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“乗れる”ジョッキーを見分けるポイント

 今週は立て続けにジョッキーのスマホ持ち込みによる騎乗停止、処分待ちが発生しました。
 一人目は永野猛蔵J。減量が取れても成績が下がるどころか、右肩上がり。さあこれからというところだったのですが…。永野Jを主戦にするとSNSでも発信していた西山茂行氏も「今はただ驚いているだけ」とだけ呟いていたとおり、一見真面目に見えるジョッキーだったので自分も少し驚いています。
 二人目は成長著しい小林勝太J。ニュース的にはただの2年目の若手ジョッキーでしょうが、個人的に超ドル箱ジョッキーと考えていてこのコラムでも何回か取り上げたくらい大注目していただけにショックは大きいです。
 そして三人目が引退を発表した藤田菜七子J。これはもう発覚した瞬間におそらく引退だろうな…と、思っていたのですが、その予感は的中してしまいました。馬券的な目線で見ると、明らかに結婚後の方が意思が伝わる騎乗が多く、人気先行だったデビュー直後とはかなり変わってきていただけに、個人的にはもったいないなと思いますが、進退は本人が決めることですからね。

…とまあ、悪いニュースが立て続けに出た競馬界ですが、週末の競馬がなくなるわけではありませんから、今はやれることをやっていく。と、いうわけで今週は普段ジョッキー主体で競馬を見てない人に、ジョッキーのどこを見ればいいのかを個人的な目線ではありますがお伝えしようと思います。

 自分がジョッキーで見ているポイントはとにかく「動かす能力」。競馬はとにかく逃げ先行が有利。それは数値上でも結果が出ています。つまり序盤のリードを簡単に覆すことは出来ないということでもあります。と、なると見るべきはやはりスタートから直線入り口までのポジション争い。そこでしっかり手綱を動かして前を取りに行く。ここに注目するだけでもかなり変わってきます。今一番スタートが上手いと言ってもいいのは佐々木Jでしょうね。ほとんどと言ってもいいほどスタートからしっかり動かしてその馬に一番合ったポジションを取りに来ます。スタートだけならルメールJにも引けを取らないと思いますね。

 その次に注目したいのは「マクリ」。これも馬を動かす能力と明確に勝ちに行くという意思がないと出来ない、しないことですから「マクリ」に挑戦しているだけでも「あ、勝ちに行ったんだな」と思ってジョッキー的には高評価しています。たまに前がハイペースなのにマクリに行くなんていうこともありますが、まあそこはチャレンジ精神の方を評価するようにしています。
 現状マクリと言われてパッと頭の中に浮かぶのはこのコラムでも紹介した丹内J、そしてローカルで人が変わったかのようにマクリ始める横山和J、先輩がいないとガンガンマクリ出す鮫島駿J、この3人。どうですか? 3人とも上手いイメージありませんか? 実績では丹内Jは一枚落ちますが、馬質が並べばもう少し重賞クラスを勝ってもおかしくないジョッキーだと自分は考えています。
 今年のルーキーで見てみると勝ち鞍では高杉J、吉村Jの順に並んでいますが、高杉Jのマクリ回数は0。吉村Jはマクリ経験が4回(386R中)あります。だからジョッキーの能力的には吉村Jの方が上? と、想像できるわけです。もちろん、騎乗回数の差や調教師からの指示など、個人の意思だけで戦法が決まるわけではない(特にルーキーは)ですが、こういうところを見るのもジョッキーを探すヒントになるのではと考えています。

 最後の直線だけでなく、スタートからしっかりジョッキーの腕に注目すると競馬を見る目が変わると思うので是非注目してみてください。

【今週の推定設定6】
京都6R 9ラッキーマリリン(田口J)
昇級後はテンカジョウ(マリーンC勝ち馬)、アンデスビエント(関東オークス勝ち馬)といった強力なメンバーとぶつかり過ぎ、さらに前走、前々走はペースも合わないと敗因が明確。田口Jに乗り替わって斤量減な恩恵が得られるなら勝ち負けでは。着順はいいがダートは怪しいヒヒーン、同じく着順はいいが弱い相手に取りこぼしているフェルンマンボが人気するようならオッズ的にも妙味はありそう。単勝10倍なら設定6でしょう。

赤坂テンパイ
パチスロライター。勝負にこだわった店選び、立ち回りを披露する“ガチ系”。勝ち負けをズバッと言い切るトークが持ち味。「狭く深く」が信条で一度ハマったギャンブルはとことんやりつくす。著書に『赤テン 巻一』『勝負師の一打~赤坂テンパイの流儀~』(原案・取材協力)。24年9月28日より『ウマい馬券』に参加。
X(旧ツイッター) @genkiakasaka

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