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牡馬の芝中距離路線の世代レベルは2歳冬~2歳春の決まり手を見ると判別できる

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●今回のポイント

〇牡馬の芝中距離路線は前提として先行馬が有利になるようメンバーやコース設定になっている
〇2歳冬~3歳春の芝中距離重賞で先行馬が活躍する世代はレベルが低く、差し馬が台頭する世代はレベルが高いことが多い
〇今年の牡馬の芝中距離路線は世代レベルが低く、古馬相手には苦戦する可能性が高い

先週は「前走不利馬」の中でも分かりやすく、巻き返しやすいパターンを紹介しました。先週の例だと、オータムリーフSでは前走芝発走の京都ダート1400mの内枠差しで15着大敗をしたスマートフォルスが、8枠替わりで2着に好走するなど、パッと見てすぐ分かるパターンが多いので、ぜひご活用ください。

さて、今週から2週にわたって世代レベルのカンタンな判別法について解説していきます。前々から天皇賞の行われるこの週で解説しようと温めてきた内容ではあるのですが、ジャスティンミラノの故障や、シックスペンスの不出走などが重なって、3歳馬が出てこないのでどうしようかと。
ただ、今後どこで必要となるか分からないので、今回やってしまおうかと思います。スプリント~マイルについては、世代レベルというよりも個々の馬の能力によるところが大きいので、主にここでは芝のクラシック戦線、中長距離の比較で考えていきます。

● 牡馬は末脚性能が重要で、差し馬が台頭する年ほどレベルが高い

世代レベルを図るには、中距離路線とマイル路線が整備されている牡馬戦線と、そうではない牝馬戦線は分けて考える必要があります。今週は牡馬中距離路線について考えていきましょう。

2歳冬から牡馬戦線は距離ごとに整備されるため、中距離路線には中距離質の馬が多くなります。テンに速いマイル質の馬がいなくなると、芝の中距離戦は重賞を中心に基本的にスローからの末脚勝負が基本になります。

また、2歳冬から3歳夏までに行われる中距離重賞は、例えば、中山芝1800~2000m、京都芝2000m、東京芝2000mなど主に内枠先行有利のコースで行われることが多いのが特徴です。その結果、先行馬が恵まれて馬券に絡むことが多く、各重賞がもつレース質自体もラチ沿い先行有利となっています。

ところが、そうした差し馬不利の状況を覆して、圧倒的な末脚性能で先行馬を差し切る馬たちが出てきます。こうした差し馬たちが世代上位を形成し、クラシック戦線を沸かせていくというのがデフォルトになっています。

これは近代の日本競馬が、ガラパゴスと呼ばれるような、高速芝で上がりが出る馬場造成でレースを行っている以上当たり前のことで、極端に言うと、日本の馬産は「クラシックディスタンスの上がり勝負に強い牡馬をつくること」を目的にしているということです。

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