125ccのバイクで日本一周【36日目】 北海道羅臼町
朝から外が騒がしい。もの凄い鳥の鳴き声だ。カモメか? 近いねえ、すぐそこですよ。さすが羅臼。
寝てられないので起きると、外が霧で真っ白だ。今日は1日雨の予報とな。 仕方ないな。しかし毎日、天気が安定しない。いや、俺が移動しているからか。
表に出てみると、いきなり鹿がお出迎え。予想外だったもんでちょっと驚く。さすが羅臼。
鹿と一緒に朝飯を食い、まずは情報収集のため羅臼ビジターセンターという所に行ってみる。なんせ初羅臼、初知床ですからね。
なるほど、見応え十分な資料館。楽しいしタメになる。これで無料は有難う。大変勉強になりました。
そして、ここから近くに天然記念物に指定されている間欠泉があるそうだ。それが羅臼間欠泉。運が良ければ見れるかも。ぜひ拝見。
うっすら雨の降る中を歩くこと数分。見えて来ました間欠泉。
運よく時間もピタリ。やったぜ見れそうです。来たぜ、飛び出すぜ、吹き出すぜ。
うん。よし、以上。 見た。うん。
雨で身体が冷えて来たので、温泉に行こう。そうしよう。
向かうは、知床でもっとも有名な無料露天風呂「熊の湯」だ。この風呂はいろんな逸話で有名。さてさてどんなもんでしょうか。
到着すると、入り口に車が1台停まっている。他県ナンバーなので俺と同じく風呂目当て旅行客のようだな。下に降りて行くと、オジサンが風呂の前で独り佇んでいる。やはり旅の途中で、初めて来たけど熱くて入れないと笑っている。
噂は本当だった。さすが熊の湯。
勝手に水入れたら、きっと地元の人に怒られますよねと談笑していると、その地元の人らしいオジサンたちがゾロゾロと現れる。
ちょっと緊張。すかさず挨拶しますよ。礼儀です。
他所から来たの? 何で入らんの?
いや、熱過ぎて入れないないんです。
どれ? ああ、こりゃ無理だよ。水入れなきゃ。
勝手にヌルくしたらマズいかなと思ったもので。
無理無理、これ熱湯だもの。誰も入れないよ。
ゲラゲラ笑いながら普通に水をドボドボ入れてぬるくしてくれましたよ。その後、風呂でカジュアルトーク。熊の湯の成り立ちや、地元の話を色々聞かせてくれましたよ。
大変興味深かったです。これも旅の醍醐味ですね。
身体も温まったところで、出来る範囲で羅臼観光。うっすら雨だが、折角ですもの。海沿いの87号を北上して行きます。
ご存じ瀬石温泉。純とトドが入った風呂ですね。いやあ、ここですか。ここがアレですか。実際、凄いところにありますよ。撮影していると、キツネが出迎えてくれました。
87号をそのまま北上して行くと行き止まりに突き当たる。ここから先は車両侵入禁止。進むなら徒歩での移動となります。そして完全自己責任との看板が。
何とも不思議な景色。ここが日本本土の最北東ですか。天気が良ければ国後が見え、冬なら流氷が見えるのでしょうか。この日は生憎の天気だったので、妙に物悲しく見えました。
足場の悪い砂利道を歩くこと15分くらい。やっと目的地が現れました。それがここ、実際に撮影に使われた純の番屋です。
想像以上に遠かった。そして想像以上に険しい立地だった。ここですか。 ここなんですね。凄い場所だ。よくまあ、撮影しましたね。よく見つけましたね。
360度眺めて、遠く見て、空気吸って、また遠く見て。
撮影して、納得して、満足したので、雨に降られながら独りUターンして戻りました。とりあえず満足しました俺。
何だろうね、見たからってどうってわけでは無いのだが、何だか、大きく満足です。