125ccのバイクで日本一周【27日目】 北海道千歳市〜富良野市
晴れ のち 曇 もしくは雨。
まったくアテにならない天気予報を確認し出発。良いのです。本日はノリで走るのです。進むごとに景色が変わり、どんどん人気が無くなっていく。
昨日の予定変更から、もう気持ちは夕張です。そう、夕張に行くことにしたのです。トキメキが止まらないのです。
昨夜わざわざホテルで映画を観て、一泣き入れたくらいです。
はい、ここは行きたかった。どうしても。「幸福の黄色いハンカチ想い出ひろば」であります。
最初にこの映画を観てから、いったいどれくらい経っただろうか。
そして、何度泣いたことだろうか。
ああ、長屋。ああ、ファミリア。ああ、ハンカチ。
竿の先にカメラを向けると、嘘のように急に風が吹き始めた。慌てて動画を撮る俺。感動したなあ。来て良かったなあ。しばらく、ボウッと眺めていましたよ。感傷に浸っていると、あっという間に曇り空。イカンイカン、先に進まないと。俺の夕張はまだ続くのです。
続いて行ったのは「夕張シューパロダム」。大夕張の歴史が目の前に広がります。この湖底に、炭鉱で栄えた集落が沈んでいるかと思うと感慨ひとしお。天気は悪かったが、その分なんだかグッときます。人もいないし、なんだか夕張が染み渡ります。
染み渡っていると、遂に雨が降り始める。いやいや、寒いぜ、寂しいぜ。
駐車場でカッパを着込んでいると、大きなバイクに乗ったオッサン二人組が現れ、写真を撮ってくれと頼まれる。気づいたら、やはり久しぶりに人と話した気がします。雨に雪ですから互いに気をつけてと挨拶し、再度走り始める。そう、雨に雪です。大北海道がいよいよ牙を剥いてきましたよ。
この日の目的地は富良野。そう、あの富良野です。
夕張から富良野という俺スペシャルな旅路です。
多少の悪天候なんて気になりません、負けません。人の気配ゼロのメチャクチャ寂しい道でも挫けませんよ。だって、これからあの富良野が待っているのですから。ただ、聞く音楽は完全に邦楽になりましたね。日本語が恋しくなってきたのです。
国道452号線を走っていると「三段滝」の看板見かけ、小休止。全然知らなかったけど、ナイストイレ。助かります。
雨のせいか中々の水量、迫力ありますよ。そして寒いですよ。さてさて残りおよそ30キロ。頑張って走ります。
自然の道から少しづつ文明が見え始め、遂に富良野の街並みが現れると雨が上がっている。こちらは降ってなかった模様だ。そうか、ここが富良野ですか。とりあえず、ラーメン食って腹ごしらえをすませ、本日は早々にホテルに入って休もうと思っていたが、折角なので駅だけ見に行く。
ここで毎日、五郎が蛍の帰りを待っていたのか。
そうか、ここで。もう泣ける。 アリガトウ。