見出し画像

巴賞→函館記念のローカル中距離に関する不易の法則

馬券ファンは目の前の全てのレースに賭けたいものであるという前提のもと、「全レース購入して回収率100%超えを達成する」ために開発された予想理論『レース質マトリックス』。
 その考案者である立川優馬さんが、レース質(=どのようなレースになるか)をもとに、回収率を底上げする方法を伝授してくれます。

立川優馬の最新刊『回収率を5%ずつ底上げしていくレース質マトリックス馬券教本 実践編』は好評発売中。イラストやデータ等を交えて、回収率を底上げするための様々な技術を収録しているので、ご興味がある方はぜひ手に取ってご覧いただければ幸いです。

●今回のポイント

〇ローカル芝1800mの内枠先行有利と、芝2000mの差し有利のメカニズムを確認する
〇巴賞→函館記念はメンバーが固定化するうえに、ステップ戦の結果と本番の人気がリンクするので波乱になりやすい
〇今年の函館記念も、巴賞で差して間に合わなかった馬や別路線組を中心に馬券を組む

先週は釜山Sが注目馬で「外枠先行」でピックアップしたダノンセシボン、エコロアレスで決着し、3着以下も外枠勢が独占したように含水率の低い小倉ダート1000mの外枠有利が顕著に。また、プロキオンSは高速決着のラチ沿い有利になりましたが、注目馬からマリオロードが12番人気3着と気を吐いてくれました。
今週末はまた含水率の高い馬場になりそうなので、内枠有利でねらっていきましょう。

さて、今週はローカル1800mと2000mの出し入れとして、何度か例に挙げている函館記念が行われます。改めてご覧になる方もいらっしゃると思うので、おさらいしておきましょう。

●先行有利のローカル芝1800mと2000mの出し入れ

函館、福島、小倉の芝1800mと芝2000mには以下のような共通点があります。

〇芝1800m
・最初のコーナーまでの距離が短く、レースの最加速地点に当たるテン2F目が1~2コーナーに当たるため、隊列がすんなり決まってペースが緩みやすい(福島は発走後上り坂)
・内枠から先行しやすいため、内枠主導の隊列になるとともに、スローで中盤が緩まないため、外枠差し馬がポジションを押し上げにくい
・直線が短いため、3~4コーナーから加速が始まるが、スパイラルカーブを加速しつつコーナーを回ると外を回す馬が外に振られやすく、ラチ沿い先行馬とのポジション差が開いてしまう
・直線距離が短く、上がりが出にくい馬場であることが多いので、差し馬が直線距離だけで先行馬を捕らえ切れない

〇2000m
・4コーナー引き込み線発走で、最初のコーナーまでが長く、レースの最加速地点に当たるテン2F目で正面直線を迎えるため、先行争いが激化してペースが上がりやすい(函館と福島は直線で坂を上りながら先行争いになる)
・発走地点が下り坂になっており、長い直線で外枠からでも主張できるので、さらにテンに速くなって、上級条件ではほぼハイペースになる(小倉は発走地点が平坦)
・テンに流れるとそのままは走り切れないので、中盤で必ずラップが緩むことになり、そのタイミングで外を回す差し馬がポジションを押し上げることができる
・馬群が凝縮する形(先行馬と差し馬のポジション差が小さい状態)で直線を迎えるので、短い直線でも前を捕まえることができる(ハイペースで前が止まることもある)

以上のことから、ローカルの芝1800mは内枠先行有利に傾きやすく、芝2000mは外枠差し有利(時計が速いと内枠差し有利)に傾きやすいというレース質については、ここで覚えておくと役に立つかと思います。

ここから先は

1,048字

この記事は現在販売されていません

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?