見出し画像

「結果的に不利になった馬」よりも「あらかじめ不利であった馬」の巻き返しをねらう

馬券ファンは目の前の全てのレースに賭けたいものであるという前提のもと、「全レース購入して回収率100%超えを達成する」ために開発された予想理論『レース質マトリックス』。
 その考案者である立川優馬さんが、レース質(=どのようなレースになるか)をもとに、回収率を底上げする方法を伝授してくれます。

立川優馬の最新刊『回収率を5%ずつ底上げしていくレース質マトリックス馬券教本 実践編』は好評発売中。イラストやデータ等を交えて、回収率を底上げするための様々な技術を収録しているので、ご興味がある方はぜひ手に取ってご覧いただければ幸いです。

●今回のポイント

〇近年のトレンドの一つである「前走不利馬」は、全て拾っていくと労力に見合わない
〇「前走不利馬」は、不利の中で好走した馬を拾うだけで十分に効果的
〇展開面の不利よりも、コース形態上の不利で負けた馬のほうが条件好転が分かりやすい

先週の京都ダートはやはり内外フラットに戻りましたね。傾向が分かりにくくなる分、含水率の高いほうがねらいやすいかもしれません。今週土曜が少し雨の予報が出ているので、まとまった雨になるようだったら、外枠有利に傾くことを思い出してください。

さて、今週は趣向を変えて、レース質上、不利を被った馬の巻き返しについて解説していきたいと思います。レース映像を一つ一つ検証して見直す余裕のない方にとっても手軽に見つけられる方法です。

● 「前走不利馬」を単純にチェックする方法は労力に見合わない

競馬予想界には時代ごとにトレンドがあり、血統だったり、馬場だったり、似通った予想方法が出回ることが多いです。時代ごとにベンチマークになる予想家がいて、そこからの派生でジャンルが充実していく形になります。

近年で言えば、ハイレベルレースはメシ馬さんを中心に、広がりを見せたジャンルかなと思います。また、従来のデータ予想は、AIによる期待値指数などに集約されており、こちらも隆盛のときを迎えていますね。

そうした近年のトレンドの一つが「前走不利馬」です。単純に、前走で出遅れやどん詰まりなどの不利を受けた馬の巻き返しを期待するというだけでなく、コース形態上のバイアスや、馬場状態による進路取りなどを考慮して、有利不利の判定をするものです。

レース映像を見返したり、バイアスを確認したりすることで、誰にでもとっつきやすく、理解もしやすいのでジャンルとして充実していく要素は十分。もし、難点を上げるとしたら、次走どの不利馬をねらうかの選択が難しいのと、作業に時間が掛かることでしょう。

個人的には、「前走不利馬」をストックしてねらう方法は、効果的だが労力に見合わないと考えており、いくつか条件を絞り込んだり、方法を工夫したりして省略化を図ることで実戦的なものになると思っています。

ここから先は

1,391字

この記事は現在販売されていません

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?