IGPとEGP、ダイナミック・ルーティングについて
ダイナミック vs スタティック・ルーティング
経路情報の管理に当たって、「スタティック・ルーティング」と「ダイナミック・ルーティング」という2種類の管理手法が存在する。
IGP vs EGP
ダイナミック・ルーティングには、IGP(Interior Gateway Protocol)という内部ゲートウェイプロトコルと、EGP(Exterior Gateway Protocol)という外部ゲートウェイプロトコルの2種類がある。
共通ポロシーいわゆるAS(Autonomous System:自律システム、下記ASと呼ぶ)により、ネットワークの内外部が隔てられる。ASとは、ネットワークの構成単位であり、同一の経路制御ポリシーを共有するネットワークとして認識される。例えば、企業、独立機関、学校構内などといったネットワークの集合体が存在する。
ASの集合体であるインターネットにおいて、AS間の通信を実現するために、日本ではJPNIC(一般社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター)がAS識別番号の割り当てを行う。
IGPの分類について
異なるルーティングのアルゴリズムにより、現在では三つの計算手法が活用されている。それぞれは、ホップ数(通信経路上に存在する転送・中継設備の数)重視のディスタンスベクター(OSPF)、コスト値重視のリンクステート(RIP)、そして距離と方向の複合値を重視するハイブリット(EIGRP)である。
ディスタンスベクター型
ディスタンス(Distance:距離)とベクター(Vector:方向)、いわゆる通信方向・距離を考慮した上で、ホップ数の最も少ないルートを選ぶ。ディスタンスベクター型ルーティイングとは、AS内のネットワーク構造を見渡り、宛先までの最適ルートをホップ数で決めるというプロトコルである。
リンクステート型
リンク型ステート型ルーティイングとは、ルーター同士間の通信において、LSA(Link State Advertisement)という「自分についてのネットワーク情報」のやり取りを通じて、ネットワーク全体を把握し最適の通信ルートを決めるというプロトコルである。
SPF(Shortest Path First)アルゴリズムでは、発信源のルーターから宛先までのコスト値が計算される。それに基づいて、宛先ネットワークまでの最短ルート(コスト値の合計が最も小さいルート)を選出する。
上記の公式通りに計算すれば、10Mbpsのコスト値が10、1Gbps(1000Mbps)のコスト値が1と見なす。
ハイブリット型
ハイブリット型ルーティングとは、つまり、上記の2種類の機能を組み合わせたアルゴリズムを用いたプロトコルである。その中に、帯域幅、遅延、信頼性、負荷、MTU(Maximum Transmission Unit:一回に送信できる最大のデータサイズ)の五つの要素から、メトリックいわゆる最適なルートを算出する。代表例:EIGRP(Cisco独自のルーティングプロトコル)。
三つのルーティングアルゴリズムの比較
上記の三つの種類を比較すると:
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