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お絵かき教室のオンライン講義を受けてみた話
時が過ぎるのは早いもので、noteの初記事を書いてからそろそろ2年になろうとしている。
この記事のあと、同ジャンルで二冊目の小説本も出した。
オン・リアル共にサークル参加もして、なんと憧れのオフ会まですることができた。(これについては余力があればまたnoteを書きたい、圧倒的感謝)
ただ、4年も経つと流石にネタ切れというか、出し切った感が強いのかもしれない。推しが好きには変わりないが、最近は文を打ってみても「ちがう!!!!!!」な文章しか出てこない。
そんなわけでほぼROM専に戻ってしまったような現状だけど、最後のあがきを試している。
「話になるほどのネタが思いつかないなら、絵を描けるようにならないか?」
画力向上を目指して何度も何度も(以下略)挫折している私が、今回お絵描き教室に参加してみた経緯とか感想をつらつら書いていく。
経緯①
「別に、無理せずにROM専に戻ればいいじゃん?」
たしかにその通りと思う。
しかし私は書く側に若干味をしめてしまっている。
単純な承認欲求とはちょっと違う。いや、全く違うわけじゃないけど。
なんというか、「自分と同じ嗜好を、同じように良いと思ってくれる人がいる喜び」の味というか……焦点が自分じゃなくって、嗜好にフォーカスされてるというか……うーん、言語化能力がほしい。
あと歪かもしれないが「まだ楽しい祭りを終えたくない」執着に近いものがあるとも思っている。だってまだ好きは好きなんだもん。
元々は「絵が描けなければ文章で説明すればいいじゃない」で文字を書きはじめたけど、やっぱり出来ることなら本音は絵が描きたい。
理想を言えばエロマンガが描きたい。そこまでは正直できる気がしないけど。マンガ描きは私の中で天上人。
pixivは文章オンリーだけど、「下手な絵でも描き続けて他人に見せれば上達する」と聞いて、「いずれ両刀使いになりたいな♪」なんてドリームを抱きながら、絵も何度か𝑻𝒘𝒊𝒕𝒕𝒆𝒓に投稿したことがある。
しかし実際はそううまくもいかず。
良い絵=リアクションの多い絵でないのは分かっている。微妙な画力なのも分かっている。それでもやっぱり自分なりに労力をかけた絵が全然伸びないのは、キツい。
「この最高にマブい絵が伸びないなんて、お前らの目は節穴!」
と強気になれるくらいの出来ならばよかったが、現実はそうじゃない。
誰も何も言ってないのだが、自分の心の中の小姑は正論を混ぜてちくちくアラをつついてくる。
この脳内小姑、見る目だけが肥えていて余計にタチが悪い。
自分から読み手を選ぶとは、思い上がりも甚だしい。
そのプライドがある限り、お前は先へと進めんよ。
そんな感じでダメージでしばらく描けなくなるが、↑の台詞を反芻しながら痛みを堪えてまた絵を描いてまた冷水を浴びにいく。
しかし私さんは紙ペラのメンタルの持ち主。だんだん人に見せるのが辛くなっていく負の無限ループに陥っていた。
経緯②
お絵描き教室の受講、そのきっかけ(決定打)もマンガだった。
主人公を見習ってわたしも頑張るぞ〜!になったのだ。動機が単純と言わないでほしい。
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お話の流れはこうだ。
近所のお姉さんの素敵な踊りに憧れてバレエを始める小学生の主人公。始めてみたはいいがお姉さんと全然違う自分の醜い踊りに、主人公は鏡を見たくないと泣き出す。分かる……そんな主人公に踊りを教えながら、お姉さんはこうアドバイスする。
「自分が醜い踊りをしていると思うなら、目をそらさず見て直さなきゃ」
当たり前のことしか言ってないけど、なんかじーんときてしまった。
話は進んでいき、元パリオペの先生のレッスンを受けることになった主人公。先生からの指摘を受けて、主人公はあることに気づく。
「つい楽しくなって 今 あんまり考えずクセで踊ってた!」
「ん? てことは……」
「正しくてキレイな動きを何度も何度も練習して、しっかりクセ付けすれば……」
「楽しくて しかも美しく 踊れる!?」
絵を描くときも、手癖(想像)で描いちゃうのは割とあるある。
それを我慢して、しっかり細部まで観察して、正しく仕組みを覚えて、何度も練習してクセ付けすれば……
楽しくて、しかも美しく『描ける』。
想像したらわくわくしてしまった。最高すぎる。私もこれになりたい。
とはいってもお絵描きは半分スポーツ、積み重ねが実力にモロに反映する。
創作だけに集中出来る環境でもないので、目に見える成果が出るのは恐らくかなり先になるはずだ。
最悪「祭り」には間に合わない可能性も全然ある。でも、それでもいいかなと思った。うまくなりたい。
思い立ったら即行動。
熱しやすく冷めやすい自分の性格を私はよーく知っている。
一週間もしたら、きっとモチベはダダ下がりになっているに違いないのだ。というわけで、私は早速課金コースを探し始めた。
まぁ課金コースといっても微課金で済むレベルの、いわゆるお教室だ。
普段の生活と無理なく両立出来ないと多分続かない。
クリスタとかの扱いもさっぱりだけど、まずはアナログで画力を底上げしたい。綺麗なメイクや服の着せ方も知りたいが、まずはカラダ作り。
なんだろう、こなれた絵が描きたいんですね。ささっと。自分には早さが足りない。
情報だけなら無料でネットにいくらでも転がっているし、素晴らしい本もたくさんあるのは知っている。
しかし情けない話、私は自学自習が本当に苦手なのだ。勉強も独学ではまるで続いた試しがない。無駄にした参考書代はおっくせんまん同人誌制作の時もだけど、半分モチベ維持にお金を払う気持ちでいる。
とりあえず月謝が安めのイラスト教室があったので、そこに体験の申込をした。
すぐ申し込んで正解だった。案の定申し込んだ最初の週はやる気に満ちていたものの、次の週にはしぼんでいた。
ぶっちゃけ課題も提出締切があるから描けた。なければ絶対描いてない。うーん、自分への解像度が高すぎる。
講義を受けて①
申し込んだ課金コースは1年間のカリキュラム。
講義はオンライン、事前にレジュメが配布されて後日動画での見逃し配信もありというかなり優しい仕様だった。
私さんは仕様に甘えまくり、初回講義から当然の様に見逃し配信で受講した。
音声のみBluetoothで倍速聞き流し(車内)、要点っぽいところだけを後で動画も視聴するというザ・不真面目スタイル。
基礎講座の名前にウソはなく、内容はマジの初心者向けだった。
「顔を書くにはまずアタリを取りましょう」とか「え、そこから!?」なところから始まるのだが、手を動かすと言うほど上手くできなかったりする。
感想としては、知識を得るだけなら本を見た方が内容が濃いし、上達したいなら自主的な練習も必要。
ただ、「『何を』『いつまでに』すればいいの〜!?」という迷子状態からは脱することができると思う。
講義の後に出された課題は「顔のクロッキー」。
題材(見本)は任意のマンガ・アニメキャラ。課題として画像を提出して都合のいい時間を予約すると、後日バランス等を添削・指導してくれるわけだ。
せっかくだから今回は少女、おじさん、青年etc……いくつか作風の違うキャラを描き、中にしれっと現ジャンルのキャラも混ぜて描いてみた。
「SNSと違って不特定多数に見られるわけじゃないし、上手くなるためだからいま下手くそでも恥ずかしくない……顔描いただけだし恥ずかしくない……」
そう唱えながら勢いで提出しても、やっぱり当日の画面に自分絵がデカデカと原作絵と並べて(比較用に見本も提出している)表示されるのは
「キッッッッッッッツい!!!!!!!」
……になった。
うおおおおお!! 恥!! 目を!!! 目を逸らしたい!!!!
幼少の頃から、お絵描きはノートの隅っこに人に見えないように
こっそり描いてすぐ消すもの=(自分の)お絵描きは恥ずかしいものが
無意識に染み付いているのもあると思う。
先生
「私さん、たくさん練習してもらえましたね。ありがとうございます」
「構図も正面図だけでなく色んな角度からチャレンジされていますね」
ややスローな口調のミドルエイジな先生からの労いに対する私の返答、文字にするとすっごいキョドリスト。
私
「へ……えへへ、は、はい……ありがとうございます……あんまり上手くなくて恥ずかしいですがァ……へへ……」
多少は推敲できるwebと違って、リアタイだと素が出てしまう。反応に困るネガティブコメントは良くないと思いつつ、つい口に出てしまう。イラスト化するならお目目ぐるぐるな心理状態。
先生
「いえ、私さんかなりお上手ですよ。以前もどこかで描かれていましたか?」
私
「アッありがとうございます、独学というか、趣味ですが……はい……」
ここから先生の褒めターンが始まる。
先生
「これですね、お上手な人でも最初は結構ズレる人が多いんですよ(他の人の例を示す)。
でも私さんはこのように、アタリの位置もかなり正確にとれている。ほとんどズレがない。とても良く描けていますね」
「絵柄も色んな傾向の作品を複数描き分けている。これが出来る方って意外といないんですよ」
「特にこれ(青年誌のおじキャラ)なんか、かなり良く描けています。かなり良いです(強調)。この表情、顔のシワなんかもしっかり表現出来ていて、5分でここまで描けるのは(結構続くので以下略」
め……めちゃくちゃ褒めてくれるじゃん!?(喜)
講座の内容も含め、かなり甘口の先生なんだろうと思う。褒め8:指導2くらいだったし、まず自信を持たせるタイプの指導なのかもしれない。
それでも嬉しい。褒めにちゃんと根拠があるとリップサービス感がかなり減る。
「そうですね、クセとしてはここ、これも。輪郭が横に膨らみがちな傾向があります。でもそこを直せば……」
「この絵(横顔)は角度が見本と異なりますね。ここに線を引いてもらうとわかりやすいのですが……」
「あと、見本は全体図が見える図の方がバランスが取りやすくていいですよ。この構図は頭が切れちゃってるので」
褒めだけでなくもちろん指摘もしてくれる。指摘もやる気を削がない言い回し、流石プロ講師。
以前イベント用のカプ絵を描いた時に、恥を忍んで添削?をフォロワー殿にお願いしたところ
「バランスはそこまで崩れてない」と言われて、内心飛び上がるほど嬉しかったのを、先生の話を聴きながら思い出していた。
今、甘口傾向とはいえプロも同じ事を言ってくれている。
……ということは、ということはだ。
もしかして絵うま者がひしめく同人界の中で低レアランクなだけで、一般人界ではわりと描けてるってやつなんだろうか?調子に乗っていいのか??
そして、しれっと混ぜた現ジャンルキャラに対する先生評。
「このキャラクターはかなり描くのが難しい見た目をしていますね」
「顔立ちも細長く、輪郭も髪で隠れて見えづらく、バランスが取りづらい。細部の装飾も多いので題材としては難しいと思います。むしろ5分でよくここまで描けたと……」
「かなり難しかったと思いますが……」
いや、難しい連呼しますやん。
他のキャラは一切そんなこと言われてないので、キャラデザが鬼って思ってたの、鍛錬不足の甘えじゃなかったんだ〜!と少し救いになった。
課題の他に自由制作のオリジナル(全身)絵も見てもらい、あっという間に時間も終わりに近づいていた。
先生
「全体を通してなにか気になるところはありますか?」
私
「あの、自分の絵、上手く言えないんですが平面で、固くて、なんか浮いているような気がして……なんででしょう……」
めちゃくちゃ抽象的なこと言って困るかな〜という気持ちもあったけど、聞けることは全部聞いておきたい。
先生
「そうですか? たしかにこの絵はここだけ関節の位置が少しズレてますが、見たところ私さんの絵にそこまで全体的なおかしさは感じませんよ」
ちょっと意外な答えだった。私が私の絵を必要以上に下手に見てるだけなのか、目がめちゃくちゃ肥えてるせいなのか。
「身体の仕組みについてはこれからの授業でやっていくので、安心してください。一緒に学んでいきましょう」
こうして予定時間を若干オーバーして初回の添削指導は終わった。
講義を受けて②
課金はしただけで上手くなる魔法じゃない。
褒められたからって、絵が劇的に変わるわけじゃない。
でもモチベってバカにならないもので、その日の自習はいつもより捗った。
つい卑屈になりがちマンだが、せっかくもらった褒めは素直に受けとって次に生かそうと思った。
自習はひとまずミニ本の模写を一冊やりきるのを目標にしている。
新しい本も見たいが、まずは「やりきった」の実績を作りたい。いっつも中途半端で終わるので。
![](https://assets.st-note.com/img/1714156634608-qQtFqtQEue.jpg)
まだ説明を読んでも半分くらいは目が滑るし、デッサンしてても無意識に「これでいいか……」の逃げ癖が出てしまう。
暗闇を手探りで歩くようなノリでやっているが、「やっていくうちにストンと理解出来る」という先人の言葉(ア〇ゾンレビュー)を信じたい。
神は細部に宿る。
ただ描くのではなく、フェチズムを伝えられる画力が欲しいのだ。
しかし道程は遠い、遠すぎてもはや見えないくらい遠い。
あと、本格的に描くには必要なんだろうと思いつつ
「難しくてよくわかんないよ〜!」と避けてきた「骨格」や「筋肉」の理解。
人体を描くには「マジで必須」であることが、感覚としてなんとなく分かった。
そして絵を勉強しようとして分かってきたのが、今まで気軽に「消費」してきた絵の数々がどれだけ高度な技術のもと描かれていたか。
特に神絵師と呼ぶ人たちが神になるまでに、彼らがどれだけの研鑽を積んできたのか。
ブクマしてる絵のメイキングを久々に見返したが、
感想が「(絵のことは)よくわからん」から「よくわからん(凄すぎて)」になった。進歩と思いたい。
いつもの三日坊主防止のために初心を書き残そうと思ったら予想以上に書くのに時間がかかってしまった……
とにかく、多少なりとも画力アップできるようにマイペースに頑張るぞ〜!って話でした!
ここまで読んでくれてありがとうございました!