レイデラルースにみる乗り替わり考察
先日行われたG3京成杯に出資馬のレイデラルースが出走するということで現地中山競馬場に応援に行ってきました。
レースはスタートから少し出負けして自ら進んでいく気配もなく、鞍上の石橋脩Jも手綱を押す気配もありませんでした。その結果1コーナーの入りですでに後方2番手。レイデラルースがこれまで馬券になったのは逃げ、先行のいずれかで、今回も前目のポジションを取ってくれると思っていただけに、かなり危ないなと感じていました。
3コーナー、4コーナーを回っても加速する気配も全くなく、最終的には回ってきただけと言った感じの11着で終わってしまいました。
敗因はいろいろあるかもしれませんが、やはり主戦ジョッキーだった北村宏Jが怪我で乗れなかったのが一番痛かったと思います。レイデラルースは新馬戦の時から気性難であることは分かっていましたし、そんな難しい馬を北村宏Jはじめ厩舎スタッフの方々が仕上げてくれて行っていたわけですから、急な乗り替わりで負けてしまったのは致し方なしといったところでしょう。
石橋脩Jは「北村宏Jがこれまで教えてきたものを壊したくなかった」的なニュアンスのコメントを出していましたが、これは受け取り方が非常に難しい。馬券を買っている人からすると「先に言えよ!」と言われても仕方ないし、ものすごく長い目で見ている馬主サイドは「仕方ない」と受け止められるかもしれません。
このことから教訓しなければいけないのは「馬を壊したくない」という意識が働くと実力を十分に発揮できずに終わるケースがあるということです。競走馬自身がメンタルでアウトになるケース(砂を被ってやめたり、抜かされてやめたり)と同様に人間にもそういうケースがあるということです。
ここでトップジョッキーの重賞成績(過去3年)を見てみましょう。まずはルメールJから。
とにかく実力はNO.1ですから、これだけ依頼があるのは当然でしょう。気になるのはやはり乗り替わった時の方が単勝回収率が100%になっている点。これはやはり前走で違うジョッキーが乗って少なからず着順を落としているということが考えられます。
次に川田Jを見てましょう。
こちらもやはり乗り替わりの時の回収率がいいことが分かります。それだけ他のジョッキーとの腕の差が違うということの現れかもしれません。
では今回の話に上がった石橋脩Jを見てみましょう。
目につくのはやはり継続騎乗と乗り替わり時の差が激しいこと。圧倒的に継続騎乗の方が結果を残せています。トップの2人が騎乗している馬との平均人気を比べると馬質にも差はあるでしょうし、かなり頑張っている方だと思います。しかし、乗り替わり時の時はやはり「馬を壊したくない、主戦騎手に遠慮してしまう」という気持ちが働いてしまうのか結果を残せていません。
個人的に石橋脩Jと同じタイプのジョッキーだと考えているジョッキーに菅原Jが挙げられます。
重賞の回収率は単97/複173と買えるジョッキーなのは間違いありません。ただ、数字に表れている様に継続騎乗と乗り替わりの差がとにかく激しい。乗り替わりの時に大事にしてしまうタイプだと判明したのは去年のフェブラリーSでソリストサンダー(9人気8着)に騎乗した際。明らかに仕掛けが遅れ、自身のコメントでも
「大事に乗りすぎてしまいました」
と言っていました。こういったタイプのジョッキーは少なからずいるので前もって知っておけば馬券を組み立てる時に評価を上げ下げ出来るので面白いですね。
最後に乗り替わりでめちゃくちゃ成績を残しているジョッキーを紹介します。
大体イメージでもわかりますね。西村Jです。なんでも持ってきそうな勢いがありますからね…。乗り替わりは必然的に人気が下がる傾向にあるわけですが、そこで結果を出すと人気薄の分周りに与えるインパクトが強くなって、評判に繋がり、騎乗依頼が増えていく、という良い循環が来ていると思います。
「トップジョッキーは乗り替わりから生まれる」といっても過言じゃないかもしれません。
【今週の推定設定6】
土曜中山8R 3ブレイクザアイス(原J)
ここ数戦は掲示板付近をうろうろしているが、相手が強かったレースも多数。小回りコースの方が向いていそうなこと、完全にダート特化型の鞍上を配置してきたこと、スタートの悪い外人ジョッキーが揃ったことで相対的に着順を上げられそうで馬券内があっても。
単勝30倍なら設定6でしょう。