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EIGRPとは?OSPF/RIPとの違いを解説

10G/25G/100G スイッチングハブ

 IGP(Interior Gateway Protocol)という内部ゲートウェイプロトコルでは三つの計算手法が活用されている。
 それぞれは、ホップ数(通信経路上に存在する転送・中継設備の数)重視のディスタンスベクター(RIP)、コスト値重視のリンクステート(OSPF)、そして距離と方向の複合値を重視するハイブリット(EIGRP)である。

関連記事:OSFPとRIP、異なる計算方式による経路制御

ハイブリット型ルーティングの代表であるEIGRPとは

 EIGRP(Enhanced Interior Gateway Routing Protocol)とは、複合メトリックを採用して最適ルートを選出するルーティングプロトコルである。
 シスコ独自のプロトコルとして、OSPFのコスト値やRIPのホップ数とは違い、複合メトリックは遅延(Delay)、帯域幅(Bandwidth)、信頼性(Reliability)、負荷(Load)という五つの要素から算出される。
 :メトリックとは、発信源から通信相手までのパスの距離ということである。

S5860-20SQ(20x10Gb SFP+、4x25Gb SFP28)|164,697円
10G SFP+モジュール|2,060円

EIGRPの仕組みについて

 EIGRPはOSPFと同じくネイバー関係の締結が必要である。ネイバー関係
の確定により、経路情報のやいとり、パケット通信、構成の変更に伴う通知などの情報交換が実行できるようになる。

EIGRPの仕組みについて
S5860-24XB-U(24x10G BASE-T、4x10Gb SFP+、4x25Gb SFP28)

Helloパケットによるネイバー関係の確立

 通信相手(ネイバールーター)とのHelloパケット通信をやり取ることで、ネイバー関係を確立する。ちなみに、Helloパケットを定期的にやり取りし、ネイバー関係を維持する必要もある。
 従って、隣接ルーターは自身のネイバーテーブルに保存される。

Helloパケットによるネイバー関係の確立
S3150-8T2FP(8xPoE+、2x1Gb SFP)|23,587円

Updateパケットによるルート情報の更新

 ネイバー関係の構築を踏まえて、隣接ルーター同士は互いに自分が保有しているルート情報を開示し合う。その通信やり取りによって、同じAS内のすべてのルーターは同一のトポロジーマップを共有するようになる。すべてのルート情報はルーターのトポロジーテーブルに保存される。
 そのルート情報の中に、各ルートの複合メトリック(パスの距離)が含まれいる。

Updateパケットによるルート情報の更新
100G QSFP28光モジュール|10,197円

DUALアルゴリズムに基づく最適ルートの選出

 通信やり取りをする度に、既存のトポロジーテーブルから最適ルートを選出する。その選出方法はEIGRPのDUALアルゴリズムを活用し、各ルートの複合メトリックを計算して、メトリックの最も小さい経路を選ぶ。


EIGRPのメトリック計算

EIGRPは五つの要素から算出された:帯域幅(BW)、信頼性(RELIABILITY)、MTUサイズ、負荷(LOAD)、遅延(DLY)。

8xPoE+ポート @130W、2x1Gb SFPアップリンク付き
  • EIGRPメトリックの計算式:
    メトリック=[K1*BW + K2*BW / (256-LOAD) + K3*DLY] * 256

 さらに、五つの要素に対して、重要性の度合いを示す係数をそれぞれの要素にかける。EIGRPの場合、係数K1=K3=1係数K2=K4=K5=0になる。

  • すると、デフォルトのEIGRPメトリックの計算式:
    メトリック=(BW+DLY)* 256

BW = (10の7乗)/経路上の最小の帯域幅
DLY = 経路上の累積遅延/10

帯域幅:Show intでは「BW 100000Kbps」と表示される
遅延:Show intでは「DLY 100μsec」と表示される

S5860-20SQ(20x10Gb SFP+、4x25Gb SFP28)|164,697円

 注意すべきなのは、ここの帯域幅が経路上の最小値を取る。そして、遅延は宛先までパス全体の累積値を利用する。
 
例えば、同じ経路上に100Mbpsと1000Mbpsの帯域幅が同時に存在すれば、100Mbpsを利用する。
 帯域幅1000Mbps、遅延3000μsの場合、該当ルートのEIGRPメトリックは:[10000000/100000 + 3000/10] * 256=102400


OSFPとは?その動作・仕組みについて

OSPF(Open Shortest Path First)とは、ディスタンスベクター型ルーティングプロトコルの代表であり、通信経路のコスト値で最適ルートを決めるという経路制御の方式である。

S5860-20SQ(20x10Gb SFP+、4x25Gb SFP28)|164,697円
関連記事:OSPFとBGP、それぞれの違いを解説

SPF(コスト値)アルゴリズムによる経路制御

SPFとは、Shortest Path Firstの略で、宛先までのコスト合計値を計算した上で最適ルート(コストの合計値が最も低いルート)を決めるアルゴリズムである。

S5860-24XB-U(24x10G BASE-T、4x10Gb SFP+、4x25Gb SFP28)
コスト値の計算式
10G SFP+モジュール|2,060円

 コスト値の算出は上記の公式に示す通り、10Mbpsのコスト値が10、1Gbps(1000Mbps)のコスト値が1と見なす。

SPF(コスト値)アルゴリズムによる経路制御
S5860-24XB-U(24x10G BASE-T、4x10Gb SFP+、4x25Gb SFP28)

 ルーターAのコスト合計値が4、ルートBのコスト合計値が11。ルートAを最適ルートだと見なす。
 また、すべてのリンクが1Gbpsの場合、各ルートのコスト合計値は宛先によって異なる。ルーターAのコスト合計値が4、ルートBのコスト合計値が2。ルートBを最適ルートだと見なす。

10G SFP+モジュール|2,060円

OSPFエリア

 OSPFエリアとは、同じトポロジマップ(LSDB)を持つルーターのグループであり、ネットワークの細分化による通信の効率化を実現した。
 LSAとは、Link State Advertisementの略で、OSFPルーターの持つ自分に関する情報(ルーターID、リンク数、コストなどのインターフェース情報)が含まれている。
 LSDB(Link State Database)とは、LSAを収納するトポロジテーブルであり、ネットワーク全体の構造いわゆるトロポジマップを反映するデータベースである。

OSPFエリア

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