フェブラリーSの隊列から見えたこと

先週のフェブラリーSは◎ペプチドナイルでした。

蓋を開けてみるとミトノオーが逃げ、サンデーファンデーもアンモシエラもそこまで競りかけない全くのスローペースになってしまいました。この時点でペプチドナイルの良さは全く出るわけもなく瞬発力の差で他の馬にやられていまいました。
自分はいろんな予想ファクターを駆使して予想していますが、今回の「逃げ馬が多い」という先入観が今回的中に導けなかったことの理由の一つかなと反省しています。

基本的にペースを読むというのは

1. 逃げ馬がどれか

2. 競りかけてくる馬がいるか

3. ジョッキーの意識

この3つがメイン。逃げ馬が分かっていればその馬の戦歴を洗ってみて同じ距離、同じコースでは実際どれくらいのペースで逃げていたのかということを今回のレースのペースの基準としています。そして次に競りかけてくる馬がいればそれをペースアップの要因として肉付けしていく感じにしています。
つまり、ペースというのは逃げ馬と2番手の馬が作るものだと考えていいでしょう。さらにそこにジョッキーの先行意識（関西のトップジョッキーなら前目にいくな…関東のジョッキーだから競らないだろう等）を加味して、想定ペースを割り出しています。

実際同日の小倉大賞典では

1.逃げ馬がどれか→セルバーグ…1800ｍ戦ではかなり飛ばし気味にレースを進める

2.競りかけてくる馬がいるか
→ホウオウプロサンゲ…逃げベストだが番手でも競馬可能
→コスモブッドレア…番手OK

3.ジョッキーの意識
→セルバーグ・和田J…セルバーグに乗ってはハイペースで逃げた経験あり
→ホウオウプロサンゲ・小沢J…無理しないタイプ・騎乗経験ナシ
→コスモブッドレア・佐々木J…重賞は逃げ経験1度だけで無理しない・騎乗経験ナシ

ということでセルバーグのハイペース逃げ想定に。そして追い込み馬のラケマーダに本命を打って的中させることが出来ました。

ではフェブラリーSはどう予測したかというと

1.逃げ馬はどれか…ミトノオー、ウイリアムバローズ、サンデーファンデー、アンモシエラのどれか

2.競りかけてくる馬がいるか…上記の4頭で競り合い

3.ジョッキーの意識…田辺Jは基本無理しない、岩田望J・鮫島Jはポジション取りに来る、吉田豊Jは東京なら主張してくる

こういう読みで超絶ハイペースになると考えたのですが結果はＧ１にしてはかなりのスロー。なぜこうなったかというと

「アンモシエラが控えた」

これに尽きると思います。ミトノオーは逃げないとどうしようもない生粋の逃げ馬ですが、他の3頭は単に揉まれ弱い馬で外から来ないのであれば別に番手でもＯＫな馬（自分はこのような馬を外先行タイプと呼んでいます）たち。なので外から被されそうなら前に出していくし…被されないならそのままで。という形だったのです。なので実質今回のペースの鍵を握っていたのはこの3頭の内、一番外を引いたアンモシエラに選択権があったのです。そのアンモシエラが控えたから、サンデーファンデーもペースを上げることもなかったというわけです。さらに、アンモシエラは能力的に1枚格下だったので無理には行かないとわかっていれば、今回のレースをスローと読むことも可能だったかもしれません。

今回の結果を含めて覚えておきたいことは

「外先行タイプの馬が複数頭いる場合は一番外の馬にペースの選択権がある」

ということでしょうか。みんなが「逃げ馬がたくさんいるからハイペース必至！後ろの馬を買おう」と考えている中でスローと読めた時は必然的にオッズ妙味が増しているのでかなり美味しい馬券をゲットできるチャンスかもしれません。ま、フェブラリーＳはその結果人気サイドの決着になっちゃったんですけどね…。こういうパターンで大荒れするレースが来ることを祈りましょう。

【今週の推定設定6】
阪神5R　2テーオーミリカン（藤岡佑J）
新馬戦は3頭勝ち上がりのハイレベル戦。ベストパフォーマンスは3走目のドラゴンブースト戦で朝日杯FSで最も強い競馬をした同馬と0.3差なら未勝利突破の能力は間違いなくある。近走の結果を見ても2000ｍはやや長い印象でもう一度1600ｍに戻した所で鞍上強化＋急坂コース替わりで坂路でビッシリ調教出来ているのであれば変わり身があっても。ドラゴンブースト戦当時と同じ単勝10倍つけば設定6でしょう。

赤坂テンパイ
パチスロライター。勝負にこだわった店選び、立ち回りを披露する“ガチ系”。勝ち負けをズバッと言い切るトークが持ち味。「狭く深く」が信条で一度ハマったギャンブルはとことんやりつくす。著書に『赤テン 巻一』『勝負師の一打～赤坂テンパイの流儀～』（原案・取材協力）。24年9月28日より『ウマい馬券』に参加。
X（旧ツイッター） @genkiakasaka