Ⅰ-5.無観客試合を想像する【2020年無観客大会一覧あり】

訪問ありがとうございます。フィギュアスケートを考えるnoteです。

7月1日ですね。2020/21シーズン開幕おめでとうございます!

この記事は、今季開催される『無観客試合』を想像する記事です。たいしたこと言ってない。

大会一覧・参照:令和2年度事業計画|日本スケート連盟(2020.06.25付)


無観客開催される大会一覧

上の記者さんツイート及び連盟プレスから、無観客開催になる日程・会場をまとめました。

ブロック
9/24-27:中四国九州(岡山国際)
9/25-27:中部(邦和)
10/1-4:近畿(臨海)
10/1-4:関東(笠松)
10/8-11:東北・北海道(MGC新潟)
10/8-11:東京(東伏見)
10/23-25:第24回全日本ノービス(ALSOKぐんま)

この前・中・後に、9/16-19のJGP日本(新横浜)10/17-18の学生東(ALSOK)、10/23-25の学生西(臨海)が入ってきます。

また、10月までの大会を無観客とするのであれば、10/29-11/1の西日本Sr&Jr(京都アクア)も無関係ではありません。そうなると11月、つまり11/5-8の東日本(小瀬)も、はたまた全Jr11/21-23(八戸)も…と言い出していくとキリがありません。

こればかりは今後の情勢次第です。細かく記者さんほかのお知らせを待ちましょう。


ブロック大会・東西大会の免除制度

さてここで、選手達がスケートの大会にどう参加しているのかが初心者時にわかりにくかったので、備忘録も兼ねて免除制度についてメモ。

※間違いがありましたらご指摘くださいm(_ _)m

地区ごとに行う予選、ブロック大会。

選手達はブロック大会→東西大会→全日本選手権と勝ち上がり、全日本で好成績をおさめることを前提条件にシーズン終盤の国際選手権(四大陸選手権、各世界選手権、五輪など)に選出される仕組みになっています。国際大会に出たければ国内大会で好演しなければいけません。

また、全日本の結果は翌シーズンにも関係していて、翌シーズンの地方戦(※便宜上予選と言います)免除になる条件も上に同じく全日本で好成績をおさめること。具体的に言えば、全日本で台乗りすれば翌年の予選は免除になります。

しかし、全日本で台乗りしていなかった選手の姿がブロック・東西に見えない時があります。これは、シーズン序中盤の国際大会に派遣された選手のための免除制度。

ISUチャレンジャーシリーズ(CS)・ISUグランプリシリーズ(GPS)。

これらに派遣された選手は、各国内予選と日程が被っていた場合は国際大会の方を優先され、予選は自動通過=免除となります。

CSは日本スケート連盟が派遣先を決定・発表しますが、GPSは国際スケート連盟が派遣先を決定・発表しています。特に、シニアGPSの派遣先が決められることをアサイン(=割り当て)と言い、全6試合分が一気に公表されるのが常です。

アサイン発表はシーズン序盤で“スケオタ”が盛り上がるイベントのひとつ。

アサインと派遣発表が出揃うと、ブロック&東西の顔ぶれがわかります。更にGPSにアサインされることで強化選手に変動があったりするなど、紙上に兵を談ずるに足るだけの情報が得られるんですね。


2020年内の国際スケート連盟主催大会・開催可否状況

今季、ISUグランプリシリーズは大会開催12週間前までに、ジュニアグランプリシリーズは10週間前までに開催可否を最終決定することになっています。(2020.4.30 ISU Communication No. 2320

既にJGP①・8/26-29(カナダ・リッチモンド)は5.26付で開催中止が決定。JGP②・9/2-5(スロバキア・コシツェ)も5.16付で開催中止決定。もともと第3戦だった横浜が繰り上がりの第2戦となるなど、改めて開催国等が設定し直されました。(2020.6.18 Communication No. 2332

7/3午後6時追記)7/3付で、9/16-19のJGP横浜(第2戦予定)開催中止がISUに伝えられました。Newsフォローアップが決まり次第ISUページに掲載されます。

チャレンジャーシリーズにも既に中止が決定しているものがあります。(上記5.16付リンク内でスロバキア連盟は9/23-26のネペラ記念を中止する旨をすでに決定しています)

NBCによれば、9/9-13のアジアンオープン(北京)も中止だそうです。

そもそも、チャレンジャーシリーズで例年ひらかれていたアメリカのU.S.国際・イタリアのロンバルディア杯は今年は開催の名乗りすらあげていません。

情勢的に、今年はISU公認の国際大会が予定通りにすべて開催できるのか…。例年に比べるとかなり弾力的な運営になるのではないでしょうか?

上記NBCの報道に拠れば、例年6月に発表されているアサインは8月発表になるとのこと。

そのため、今年は、2019年全日本フィギュアスケート選手権で4位以下だった選手はブロック大会→東西大会に出場する準備をしている可能性も高いのではないかと思われます。

昨シーズン末からそうでしたが、選手達にとってはイレギュラーの多い大変なシーズンになりそうですね。


ブロック大会の会場キャパ

2019年全日本4位以下の選手がブロック大会に全員出ると仮定しましょう。

…明らかに…観戦席をフルで開けてもキャパが足りませんよね…。

男女シングルとも今回は地方が上手くバラけていると思われるので、中四国九州・中部・近畿・関東・東北北海道・東京、どこだとしても席を開けば人は集められる…集まってしまうでしょう。

ならいっそ無観客の方が『密』は避けられます。リンク営業時のような観覧席になれば『密』ではあり得ませんよね。笑


ブロック大会の放送・報道の可能性

2シーズン前、髙橋大輔選手がシングル選手に復帰した2018年。

近畿ブロック大会を番組として放送してもらえる機会がありました。(有料放送だったかな?)その後、西日本大会も放送されました。

あの時はありがたいのと同時に「放送できるんじゃん!」と思ったことを覚えています。

地上波でブロック→東西を放送することはおそらく不可能でしょうから、FODなど、既存システムを使って放送・アーカイブ化されてくれると嬉しいですね。

こちらは大会とは違いますが)2020年春、コロナ禍のなか開催された第2回 明治×法政 on ICEエキシビションは、youtubeのチャンネル(LIVE機能)を使って配信され、リアルタイムで閲覧者同士チャットをすることが可能でした。同時期の神宮アイスメッセンジャーズが行った2020世界選手権壮行の演技披露会はInstagramのライブ機能を使って配信され、同じくチャットが可能でした。
註:MHOI、神宮IM壮行会は彼らが主体した配信で、アーカイブもないものでした。フィギュアスケート演技を放送・録画配信するためには音楽の権利者許可等、面倒な手続きが発生するはずですが、youtubeもInstagramもそのあたりをそれなりにカバーできるSNSのはずなので「考えてるなあ」と思った記憶があります。

報道について。

それぞれの大会には特設ページがあるため、オンラインリザルトをリアルタイム更新&チェックするのは通常通り可能でしょう。

また、ブロック以外の夏季大会でもジャッジズディテールのオンライン化など様々な対策が講じられているようです。通常はオンリザのできない大会もオンリザできるかもしれません。その点は今季のいいところになるかもしれないですね。


無観客試合で想像する、観客入り試合との違い

無観客の演技でなによりも違うのは声援の有無でしょう。

フィギュアスケート選手は声援や拍手を力に変える人も多いと聞きます。そういう選手にとっては張り合いのない試合会場になるかもしれません。

また、大会当日に直でもらえる手紙やプレゼントもなくなります。プレゼント等を励みにしているという選手には残念なことかもしれません。

ですが、大変失礼なことなのですが、ブロック大会ってもともと観客が大入りするような試合だったのでしょうか? 見ている人は全員身内のような大会だったのではないでしょうか?(憶測ですが)

その時代に戻ると考えたら良いのではないかと個人的には思います。昔と今の違いを話す、現役選手と引退選手の世代間交流のきっかけにもなりそうです。


観客が入る大会の運営、ウイルスの特性

フィギュアスケートというのは大会参加資格を持つ選手が少ないマイナースポーツ。それは昔も今も変わっていないと感じます。

いくら裾野が増えているとしても大会に出場できる選手は一握り。ブロック大会が6度開催に収まるくらいまで競技人数が振り落とされてしまう。

競技人数が少ないとどうなるでしょう? 参加費の総額が少なくなり大会運営費が少なくなります。

そんな低予算のなかで観客を受け入れれば、緊急時の安全確保のための導線確保が必要になり計画立てが必要になる。警備の人件費も必要になる。ではチケットを販売して採算を取ればいいかといえば、チケット販売をする場合は各種権利元への許可申請が必要。

観客入れは運営面ではいいところがあまりないんじゃないかと個人的に思っています。

なにより、今季無観客で大会を開催する原因は新型コロナウイルス感染症対策のため。

ウィルスというのは目に見えません。非常に細かい非細胞性生物です。低温&低湿で空中飛散量が増すと言われています。

リンクの通常 温/湿度(10℃/50%前後)では、湿度条件は悪くないものの、低温のために感染リスクは屋外よりも高まるでしょう。

目に見えないものから関係者の身を守るためできることは何かと考えると、手っ取り早く実行できて効果も高いのが無観客なのではないでしょうか。


声援を遠隔操作で届ける仕組み

韓国のKリーグ、日本のJリーグ。どちらもサッカーの国内リーグ戦。今年開幕したそれらで一部導入されているシステムがスピーカー越しの応援です。

ここまでして声援を届けるべきなのか、今はまだトライの段階でしょう。

フィギュアスケートでも同じように、スピーカーを通してでも声援を届けるべきなのでしょうか?

自分としては、フィギュアスケートは楽曲に合わせることが採点結果にもつながる競技なので、音楽以外の雑音であるスピーカー声援は不要どころか邪魔になると考えます。

ただ、前にも書いた通り、声援がモチベーションになると語る選手もいます。ムーブメントに合った手拍子が会場を盛り上げる場合もあるでしょう。

それでも、今はまだ、声援を控えるべき時なのではないかなと思います。


まとめ

個人的に思う無観客試合についてまとめ。

・感染リスク、大会運営を考えると最良の判断だと思う

・オンリザ充実たのむよ

・元々静かに応援するべき競技だと思うので声援もしばらく不要なのでは

・世界ランク上位の選手が出てくる可能性も高いのでどうにか放送してほしい(視聴率取れるっしょ~)

・とにかく関係者の健康第一

情勢が一刻も早く落ち着くことを祈りたいですね。


最後までご覧いただきありがとうございました。 YC


今回参考にしたWebサイト

日本スケート連盟 https://skatingjapan.or.jp/

国際スケート連盟 https://www.isu.org/

福生映像研究所|Twitter https://twitter.com/fussaeizo (リンクの平均温/湿度参考元)


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