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半農半居のススメ

2018年に新居を建てました(「自邸について」で記載しています)
何件も家を設計しましたが、実際に住むことができるのは自邸だけです。
自邸での暮らしを通して、自分が目指したい家づくりと向き合うことができます。「家が建てば完成ではなく、家が建ってからが家づくり」です。

※家づくりを始められた皆様へ
「どんな家を建てたいか」ではなく、「どんな人生を送りたいか」と考えてほしいです。
暮らし方次第で人生は大きく変わります。
私が携わる住宅設計という仕事は、その後のお客様の人生に大きく影響を与えます。家づくりは人生づくりに貢献できる、とても責任重大な役目だと自覚しています。

家に対して私が思っていること。
①心にゆとりが生まれる「庭のある家」
 ・良いものは外からやってくる(光・風・四季の変化・音など)
 ・開口部を大きくつくる(窓を設けるのは景色が抜けるところだけ)
 ・庭をつくれる余裕のある配置にする(敷地目一杯に建てない)

②家族構成や心境の変化に対応できる「おおらかな家」
 ・がらんどうの箱(家族でつくる楽しみを残す)
 ・シンプルな家(奇をてらわない。素材も統一する)
 ・性格もおおらかな方が上手くいく(つい張り切ってしまうのは分かるけ   
  ど、年に何棟も関わっている設計者に任せる方が絶対上手くいく)
  
③家族が集まり会話が生まれる「食事が楽しい家」
 毎日使う水周りこそ「いい家だ」と感じるポイント。水周りを重点的に設計することで家は良くなります。
 その中でもダイニングやキッチンは大事です。そこが良い空間であれば、美味しい食事が並び、家族の会話が生まれ、食事の時間が家族の楽しい思い出になります。私はリビングよりもダイニングに大きな窓をもってくる設計が多いです。※外ご飯もご飯が楽しくなる大切な要素。①「庭のある家」につながります。

④自然循環の一部となれる「キッチンガーデンのある家」
 機能は畑と同じですが、畑よりも見た目を整え気持ち良い外部空間にする「キッチンガーデン」をオススメしています。野菜を育てることで、旬(新しい世界)を追いかけ続ける暮らしが送れます。それってとても素敵なことです。
また、自然と向き合うことで謙虚になれます。毎週のように草むしりする期間や、作物が育たない冬に保存食をつくる期間など、畑では人間よりも自然が上です。自然の循環の中に上手く入らないといけない。自然体に戻ることができます。

半農半居のススメ
私が自邸で実践している暮らしです。わが家はド田舎でもド都会でもありません。地方のごく一般的な住宅街です。そこで楽しく暮らすために「半農半居」という意識付けをもって、「大きな庭に小さな家」をつくりました。

私の家 最初に描いたイメージスケッチ

半農:自然の中で暮らしたいが、田舎暮らしや自給自足はハードル高い…
→「キッチンガーデン」で育てやすい野菜や食べたい野菜だけ育てる。
生き物とふれあい五感に刺激が受けられる
私にちょうどよい自然とのふれあい。
見た目もナチュラルで美しい。

梅仕事。窓辺にて。季節を感じる幸せ。
ニンニクは収穫後しばらく干す。これも幸せ。

半居:インテリア・趣味嗜好は変化する(方が楽しい)と考える。
→ハード(構造・断熱・水周り・家事動線)はしっかりとつくりこむ。
ソフト(家具・内装仕上げ・照明・間仕切りなど)はこだわりを持たない。
住むほどに熟成していく家を目指す。
つまり今は完成ではない。
建築家 竹原義二さんの言葉「100点の家をつくると減点していくしかない―」に感銘を受けて。

窓辺のソファ。「いいものは外からやってくる」
山を眺めるダイニング

目新しい複雑なことはしていません。地味です。滋味になるように…
奇をてらわずシンプルに。
時が豊かにしてくれるのを信じて、コツコツ積み重ねてゆきます。


自邸の、youtube動画を下記URLからご視聴いただけます。

暮らしについて、家づくりについて、案内しています。
https://www.youtube.com/watch?v=a1Wgnl_w7Jw

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