。

バスの中から見える景色

清水駅から乗り込んだのは私含めて5人ほど。
あまり多くはありません。
扉を閉め、車両がゆっくりと動き始めました。

大手町を通過し、江尻大和の交差点を左折。いよいよ国道東静岡清水線の単独区間に入ります。

クミアイ化学工業製剤研究所

渋川保健センター入口バス停、クミアイ化学前バス停を通過。ここから施設の名前が付いたバス停が続きます。

小糸製作所静岡工場

小糸前バス停を通過。朝に乗った区間運用はこの次の吉川が終点。その時はほとんどの方がここで降車されました。

小糸前バス停と福丸小糸(2024年3月撮影)

その後、新長崎バス停で1人降車されました。

草薙駅北口ロータリー

草薙駅北口に到着。ここでまた1人降りられました。ここから草薙瀬名新田線という路線が伸びています。草薙東バス停、中之郷交差点まで並行することになります。

プラザアピア

草薙アピアの前を通過。草薙駅からしきりにプラザアピアの宣伝放送が流れていましたが、他の路線でも聞けるのでしょうか?ちなみに草薙アピアは中吉田バス停が最寄りですが、廃止されてしまうのでここにアクセスするには県立美術館駅から歩いて来なければなりません。

静鉄電車の高架橋に背を向ける

静岡鉄道の高架橋をくぐるといよいよ東静岡のタワーマンション群が見えてきます。国道古庄、長沼を通過すると終点の東静岡駅北口です。
終点まで乗ったのは私含めて3人。並行する東海道線を使えば10分で到着し運賃も200円ほどで済みますが、こちらは30分弱、運賃が倍の400円かかりました。

下車

終点に着きました。このバスはこの後そのまま清水駅行きとして運行されるようです。

この東静岡駅北口バス停、国道東静岡清水線が運行終了する9/30以降は定期運行される路線バスが来なくなります。高速バスと送迎の用途のみで使われるようになるでしょう。

東静岡駅は平成10年に開業して以来、駅周辺の開発は留まる事を知りません。グランシップが建てられ、タワーマンションが乱立し、南口には大きなパチンコ屋、北口にはマークイズがあるにも関わらず、まだ図書館やスタジアムを作る計画があるようです。このように目まぐるしく発展を遂げる裏で、姿を消すものもあります。その一つがこの国道東静岡清水線です。

三保静岡線の時代から数えれば25年、国道本線の時代から数えれば75年。長い年月を経て愛されてきた路線がいよいよ歴史の幕を閉じようとしています。最後まで頑張って欲しいと思います。


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