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近年の中山芝1600mで内枠有利が薄れてきている理由

馬券ファンは目の前の全てのレースに賭けたいものであるという前提のもと、「全レース購入して回収率100%超えを達成する」ために開発された予想理論『レース質マトリックス』。
 その考案者である立川優馬さんが、レース質(=どのようなレースになるか)をもとに、回収率を底上げする方法を伝授してくれます。

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●今回のポイント

〇中山芝1600mの内枠有利は、外枠不利を要因にするものである
〇近年の中山芝1600mは外枠先行馬が走れるようになってきており、その結果、外枠不利が薄れる=内枠有利も薄れてきている
〇中山芝1600mで内枠をねらうときには、内枠に逃げ先行馬が入っているレースがオススメ

先週は雨の中で難しいレースになりましたが、世代限定戦が3つ。札幌2歳Sは推奨のマジックサンズが1着、ファイアンクランツが3着、中京2歳Sはアーリントンロウが3着、すずらん賞はカワキタマナレアが1着とそこそこ走ってはくれました。良馬場のときのほうが如実に傾向が出るので、引き続き2歳戦では短縮差しねらいをオススメします。

さて、今週から中山が開幕します。開幕週には京成杯AHが施行されるので、今や常識になっている中山芝1600mの内枠有利について考えていきたいと思います。

●中山芝1600mが内枠有利になるメカニズム

中山芝1600mがもつレース質は「内枠・先行・短縮」です。そのメカニズムは以下のとおりです。いつものように、「テン2F目」「3~4角」「正面直線」の加速地点の地形を基に設定しています。

・中山芝1600mは1コーナー横のポケット地点から発走する
・2コーナーまでの距離は240m程度。最もペースの上がる2F目にコーナーに入るため、外枠の馬は外を回らされて位置取りを下げやすく、押して位置を取りに行くとオーバーペースになりやすい
・内枠の馬が位置を取りやすいことから、道中の馬群が内から迫り出す雁行形になることが多く、その場合、馬群は必然的に縦長となる
・向正面から4コーナーにかけて下り坂になっており、段階的にペースが上がる流れになりやすい
・ラップが緩むところがないため、後続が押し上げるタイミングがなく、縦長のまま4コーナーに入ることになる
・4コーナー自体も急で、内ラチ沿いを走っていた逃げ・先行馬が膨らみながら直線に入るため、外を押し上げる馬がさらに外に振られ、直線入り口で先行勢がポジション差を広げやすい
・直線は310mと短いうえに急坂があるため、速い上がりを使えず、差し馬が直線だけで差を縮めることが難しい
・先行馬がそのままリードを保ってゴールする

つまり、中山芝1600mの内枠有利は、外枠勢が位置を取りにくいという「外枠不利」を原因にしているということです。このことを前提に近3年とそれ以前の3年を見比べてみましょう。

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